
こんにちは
どうなさいましたか?

めまいにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
めまいがなかなか良くならず、お悩みではありませんか?
半夏白朮天麻湯という漢方薬が効果的だと聞いたけれど、自分のめまいに合うのか気になりますよね。めまいの原因はさまざまですが、お腹の働きが弱いことで体内に余分な水分が溜まり、それがドロドロになって脳への栄養供給を邪魔している場合があります。
今回は、半夏白朮天麻湯がどのようなめまいに効果的なのか、中医学の視点から詳しくご説明します。
半夏白朮天麻湯はどんな漢方薬ですか?
半夏白朮天麻湯は、13種類の生薬を組み合わせた漢方薬です。お腹の働きを高めながら、体内に停滞したドロドロを排除する働きがあります。
配合されている生薬とその働きは次の通りです。
- 人参(にんじん):お腹の働きを強化
- 白朮(びゃくじゅつ):余分な水分を巡らせる
- 茯苓(ぶくりょう):水分の停滞を解消
- 生姜(しょうきょう):消化を促進
- 半夏(はんげ):ドロドロを温めて排除
- 陳皮(ちんぴ):気を下向きに導く
- 沢瀉(たくしゃ):余分な水分を排出
- 麦芽(ばくが):消化を助ける
- 神曲(しんきょく):消化を応援
- 黄耆(おうぎ):気を上向きに持ち上げる
- 天麻(てんま):めまいを鎮める
- 黄柏(おうばく):余分な熱を冷ます
- 乾姜(かんきょう):体の芯を温める
これらの生薬が協力して働くことで、めまいの原因となるお腹の弱さと水分代謝の乱れを整えていきます。
どうしてめまいが起こるのですか?
中医学では、めまいは脳に十分な気血(栄養)が届いていないことが原因の一つと考えます。
私たちの体の機能が正常に働くためには、気や血液による栄養補給が必要です。しかし、何らかの理由でこの流れが邪魔されると、脳は栄養不足になり正常に働けなくなってめまいが起こります。
半夏白朮天麻湯が効果的なめまいの場合、次のような過程で症状が起こっていると考えられます。
お腹の働きが弱る ↓ 余分な水分が体内に停滞 ↓ 停滞した水分がドロドロに変化 ↓ ストレスなどで気が上向きに過剰に流れる ↓ ドロドロが気の流れに巻き込まれて上昇 ↓ 脳への栄養供給路が塞がれる ↓ めまい・耳鳴り・不眠などが発生
食べ過ぎや飲み過ぎ、冷たいものの摂り過ぎ、水分の過剰摂取などが続くと、お腹の働きが弱ってこのような状態になりやすくなります。
どうして半夏白朮天麻湯でめまいが良くなるのですか?
半夏白朮天麻湯は、3つのステップでめまいの原因にアプローチします。
ステップ1:お腹の働きを高める
人参、白朮、茯苓、生姜、乾姜がお腹の機能を強化します。人参がお腹の働きをパワーアップし、白朮と茯苓が停滞している余分な水分を巡らせます。
生姜は消化を促進し、乾姜は体の芯から温めてお腹の機能を高めます。これによって、ドロドロを作り出してしまうお腹の弱さが改善されていきます。
ステップ2:ドロドロを排除する
陳皮と半夏が、お腹の中に停滞しているドロドロを温めながら動かし、下向きに引き降ろして排除します。これらの生薬には気を下向きに導く働きもあるため、気の上向き過剰な状態も解消されます。
沢瀉は体の下の方に停滞している水分を、排尿を促すことで体外へ追い出します。麦芽と神曲は消化を応援し、ドロドロができるのを防ぎます。
ステップ3:脳の働きを整える
黄耆が気を広げる働きを応援し、必要な気血を脳へと持ち上げます。お腹の働きが弱ると上向きに持ち上げる力も弱まるため、この働きが重要です。
天麻は停滞しているドロドロを排除しながら、鎮静作用によって脳の過剰な働きを穏やかにします。黄柏は体の上の方に浮き上がった熱を冷まし、頭の過剰な働きを抑えます。
これらの働きが組み合わさることで、脳への栄養供給路が開通し、めまい・耳鳴り・不眠などの症状が改善されていくのです。
どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント
半夏白朮天麻湯は、次のような体質や症状がある方に特に向いています。
お腹が弱い方 消化不良を起こしやすい、食後にお腹が張りやすい、食欲がわきにくいといった症状がある方に適しています。お腹の働きを根本から整えることで、めまいの原因を解消します。
水分代謝が悪い方 むくみやすい、舌に白いコケがついている、体が重だるい感じがするという方にもおすすめです。余分な水分を排除する働きが、体の巡りを改善します。
ストレスを感じやすい方 ストレスで気の流れが乱れやすく、頭に熱がこもりやすい方にも効果的です。気を下向きに導く生薬が、バランスを整えてくれます。
めまいと一緒に耳鳴りや不眠がある方 めまいだけでなく、耳鳴りや寝つきの悪さも気になる方は、半夏白朮天麻湯が適している可能性が高いです。
ただし、症状が複雑な場合や、単独では効果が十分でない場合もあります。そのような時は、当店での漢方相談をぜひご利用ください。お一人お一人の体質に合わせた適切なアドバイスをさせていただきます。
まとめ
今回は、お腹の働きが弱ることで体内にドロドロが停滞し、それがめまい・耳鳴り・不眠などを引き起こす仕組みと、半夏白朮天麻湯の働きについてご紹介しました。
半夏白朮天麻湯は、お腹を強化しながらドロドロを排除し、脳への栄養供給を改善することで、これらの症状を根本から改善していく漢方薬です。
お腹の働きを弱らせる原因には、食べ過ぎ、飲み過ぎ、冷たいものの摂り過ぎ、甘いものや脂っこいもの、水分の摂り過ぎなどがあります。
特に注意したいのは、食欲がない時に水で流し込むように食事をすることです。これが続くと消化液が薄まり、必要以上の水分が体に入ってお腹が弱ってしまいます。
もしお腹の働きが弱っていて、それがめまいや耳鳴りの原因かもしれないと感じている方は、次のことを意識してみてください。
- 食欲がない時は、食欲がわくまで食べない
- 水分摂取は喉の渇きに応じて飲む
- 体からの声を大切にする
日々の食生活を見直しながら、半夏白朮天麻湯の力を借りることで、めまいの改善につながっていくはずです。
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