
こんにちは
どうなさいましたか?

黒ずみにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
「最近、肌の調子が悪いな…」「いくら寝ても疲れが取れない…」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。特に、肌の血色が悪く、疲れると顔が黒ずんでしまうという症状は、見た目の問題だけでなく、体内の不調のサインかもしれません。
今回は、そのような症状でお悩みの28歳女性の方の体験談をもとに、東洋医学的な視点から原因と改善方法をご紹介します。この記事を読むことで、あなたの体質や症状の背景にある本当の原因が見えてくるかもしれませんよ。
肌の血色が悪く、クマが目立つ方の体験談
今回ご相談いただいたのは、肌の血色の悪さに悩む28歳の女性です。まずは、この方の外見的な特徴とお悩みの症状を見ていきましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 28歳 女性
- 身長:170cm
- 体重:57kg
- BMI:19.72
主な症状:
- 肌の血色が悪い(黄色が強く、疲れると黒ずむ)
- 目の周りのクマが目立つ(化粧でも隠れない)
- 円形脱毛症がある
- 寝ても寝ても眠い
- 疲れると背中がひどく凝る
- 風邪をひきやすい(毎月のように仕事を休むほど)
- めまい・立ちくらみがある
- 唇が乾燥しやすい
- 花粉症がある
この方は特に、肌の血色の悪さとクマの目立ち、慢性的な疲労感、背中の凝りに悩んでおられます。「顔色悪いですね」とよく心配されるほど顔色が悪く、貧血の一歩手前とのことで鉄剤を服用されているそうです。
顔色が悪くなるメカニズムとは?
顔色の変化は、実は皮膚の下を流れる血液の量と流れの状態に大きく左右されます。これを理解するために、まず基本的なメカニズムを見ていきましょう。
顔は体の中でも特に毛細血管の密度が高い部位です。特に頬の血管はお腹と比べて5倍もの毛細血管が通っていると言われています。そのため、血液の流れの変化が顕著に表れやすいのです。
例えば、興奮したり恥ずかしいと感じたりすると、心臓の拍動が盛んになり、顔の皮膚の下の毛細血管にも多くの血液が流れるようになります。その結果、赤い色素が目立って顔色が赤くなります。
反対に、寒い所にいたり体調が優れなかったりすると、毛細血管が収縮して血液の流れが悪くなり、顔色が悪くなります。
血液が赤く見える理由と血色の変化
血液が赤く見えるのは、赤血球に含まれるヘモグロビンの働きによるものです。ヘモグロビンは鉄を含み、酸素と結びつくと赤くなります。この酸素を細胞に渡すと、ヘモグロビンは本来の鉄の色である黒っぽい色に戻ります。
血流が良い状態であれば、常に新しい酸素と結びついた赤血球が供給されるため、赤い色が保たれます。しかし、血流が悪くなると、酸素を渡した後の黒っぽい色のヘモグロビンが増え、顔色が黒ずんで見えるようになります。
この方の体質はどうなっているのか?
この方の症状を東洋医学的に分析すると、いくつかの特徴が見えてきます。
顔色が黄色く、舌の色が白っぽい、舌に歯の跡があるなどの症状から、体に冷えがあることがわかります。ただし、手足の冷えや寒がりの訴えがないため、冷えはそれほど強くないようです。
立ちくらみ、めまい、舌の裏の血管が見える、経血の色が赤黒いなどの症状から、気血を巡らせる運行力の低下が背景にあると考えられます。
さらに、以下の症状から体内に余分な水分が停滞していることが窺えます:
- 舌に歯の跡がある
- 舌の苔が白くて厚い
- 舌の苔の水分が水っぽい
- 足首に浮腫みがある
- 胃の中でチャポチャポする感覚がある
特に注目すべきは、「寝ても寝ても眠い」という嗜眠の症状です。これは体の冷えや体内の余分な水分によって脳の活発さが失われることで起こります。
この方の場合、気血の動きが悪くなって水が停滞しているところに、さらに喉の渇きで水を飲むことで余分な水分が増え、運行力がますます圧迫されて血流が悪化しています。その結果、肌の血色が悪くなり、立ちくらみも起こしやすくなっています。
また、体の上部に停滞している水分が脳を活動させる心気のエネルギーの流れを阻害し、脳の働きが鈍くなって眠気やめまいを引き起こしています。疲れがたまると運行力がさらに低下し、背中や肩周辺で気血が停滞してひどい凝りを生じさせています。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方の症状改善には、余分な水分の摂取を控え、体内の巡りを良くすることが重要です。具体的には次のような自然療法がおすすめです:
1. 水分摂取の工夫
体内には動きの悪い水分が充満しているため、水分補給の仕方を工夫しましょう。
- 熱中症の心配がない季節は、一気に飲まず少量ずつこまめに飲む
- 少し飲んでから様子を見て、時間が経ってもまだ喉が渇いていたら飲む
- 冷たい飲み物より常温か温かい飲み物を選ぶ
2. 適度な運動の習慣化
軽く汗ばむ程度の適度な運動をすることで、血流を促進し、停滞しがちな体内の巡りを改善できます。
- ウォーキングや軽いストレッチから始める
- 無理をせず自分のペースで続けることが大切
- 運動によって体内の余分な水分も排出されやすくなる
3. 食事の見直し
貧血気味ということですが、運搬力の悪いところに重い栄養素である血の材料だけを増やすと、かえって動きが悪くなる可能性があります。
- 腹八分目を心がける
- バランスの良い食事を摂る
- 消化に負担のかかる食べ物や冷たい食べ物は控えめに
この症状に効果が期待できる漢方薬
この方の症状ではなく、一般的に気血の運行力低下や水分停滞の改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します:
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血流を改善し、こもった水や熱を排除する効果が期待できます。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血の巡りを改善し、冷えや貧血傾向に効果があります。
- 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):水分代謝を整え、めまいや頭重感の改善に用いられます。
ただし、これらは一般的な効果であり、症状が複雑な場合には単独では効果がない場合もあります。当店では個々の体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:肌の血色が悪く寝ても寝ても眠い原因とその改善法
今回ご紹介した28歳女性の方のように、肌の血色が悪く、疲れると黒ずみ、寝ても寝ても眠いという症状は、気血の運行力の低下と余分な水分の停滞が主な原因と考えられます。
このような状態を改善するためには:
- 水分摂取を工夫し、体内の余分な水分を増やさないようにする
- 適度な運動で血流を促進し、停滞した気と血を巡らせる
- 腹八分目を心がけ、消化器官に負担をかけない
これらの自然療法を継続することで、肌の血色や慢性的な疲労感、背中の凝りなどの症状が徐々に改善していくことが期待できます。
体質は一朝一夕に変わるものではありませんが、日々の生活習慣の小さな積み重ねが、大きな変化をもたらします。ぜひ、自分の体調と相談しながら、できることから始めてみてくださいね。
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