
こんにちは
どうなさいましたか?

お腹の張りとおならにお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
お腹の張りやガスでお悩みの方は少なくありません。特に年齢を重ねるにつれて、体の巡りが悪くなり、このような症状が出やすくなることがあります。
今回は50代女性の方の体質分析と、その方に合わせた自然療法についてご紹介します。「なぜお腹が張るのか」「なぜガスが臭くなるのか」といった原因を東洋医学の観点から解き明かし、日常生活でできる改善策をお伝えします。
同じような症状でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。体質を理解することで、効果的な対策ができるようになりますよ。
外見的な特徴とお悩みの症状
まずはこの方の特徴をご紹介します。
- 50歳・女性
- 164cm
- 54kg
- BMI:20.08
- 顔色が白っぽい
- 舌の色が白っぽい
- 舌の苔が奥や真ん中が白い
主な症状:
- お腹がはる、おならが出る
- おならの臭いが強い
- 肉類を食べると特に臭くなる傾向がある
- 手足が冷える、寒がり
- 雨の日は体調が悪い
- 足に浮腫みがある
- 喉が渇いて水を飲みたくなる
- 口唇が乾燥しやすい
- 疲労時や夜間に掌や足の裏が熱くなる
- 痰が黄色い
この方の体質はどのようなものなのでしょうか?
お腹が張るという症状からは、体内の「動きの悪さ」があると考えられます。ゲップやガスが出ると楽になることから、腸管の動きが停滞しがちで、「気の滞り」(気の流れが滞っている状態)があるようです。
この方の特徴として、食べると腹が張りやすい、手足が冷える寒がり、顔色が白っぽい、舌の色が白っぽいなどが見られます。これらは動かす力の原動力となる熱源に弱さがあることを示しています。つまり、動かす力の不足も感じられるのです。
お腹が張りやすい原因は、この動かす力の弱さと気の滞りの組み合わせによるものかもしれません。
BMIの数値からは全体的な水分バランスの崩れは見られませんが、舌の苔が奥や真ん中が白く、雨の日に体調が悪くなり、足に浮腫みがあることから、水を巡らせる力が弱く、体の中央から下部にかけて水が充満している状態が考えられます。
もともとお腹の周辺に水が充満しているところへ、さらにお腹の動きが悪いのに消化に時間がかかる食べ物が入ってくると、いつまでも腸管内に未消化物が残ってしまい、おならが発生しやすくなります。
また、喉が渇いて水を飲みたい、口唇が乾燥しやすい、疲労時や夜間に掌や足の裏が熱いといった症状から、潤いを届けられない部位では乾きや熱の症状が見られます。
痰が黄色いことからこもった熱も生じているようで、未消化物はお腹の中で湿熱(湿っぽく熱を持った状態)のようなドロドロしたものに変化し、それが強い匂いを発生させている可能性があります。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の体質的な背景としては、体に冷えがあって水の巡りが悪く、下半身に水が充満していて、お腹の動きも滞りがちであることが挙げられます。
そこでまず、適度な運動が必要かもしれません。体を動かすことでお腹の働きも高まり、余分なものの排出も進みます。もし運動不足かもと心当たりがありましたら、ぜひお試しください。
また、喉が渇いて水を飲みたいという症状も見られます。これは持ち上げる力の不足で潤いを喉の周辺に届けられず、気の滞りによってこもった熱を生じさせて喉の渇きを呼んでいると考えられます。
しかし、足に浮腫みがあるなど体には動きの悪い水分が停滞しているため、水分の飲み方には工夫が必要です。もし飲み過ぎかもと心当たりがある場合は、熱中症の季節以外においては、喉の渇きを感じてから少しずつ飲むようにしてみましょう。
おすすめの体質改善漢方薬
この「水滞」と「気滞」が見られる体質の改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します(特定の方の処方ではなく、一般的な情報です):
- 五苓散(ごれいさん):水の巡りを改善し、むくみや水分代謝の異常を整える効果があります。
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):消化不良や胃腸の不調、お腹の張りに効果的です。
- 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):気の巡りを促して、気血や水の滞りを解消して、気滞によるお腹の張りを改善します。
ただし、症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくい場合があります。当店(ピヨの漢方)では、お一人おひとりの体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:お腹の張りとガスの悩みを改善するために
50代女性のお腹の張りやガスの問題は、冷えによる気の滞りと水の巡りの悪さが複合的に影響していることが多いです。
改善のポイントは以下の通りです:
- 適度な運動で体の巡りを良くする
- 水分摂取は喉が渇いてから少しずつ飲む
- 消化しやすい食事を心がける
- 体を冷やさない工夫をする
体質改善は一朝一夕にはいきませんが、毎日の小さな習慣の積み重ねが大切です。自分の体質を理解して、それに合った生活習慣を取り入れていきましょう。
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