朝から疲れやすく食後に強い睡魔になる原因は?東洋医学的な視点からの解説

嗜眠
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

疲れにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

「朝起きたばかりなのに、もう疲れている…」 「食事の後はいつも強烈な眠気に襲われる…」

このようなお悩みを抱えている方は意外と多いものです。単なる睡眠不足や疲労の蓄積と片付けられがちですが、東洋医学的に見ると、これらの症状には体質的な問題が隠されていることがあります。

今回は、疲れやすさと過度な眠気に悩む40代女性の体験談をもとに、東洋医学的な視点からその原因と改善法についてお伝えします。冷えやむくみ、生理痛なども併せて抱えている方にとって、特に参考になる内容です。

それでは、この方の体質を分析しながら、自然療法による改善法を探っていきましょう。

この方の体質的な特徴はどのようなものですか?

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 43歳女性
  • 身長:167cm
  • 体重:58kg
  • BMI:20.8

主な症状:

  • 朝からの疲れやすさ
  • 食後の強い眠気
  • 顔やふくらはぎのむくみ
  • 生理痛や排卵痛
  • 子宮内膜症と浮腫みで通院中
  • 甲状腺腫は経過観察中

この方は自己観察によると、顔色が黄色っぽく、皮膚や髪の毛は乾燥しています。舌は厚く、舌先に赤みが強く、歯の跡があり、舌苔は白色で奥に行くほど厚くなっており、一部剥がれている箇所もあるとのことです。

まず、顔色が黄色っぽいというのは注目すべき点です。通常、血行が良ければ「血色が良い」状態で顔色は赤みを帯びますが、血液が顔を含めた上半身へうまく運ばれなくなると、黄色っぽく見えるようになります。

どうして食後に強い眠気が起こるのでしょうか?

健康な状態では、適度な疲れを感じると眠くなり、睡眠によってエネルギーが補充されて元気な状態に戻ります。そして、また日中の活動でエネルギーを消費し、夜には自然と眠気が訪れるというサイクルを繰り返します。

ところが、体が冷えている方の場合、もともと「気」の活動が活発でないため、脳の活動も低下しがちです。また、体内に余分な水分が充満している場合は、その水分によって「気」の流れが抑えられ、常に眠気を感じやすくなります。

特に食後に眠気がひどくなるのは、お腹の働きが弱っていることが大きな原因です。食べ物を消化するために、限られたエネルギーが体の中心部に集中してしまい、脳の活動を支えるエネルギーが不足することで眠気が強まるのです。

夜間の睡眠が質的に十分でない場合も、日中に不足分を補おうとして眠気が出やすくなります。このような状態が慢性化すると、「朝から疲れている」という悪循環に陥ってしまうのです。

東洋医学的に見たこの方の体質はどのようなものですか?

この方の症状を総合的に見ると、体の上部と下部でバランスが崩れているのが特徴です。

体の上部には、皮膚の乾燥、髪の乾燥、舌先の赤みなど、熱や乾燥の症状が見られます。一方、体の下部には、舌根部の厚い苔、胃のチャポチャポ音、ふくらはぎの浮腫みなど、余分な水分の充満が見られます。

この不均衡の背景には、内臓の下垂、食欲不振、胃のもたれ、便秘気味など、お腹の働きの弱さがあります。特に平滑筋と関連する「持ち上げる働き」に弱さがあると考えられます。

体の上部の熱や乾燥は、睡眠の質を下げ、寝つきを悪くし、夢を多く見る原因となっています。また、不安感や物忘れなど、脳の働きへの影響も出ています。

冷えを感じた時に症状が悪化するという点から、体の芯部の冷えが根本的な問題と考えられます。この冷えによって血液や内臓を持ち上げる働きが弱まり、水分の流れが滞って下半身にむくみを引き起こし、「気」の巡りが悪くなることで疲れやすさや過度の眠気、生理痛、排卵痛などの症状につながっているのです。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の体質改善には、お腹の「持ち上げる働き」を高めることが大切です。これにより、必要な栄養素や血液を上半身へ届けやすくし、停滞している水分や血液の巡りを改善することができます。

すでに足湯やお灸、薬膳などを実践されているとのことですので、これらは継続していただくのが良いでしょう。

生理痛改善のための食事療法

身体を温めて血行を良くし、生理痛に効果のある食べ物をいくつかご紹介します:

  • ミョウガと乾燥生姜を合わせた味噌汁
  • ニラと生姜を黒砂糖で味付けした料理
  • ヨモギを料理に使う、またはお風呂に入れて入浴する

水分摂取の工夫

体内の余分な水分が滞ることが問題の一因ですが、これは意外にも「喉の周辺で熱を持つことによる過剰な水分摂取」が関係していることがあります。がぶ飲みはせず、喉の渇きを潤す程度の飲み方を心がけましょう。

また、良く噛んで食べることでもお腹の働きは回復していきます。ゆっくりと味わいながら食事をすることを意識してみてください。

背骨とお腹のケア

整体の観点では、胸椎4~8番のズレがお腹の働きの弱さに、胸椎10~腰椎2番のズレが腎臓の働きの不具合(浮腫みなど)につながると考えられています。

ストレッチとあわせて、以下のようなセルフケアを試してみてください:

  1. 仰向けになり、テニスボールを背中の下に置く
  2. 気持ち良く感じる部位を、心地よい範囲で押す
  3. お腹の芯部が硬くつっぱっている部位を温めながら優しく押す
  4. 全身をリラックスさせる

もちろん、お腹も背中も温めて気持ちが良ければ、お灸で温めながらリラックスするのも効果的です。

効果が期待できる漢方薬

この記事でご紹介した体質の改善に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものがあります:

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) – 冷えによる血行不良や水分代謝の乱れに効果的
  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう) – 内臓の下垂や胃のもたれ感に働きかける
  • 柴胡桂枝乾姜湯(さいことけいしかんきょうとう) – 体の芯の冷えと上部の熱を同時に改善

ただし、これらはあくまでも一般的な体質改善のための漢方薬であり、個人の症状が複雑な場合には単独では効果が現れにくいことがあります。ピヨの漢方では個々の体質に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

朝からの疲れや食後の強い眠気は、体質的な問題から来ていることが多いものです。特に「冷え」と「水分代謝の乱れ」による血液循環の低下が大きな原因となります。

今回ご紹介した方の例では、体の上部の乾燥・熱と下部の水分停滞というアンバランスな状態が、様々な不調を引き起こしていました。

自然療法としては、お腹の「持ち上げる働き」を高め、体の芯から温めることで、気と血の巡りを改善することが大切です。食事療法や背骨・お腹のケア、適切な水分摂取を心がけることで、徐々に体質改善を目指しましょう。

ご自身の体質や症状にぴったりの漢方薬を知りたい方は、ぜひピヨの漢方へご相談ください。一人ひとりの体質や症状に合わせたアドバイスをさせていただきます。

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ピヨ先生
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