雨の日や気圧の低い日に起こるメニエールの原因と対策法とは?

めまい
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

メニエールにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

空が曇ってくると体調が悪くなる…。雨が降る前から頭痛やめまいが起こる…。気圧の変化に敏感で、天気予報よりも正確に天候の変化を感じてしまう方はいらっしゃいませんか?

特にメニエール病やめまいでお悩みの方は、天候の変化に体調が左右されることが多いようです。なぜ雨の日や気圧の低い日、寒暖差が激しい日に症状が悪化するのでしょうか?

今回は44歳女性の方の体験を元に、東洋医学的な視点からメニエール病の原因と効果的な対策法をご紹介します。

この女性の体質と症状の特徴は?

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 44歳女性
  • 身長:161cm
  • 体重:47kg
  • BMI:18.13

主な症状:

  • 雨の日や気圧の低い日、寒暖差が激しい日に自律神経が乱れる
  • メニエールや頭痛が発生する
  • 皮膚や髪の毛の乾燥
  • 舌は厚ぼったく赤っぽい
  • 舌に歯の痕がある
  • 舌苔は少なく、水っぽくて剥れている部分がある

メニエール病とは何か?現代医学と東洋医学の見解

メニエール病とは、自分自身や周囲のものがグルグル回っている、傾いている、動いているように感じる平衡感覚の障害のことです。めまいやふらつきが10分から数時間続くことを何度も繰り返し、難聴や耳鳴り、耳が塞がった感じを伴うこともあります。

40~60代の女性に多く見られ、特に責任感が強く几帳面な性格の人がなりやすいと言われています。

現代医学の見解

現代医学では、メニエール病の原因は耳の内部にある三半規管や蝸牛(かぎゅう)などの中のリンパ液が増えすぎることが関係していると考えられています。これらの器官は平衡感覚を調整したり、外部からの音の振動を電気信号に変えて脳へ伝える重要な役割を担っています。

東洋医学の見解

一方、東洋医学ではめまいの原因を「脳を正常に機能させるための気血が十分に届いていない状態」と考えます。脳が正常に機能するためには、気や血液による栄養補給が必要ですが、その流れが阻害されると、脳は栄養不足となり、めまいが生じるのです。

東洋医学的に考えるめまいの主な原因は3つあります:

  1. 頭への気血の過剰な上昇:ストレスなどによる怒りで「頭に血が上る」状態が続くと、体の潤いが消耗し、熱も頭部に上がります。この熱が脳の働きを乱し、めまいを引き起こします。
  2. 体の弱さによる気血の不足:お腹の働きの弱さや病気による消耗で、体内の気も血も不足すると、脳へ十分な気血を届けられなくなり、めまいになります。
  3. 気血の流れを妨げる要素の存在:甘いもの、味の濃い物、脂っこい物、アルコールの過剰摂取や、不規則な食生活、過労、夜更かしなどにより、体内にドロドロしたものが生じ、気血の流れを妨げます。

東洋医学的な体質分析

この方の症状を東洋医学的に分析すると、頭における水分の巡りの悪さが気になります。体の上部では乾燥や熱の症状が見られる一方で、体内には動きの悪い水分が充満している様子がうかがえます。

BMIの値から見ても、全体的に水分があふれているというよりは、水分の動きが悪く、体のあちこちに停滞している状態と考えられます。

体内の水分は本来、腎陽(じんよう)によって温められ、脾気(ひき)と肝気(かんき)によって巡るものです。これらの機能が乱れると、頭部周辺の水の巡りが悪くなり、めまいや頭痛が生じます。

この方の場合:

  • 気の滞り
  • 体の冷え
  • 血の不足

これらを背景に、水分や血の巡りが悪い状態が土台にあります。体内に入った水分は巡りが悪くなり、あちこちに停滞。それが気の上昇とともに頭部へ向かい、肩こり、頭の重さ、めまい、頭痛となっているのです。

なぜ天候の変化で症状が悪化するのか?

雨の日や気圧の低い日に症状が悪化するのは、体内の水分の巡りが外部環境に影響を受けるためです。気圧が低くなると体内の水分も動きが悪くなりやすく、特に耳の周辺での水の巡りも悪化します。

また、寒暖差が激しい日に症状が出るのは、肝気の働きが関係しています。肝気は外部環境の変化に対応して体内環境を調整する役割がありますが、この方の場合はストレスなどで肝気が滞っているため、環境変化に柔軟に対応できず、めまいなどの症状が出やすくなっているのです。

さらに、巡りの原動力不足や血の不足により、脳の活動を正しく維持できなくなることも、めまいの原因となっています。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状改善には、水分摂取のタイミングと適度な運動が重要です。

体内に動きの悪い余分な水分があることが、耳の周辺の水の巡りを停滞させ、めまいを引き起こしていると考えられます。これは以下の症状からも推測できます:

  • 喉の渇きを感じない
  • 小便の量が少ない
  • 浮腫みがある
  • 胃の中でチャポチャポ音がする

水分摂取の工夫

お風呂の例えで考えてみましょう。お風呂の栓を抜いて排水しようとしても、蛇口を全開にしてそれ以上に水が入ってきていれば、いつまでも水は減りません。それどころか、冷たい水が入り続けることで、お風呂の水は冷やされ、ますます循環が悪くなってしまいます。

同様に、喉の渇きを感じていないのに水分を摂りすぎると、体内の水分バランスが崩れる恐れがあります。喉の渇きを感じてから水分を飲むようにすることをおすすめします。

適度な運動の重要性

お風呂の水を循環させるために熱が必要なように、体内の水分(津液)を巡らせるためには体の芯部の熱が重要です。本格的なスポーツは必要ありませんが、以下のような軽く汗ばむ程度の運動が効果的です:

  • 近所の坂道を散歩する
  • 通勤などではできるだけ階段を使う

体を動かすことで気の滞りも解消され、上向き過剰の流れが改善します。それによって余分な水分も排泄されやすくなりますので、ぜひお試しください。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この体質の方には、水分代謝を改善し、気の巡りを整える漢方薬が効果的です。ただし、これらは特定の体質に効果が期待できる一般的な漢方薬であり、個人の症状が複雑な場合には単独では効果が得られないこともあります。

  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまいや耳鳴りに用いられ、水分代謝を改善し、頭部の水分の巡りを良くする効果があります。
  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):めまいや頭痛、吐き気を伴うめまいに効果的で、水分代謝を改善し、気の巡りを整えます。
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):気の上昇を抑え、精神を落ち着かせる効果があり、自律神経の乱れによるめまいに効果が期待できます。

症状が複雑な場合や、長期にわたる症状でお悩みの方は、ピヨの漢方にてご相談ください。体質や症状に合わせた漢方相談を行っております。

まとめ:メニエールと天候の関係を理解して対策を

メニエール病や天候による体調不良の原因は、東洋医学的に見ると、体内の水分代謝の乱れと気の巡りの滞りにあります。特に雨の日や気圧の低い日は、体内の水分も動きが悪くなりやすいため、症状が悪化しやすいのです。

対策としては:

  1. 水分摂取は渇きを感じてから
  2. 軽く汗ばむ程度の適度な運動
  3. 体質に合った漢方薬の活用

これらを継続することで、体内環境を整え、天候に左右されにくい体質づくりを目指しましょう。

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ピヨ先生
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