古来より珍重されてきたスッポン。その滋養強壮効果から「薬膳の王様」とも呼ばれるこの生物について、あなたはどれだけご存知でしょうか?
日本で古くから食用・薬用として親しまれてきたスッポンは、単なる食材ではなく、豊富な栄養素と薬効を持つ貴重な存在です。今回は、そんなスッポンの基本情報から薬効、適切な摂取方法まで、東洋医学の知恵に基づいて詳しく解説します。
健康に関心のある方はもちろん、伝統的な食文化に興味がある方にもぜひ参考にしていただきたい内容です。それでは、スッポンの奥深い世界へ一緒に飛び込んでみましょう!
スッポンとは?基本情報を知ろう
スッポン(鼈)は、淡水に生息するカメの一種で、古くから日本や中国で食用・薬用として重宝されてきました。
性味・帰経(東洋医学での特性)
- 性味:平、甘
- 帰経:肝・脾・胃
スッポンは特に甲羅部分(鼈甲)が薬用として用いられ、滋陰退熱(陰を補い熱を取る)や軟堅散結(硬いものを柔らかくし、しこりを散らす)の作用が強化されるのです。
スッポンの薬効とは?驚きの効能の数々
スッポンには多くの薬効があることが伝統医学で認められていますが、特に以下の効能が知られています。
1. 滋陰潜陽(陰を補い陽を抑える)
スッポンの甲羅(鼈甲)には腎陰を補い、肝陽を鎮める作用があります。特に以下の症状に効果的です:
- 頭痛やめまい
- 耳鳴り
- 腰や膝の痛みや弱さ
2. 退熱除蒸(熱を取り去る)
陰虚(体内の水分や潤いの不足)によって生じる以下のような症状を緩和します:
- 寝汗(盗汗)
- 午後になると上がる熱(潮熱)
- 身体の火照り感
3. 軟堅散結(硬いものを柔らかくし、結節を散らす)
体内の硬い塊や結節を軟化させ、散らす効果があります:
- 様々な腫瘍の補助治療
- しこりや結節の軟化
- 組織の硬化を和らげる
スッポンはどのように現代医学で評価されている?
現代の研究によると、スッポンには以下の成分や効果が確認されています:
- コラーゲンやタンパク質が豊富
- 各種ミネラルや微量元素を含有
- 免疫調節作用
- 肝臓の機能を回復させる作用
これらの研究結果は、古来からの経験的知識を裏付けるものとなっています。
禁忌・注意すべき人
- 脾胃が虚寒の方(胃腸が弱く、冷えやすい体質の方)
- 妊婦の方は慎重に
- 必ず医師の指導のもとで摂取しましょう
まとめ:スッポンの魅力と上手な活用法
スッポンは単なる食材ではなく、東洋医学の知恵が詰まった貴重な薬用資源です。その主要な特徴を振り返ってみましょう:
- 滋陰潜陽、退熱除蒸、軟堅散結などの多彩な薬効
- コラーゲンやタンパク質、ミネラルなどの豊富な栄養素
- 免疫調節や肝機能改善などの現代医学的効果
ただし、スッポンの効果を最大限に引き出すには、体質や体調に合わせた適切な摂取が重要です。東洋医学では「個体差」を重視しますので、専門家に相談しながら、あなたの体質に合った形で取り入れることをおすすめします。
健康維持や美容のために、この伝統的な食材・生薬の恵みを上手に活用してみてはいかがでしょうか。
参考文献

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