しじみといえば味噌汁の具材として馴染み深い食材ですが、実は古くから薬膳の世界でも重宝されてきました。日本では縄文時代から食されてきたこの小さな二枚貝には、驚くほど多くの健康効果が秘められています。特に肝機能をサポートする効果は広く知られており、「飲み過ぎた翌朝のしじみ汁」という習慣も定着していますね。
縄文時代から日本人に食べられてきたしじみは、特に江戸時代には庶民の食卓に欠かせない存在でした。現在でも島根県の宍道湖では「宍道湖七珍」の一つとして地元の特産品になっています。
今回は、そんなしじみの持つ薬効や活用法について、Q&A形式でわかりやすく解説していきます。日常的に取り入れやすいしじみの力を、ぜひ健康維持にお役立てください。
しじみとは?基本情報を教えてください
しじみは日本の河川や湖に生息する淡水産二枚貝で、古くから私たちの食卓に親しまれてきました。
【性味/帰経】
- 性味:寒、甘、鹹(かん)
- 帰経:肝
栄養成分
しじみには以下の栄養素が豊富に含まれています:
- タウリン(コレステロール代謝を促進)
- オルニチン(肝機能をサポート)
- アラニン(肝臓のアルコール分解を助ける)
- 鉄分(貧血予防に効果的)
- その他ビタミンB群や各種ミネラル
しじみにはどのような薬効があるのですか?
しじみには主に「清熱解毒」と「利湿退黄」という2つの大きな薬効があります。これらの効果により、様々な症状の改善が期待できます。
1. 清熱解毒(体内の熱と毒素を取り除く)
以下のような症状に効果があります:
- 口の渇き
- 黄色い痰
- 咳
- 喘息
- 腫れ物や皮膚の炎症
2. 利湿退黄(湿気を取り除き、黄疸を改善する)
以下のような症状に効果があります:
- 黄疸
- 湿疹
- 水虫
その他の効果
- 肝機能の向上:体に溜まった余分な熱を冷まし、肝機能を高める効果があります
- アルコール分解の促進:飲み過ぎた時や二日酔いの症状を緩和します
- 造血作用:血を補う働きと鉄分の豊富さから、貧血の方にも効果的です
- 免疫力強化:栄養成分が免疫力を高め、抵抗力を向上させます
- 睡眠改善:安神養心(精神を落ち着かせる)作用があり、不眠や心悸亢進に効果があります
しじみをどのように活用すれば良いですか?
しじみは様々な症状に合わせて、他の食材と組み合わせることでより効果的に活用できます。
おすすめの食べ方
- 味噌汁:最も一般的で手軽な摂取方法です。特に二日酔いの朝に効果的ですね
- しじみご飯:しじみの旨味が米に染み込み、栄養価も高まります
- しじみの佃煮:保存がきく上、お酒のおつまみにもなります
Q4: しじみを食べる際の注意点はありますか?
しじみ自体には特に禁忌はありませんが、いくつか注意すべき点があります。
- 特に禁忌はありませんが、薬膳の伝統的な考えでは「肉質性寒」とされるため、体質的に冷えが強い方は摂取量に注意しましょう
- 一度に大量に摂取するのは避けるようにしましょう。かえって肝臓の負担になります。
- アレルギーがある方は控えてください
- 新鮮なものを選び、しっかり加熱して食べるようにしましょう
まとめ:しじみで健康的な毎日を
しじみは日本の食文化に深く根付いた食材であると同時に、優れた薬効を持つ自然の恵みです。特に肝機能のサポートやアルコール分解の促進、貧血改善など、現代人の抱える健康課題に対応する効果を持っています。
小さな体に詰まった栄養素と薬効を日常的に取り入れることで、健康維持に役立てていきましょう。特に飲酒習慣のある方や、肝機能が気になる方には積極的に摂取をおすすめします。
また、しじみは調理法も簡単で保存もきくため、忙しい現代人の生活にも取り入れやすい食材です。ぜひ今日から意識的にしじみを食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか?
参考文献

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