浮腫みと乾燥肌の矛盾?アトピー性皮膚炎の原因と自然療法による改善法

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

アトピーにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

乾燥肌なのに浮腫みがある、さらにアトピー性皮膚炎の症状が月経周期に合わせて変化する—こんな一見矛盾した肌トラブルでお悩みではありませんか?実はこれらの症状には、東洋医学的に見ると共通の原因があるのです。

今回は、乾燥肌とアトピー性皮膚炎に悩む方の体験談をもとに、その原因と効果的な自然療法についてご紹介します。皮膚の健康は単なる外側からのケアだけでなく、体内のバランスを整えることが大切です。

この方の外見的な特徴とお悩みの症状は?

まずは、今回ご相談いただいた方の特徴をご紹介します:

  • 身長:152cm
  • 顔色:赤ら顔
  • 舌の状態:苔は少なく、水っぽい状態
  • 舌裏の静脈:細いが、よく見える

主な症状:

  • 乾燥肌と浮腫みの併発
  • アトピー性皮膚炎による痒み
  • 冬に悪化する乾燥肌(オフィスワークでは夏も乾燥)
  • 月経周期に関連する痒みの悪化

なぜ乾燥肌になるのでしょうか?

皮膚の健康は私たちが思う以上に複雑なメカニズムで保たれています。健康な肌を維持するカギとなるのが「角質層」です。この角質層が正常に機能していれば、アミノ酸やセラミドなどの成分が肌の水分を適切に保持し、不必要な水分蒸発を防いでくれます

私たちの皮膚は常に外部環境にさらされていますが、健康な状態であれば体内から潤いが補充され、乾燥することはありません。しかし、この潤いの供給システムに問題が生じると、たちまち乾燥肌になってしまうのです。

なぜなら、皮膚自体は必要な潤いや栄養を作ることができず、代謝による不要物も処理できないからです。皮膚の健康を保つには、体内との綿密な連携が欠かせません。この連携が途切れると、角質層が壊れ、バリア機能が低下して水分保持ができなくなります。

乾燥肌の原因は大きく3つに分けられます:

  1. 体全体の潤い不足:過労や夜更かし、冷たい食べ物の摂り過ぎなどで体が潤いを作れない
  2. 潤いを皮膚まで届けられない:ストレスや気の巡りの悪さで、体内の潤いが皮膚まで到達しない
  3. 潤いの供給を邪魔する要因がある:浮腫みなどによって皮膚への血流が阻害される

特に注目すべきは3つ目のケースで、皮下が浮腫んでいると毛細血管が圧迫され、皮膚表面は乾燥しているのに押すとブヨブヨするという状態になることがあります。

この方の体質から見る原因は?

この方の症状を東洋医学的に分析してみましょう。

まず浮腫みについては、特にひざ下に顕著で、夕方になるとお腹周りや肩なども洋服がきつく感じるほど全身がむくむとのこと。舌の状態から判断すると、体全体に水分があふれているわけではなさそうですが、水の流れが悪くなっている可能性があります。

尿の回数(1日5回)と舌裏の静脈の様子からも、水や血の流れの悪さがうかがえます。

次に、水を動かす「気」や「熱」の状態を見てみると:

  • 赤ら顔と舌の綺麗なピンク色から、一見熱が過剰に見える
  • しかし手足の冷え、寒がり、夜間の多尿から、体の芯部や下部には冷えがある
  • 経血の色が薄く量も少ないことから、血の不足も疑われる

また、全身の倦怠感や無力感、月経前の胸の張り、怒りっぽさ、肩こりなどから、気の巡りが滞りがちで、そのエネルギーが中心部にこもり上向きに偏っていることがわかります。これが冷えがあるにもかかわらず赤ら顔になる原因かもしれません。

この状態をお風呂に例えると、水量自体は問題ないのに火力が弱いため正しく循環せず、下部には冷たい水が、上部には熱い水が分離するように存在し、さらに中心部に熱い水が集中するような流れができてしまっている状態です。

つまり、気血の動きが悪くなっていることで全体的に浮腫み、水の流れが悪くなっています。エネルギーが正しく届かなければ全身の倦怠感や無力感につながり、滞った気によって水が巻き込まれれば湿疹や痒みの原因になります。

月経周期と症状の関係は?

この方は痒みが生理周期で変化すると記載されています。生理前の時期は特に気の滞りの影響を強く受けるため、もともとある気の滞りがより表面化して痒みに影響している可能性があります。

また、生理前は気血の配分が体の下部に集中するため、上部ではその分潤いが減り、乾燥や熱の症状が出やすくなって痒みにつながることも考えられます。

ではこの方に、オススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状を総合すると、体の水分を巡らせるための熱が不足し、気の滞りによって気血が全身にきちんと配られず、中心部にこもって上向きに偏った流れができています。その結果:

  • ひざ下を中心に浮腫みが生じ、体下部には水が停滞
  • 体上部には水分が届かず、熱だけが上昇して赤ら顔に
  • 巻き込まれて上がった水分は下りてこられず、全身に浮腫みを生じさせる
  • 冷えと気の滞りにより皮膚まで潤いが届かず、乾燥肌になる
  • 気の滞りと水の停滞が結びつき、湿疹や痒みの原因に

これらの症状改善のために、以下の自然療法をおすすめします:

1. 水分摂取の見直し

記録から、体が要求する以上に水分を摂っている可能性があります。過剰な水分摂取は:

  • 吸収されなければ下痢の原因に
  • 腸管を冷やし、便秘を悪化させる
  • お腹の働きを圧迫し、機能低下を招く

喉の渇きを感じてから水分を摂るように心がけ、飲みすぎに注意しましょう。

2. 適度な運動の習慣化

気の滞りや体の冷えを改善するには、適度な運動が効果的です。体の中の水分を動かしているのは体の熱なので、軽く汗ばむ程度の運動を生活に取り入れましょう。

運動によって巡りが良くなると、偏った流れが動かされ、停滞している水分が排出されやすくなります。まずは軽い散歩から始めてみてください。

体質改善に役立つ漢方薬

このような水の巡りが悪く、気の滞りがある体質の改善に期待できる漢方薬としては以下のようなものがあります:

  • 当帰芍薬散:血の不足や水分代謝の乱れによる浮腫み、冷えに効果的
  • 加味逍遙散:気の滞りや上昇、月経周期に関連する症状の改善に役立つ
  • 五苓散:水分代謝を改善し、浮腫みの解消に効果的

ただし、これらはあくまでこのような体質の改善に効果が期待できる漢方薬の紹介であり、症状が複雑な場合には単独では効果がない場合があります。ピヨの漢方では漢方相談も行っていますので、ぜひご相談ください。

まとめ:乾燥肌とアトピーの根本から改善しましょう

乾燥肌やアトピー性皮膚炎は単なる皮膚の問題ではなく、体内の巡りのバランスが乱れていることが原因かもしれません。この方のケースでは、水の巡りの悪さと気の滞りが根本にあり、それが浮腫みと乾燥肌という一見矛盾した症状を引き起こしています。

自然療法としては、水分摂取の見直しと適度な運動が基本となります。また、体質に合った漢方薬の活用も検討してみましょう。

体の内側から改善することで、肌のトラブルも徐々に良くなっていくはずです。焦らず、長期的な視点で体質改善に取り組みましょう。

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ピヨ先生
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