
こんにちは
どうなさいましたか?

疲れやすさにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
年齢を重ねるにつれて「以前より疲れやすくなった」「寒さがつらい」という声をよく耳にします。特に更年期の女性からは、このようなお悩みが多く寄せられています。
今回は、そんな「疲れやすく更年期で寒いと辛くなる方」の貴重な体験談をもとに、東洋医学的な視点から原因を探り、日常生活に取り入れられる自然療法をご紹介します。
体の不調は単なる年齢のせいではなく、体質のバランスの崩れから来ていることが多いのです。自分の体質を知ることで、より効果的な対策ができるようになりますよ。
この方の体質と症状はどんな特徴があるの?
今回ご相談いただいたのは52歳の女性の方です。まずは外見的な特徴とお悩みの症状を見ていきましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 52歳女性
- 身長:166cm
- 体重:51kg
- BMI:18.51(やや痩せ気味ですが正常範囲内)
- 舌の色:白っぽい
- 舌の苔:水っぽく、一部はがれている
- 髪の毛:薄く、抜けやすい
主な症状:
- 疲れやすい
- 更年期症状がある
- 寒いと特に辛くなる
- 手足が冷える
- 肩こりがある
- 皮膚が乾燥しやすい
- 爪が脆い
- 夢をよく見る
- 忘れっぽい
- 耳鳴りがある
- 腰や膝に疲れや脱力感がある
疲れやすさの原因は「気」の不足にあるの?
東洋医学では、健康な状態とは**「気」が量的に足りており、その「気」が体全体を順調に巡っている**状態だと考えます。
疲れを感じるときには、体のどこかで気が不足している可能性があります。これは車に例えると、ガソリンタンクの燃料が少ない状態。限られたエネルギーでやりくりするため、中心部に気を集中させ、全身に行き渡らなくなります。
気の不足には、主に二つのパターンがあります:
- 全体的な気の不足:朝は比較的元気だが、日中活動するにつれてエネルギーが減り、夕方から夜にかけて疲労感が強くなる
- 気の巡りの悪さ:朝が最も疲労感が強く、活動するにつれて徐々に軽くなる(さび付いたドアが動かすうちに軽くなるのと同じ)
更年期には体にどんな変化が起きているの?
東洋医学では、女性の体は7の倍数で変化すると考えられています。
- 7歳:新陳代謝が活発になる
- 14歳:月経が始まる
- 28歳頃:体の勢いが最も強くなる
- 42歳頃:体の勢いが落ち始める
- 49歳頃:閉経を迎える
この成長と衰退のカーブは「腎気」によって調整されています。腎には「精」という生命力の基が蓄えられており、その中には体の潤いの基となる「腎陰」と、熱源となる「腎陽」が含まれています。
更年期になると、それまで妊娠のために子宮に多くの「気血」を送っていた体が変化し、その機能から解放されます。その結果、体内のバランスが崩れやすくなり、様々な症状として現れるのです。
体質から見るこの方の不調の原因は?
この方の症状を東洋医学的に分析してみましょう。
熱の不足が見られます:
- 寒いと辛い
- 舌の色が白っぽい
- 手足が冷える
- のどの渇きがない
気血の流れに勢いがなく、滞っている様子:
- シミ・ソバカスがある
- 皮膚が黒ずみやすい
- 肩こりがある
血液不足の兆候(特に体の上部や末端部):
- 髪の毛が薄く抜けやすい
- 皮膚が乾燥しやすい
- 爪が脆い
- 夢をよく見る
- 忘れっぽい
このように、体の熱が不足していることで末端部への運搬力が弱まり、必要な場所に「気血」が届かなくなっているため、疲れやすくなっていると考えられます。
また、更年期症状や耳鳴り、腰や膝の疲労感から、腎気への負担も背景にあることがうかがえます。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の体質を踏まえ、以下の自然療法をおすすめします:
1. 生活リズムの調整
- 昼間はしっかり活動し、夜は早めに就寝するようにしましょう
- 睡眠時間を多めに確保することで、体のエネルギーを蓄えます
2. 適度な運動で体を温める
- 軽く汗ばむ程度の散歩
- 家事や掃除など日常動作で体を動かす
- 無理をせず、体を温める程度の運動を心がけましょう
3. バランスの取れた食事
- 腹八分目を心がける
- 重すぎる食事は避け、消化しやすい食材を選ぶ
- 温かい食べ物や飲み物を優先する
4. 心の安定を図る
- 寝る前に軽い瞑想や深呼吸を行う
- 心が穏やかになるような時間を持つ
- 無理にがんばりすぎないよう意識する
更年期の体質改善に役立つ漢方薬は?
特定の体質改善に役立つ可能性のある漢方薬をご紹介します。ただし、これらは一般的な情報であり、この方の体質に合うとは限りません。
- 当帰芍薬散:血の不足による冷えや疲れに効果が期待できる漢方薬です。体を温め、血行を促進します。
- 加味逍遙散:更年期特有の精神不安や不眠、ほてりなどの症状に用いられる漢方薬です。
- 六味地黄丸:腎陰不足による症状に効果が期待できる漢方薬で、体の潤いを回復させます。
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいことがあります。当店では個人の体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:体質を知って効果的に対策しましょう
疲れやすく寒さを感じやすい更年期の女性の体質には、気血の不足と運搬力の低下という特徴があることがわかりました。
自然療法としては:
- 早寝早起きで十分な睡眠をとる
- 適度な運動で体を温める
- バランスの取れた食事を心がける
- 心の安定を保つためのリラックス時間を持つ
これらの方法を日常生活に取り入れることで、体質改善につながります。無理せず、自分のペースで続けることが大切です。
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