里芋の驚くべき薬効と効能|東洋医学から見た健康パワー

薬膳手帳

みなさんこんにちは。今日は私たちの食卓に欠かせない身近な食材「里芋」について、東洋医学的な観点からその驚くべき薬効と効能についてお話ししたいと思います。

煮ても、サラダにしても、コロッケにしても美味しい里芋ですが、実は健康面でも多くの優れた効果を持っているのをご存知でしょうか?

その名前の由来は、「里」で栽培できる「芋」ということから「里芋」と呼ばれるようになったといわれています。一方、山で取れる芋は「山芋」、生薬では「山薬」として古くから重宝されてきました。

この記事では、里芋の効能について詳しく解説し、日常生活に取り入れる方法や注意点についてもご紹介します。

里芋とは?基本情報と栄養価について

東洋医学では、里芋は「平、甘、辛」の性質を持ち、「益脾和胃(えきひわい)」「化痰軟堅(けたんなんけん)」「消腫散結(しょうしゅさんけつ)」「寛腸通便(かんちょうつうべん)」という効能があるとされています。

栄養面では、里芋には以下のような成分が含まれています:

  • 食物繊維
  • ムチレージ(ネバネバ成分)
  • ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE
  • カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル
  • デンプン質

これらの栄養素が様々な健康効果をもたらしています。

里芋の薬効・効能とは?東洋医学的観点から

【疲労回復に効果的?里芋の「益脾和胃」作用とは】

里芋は「益脾和胃(えきひわい)」という効能を持ちます。これはお腹の働きを強化し、胃の機能を整えるという意味です。

里芋には、エネルギーを生み出す元となる糖質が豊富に含まれているため、「気」を補うのを助け、疲労回復に役立ちます。特に、お腹の働きが弱って疲れが蓄積している時に効果的です。

また、里芋に含まれるネバネバ成分のムチレージには、次のような働きがあります:

  • 胃の粘膜を保護する
  • タンパク質分解酵素を含み、消化吸収を助ける
  • 脂質の代謝を高める
  • 肝臓や腎臓の機能を向上させる

これらの働きにより、動脈硬化や脂質異常症の改善にも効果が期待できます。

【腫れものや炎症に?里芋の「化痰軟堅」「消腫散結」効果】

里芋には「化痰軟堅(けたんなんけん)」と「消腫散結(しょうしゅさんけつ)」という効能もあります。これは痰を取り除き、硬い腫れを柔らかくし、腫れを消して塊を散らすという意味です。

里芋は芋類としては珍しく辛味の性質があるため:

  • 滞った気の巡りを改善する
  • 停滞している血の塊を取り除く
  • 血行を促進する
  • 皮膚や粘膜の炎症を鎮める

自然療法では、すりおろした里芋におろした生姜と小麦粉を混ぜたものをガーゼなどに塗って患部に当てると、停滞しているものが動き出して排出されることで、次のような症状の改善に役立つとされています:

  • 乳腺炎などの腫れもの
  • 火傷
  • 神経痛や炎症の痛み
  • 高熱時の治療

この方法は、痛みをブロックして止めるのではなく、停滞しているものを動かすことで痛みの原因そのものを取り除くアプローチです。

【便秘解消に効果的?里芋の「寛腸通便」パワー】

里芋には「寛腸通便(かんちょうつうべん)」という効能があり、腸を広げて便通を良くする働きがあります。

その理由は:

  • 食物繊維が豊富に含まれている
  • ムチレージなどのネバネバ成分が胃腸の働きを活性化する
  • 腸の蠕動運動を促進する

さらに、ムチレージには皮膚の潤いを保つ働きもあるため、適度に里芋を食べることで:

  • 便秘が解消される
  • 皮膚の保湿力が高まる
  • 肌の乾燥を防ぎ、健康的な肌を保つ

このように、里芋は内側から美容と健康をサポートしてくれる食材なのです。

里芋を食べる際の注意点はありますか?

里芋の素晴らしい効能をご紹介しましたが、いくつか注意すべき点もあります:

  1. 皮膚刺激に注意
    • 里芋のぬめりの中にはシュウ酸カルシウムという刺激物質が含まれています
    • 皮膚が弱い方が直接触れると痒みが出ることがあります
    • 調理の際は手袋を着用するか、調理後すぐに手をよく洗いましょう
  2. 食べすぎに注意
    • お腹の働きが弱く胃痛のある方や、お腹が熱っぽい方は食べすぎないようにしましょう
    • 過剰摂取するとお腹が張って痛みが悪化する可能性があります
    • 体調に合わせて適量を心がけましょう
  3. 外用時の注意
    • 外用薬として使用する場合は、必ず事前に皮膚テストを行いましょう
    • 肌の弱い方は特に注意が必要です
    • 刺激を感じたらすぐに使用を中止してください

まとめ:里芋の健康パワーを日常に取り入れよう

里芋は、単なる美味しい食材ではなく、東洋医学的にも価値の高い健康食材であることがわかりました。

  • 疲労回復効果:気を補い、胃や腸の粘膜を保護して丈夫にする働きがあります。疲れているときや食欲のないときにぜひ取り入れたい食材です。
  • 代謝改善効果:ムチンには脂質代謝を良くしたり、肝臓の働きを高める作用があり、動脈硬化や脂質異常症の改善に有効とされています。
  • 便秘改善効果:食物繊維が豊富で、腸内の老廃物を排出し、便秘の改善に効果的です。

これらの効能を活かして、季節の変わり目や疲れが溜まっているときなど、体調管理に里芋を取り入れてみてはいかがでしょうか。煮物やコロッケだけでなく、サラダやスープなど様々な調理法で楽しみながら、里芋の持つ自然の力を生活に取り入れていきましょう。

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