
こんにちは
どうなさいましたか?

お腹の不調にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
空腹なのに気持ち悪い、でも食べても気持ち悪くなる…そんな胃腸の不調に悩まされていませんか?特に夜になると症状が悪化して、日常生活にも支障をきたすこともあるでしょう。
実はこれ、現代人に非常に多い胃腸トラブルで、漢方医学では肝脾不和や胃熱と呼ばれる状態かもしれません。ストレス社会で生きる私たちの体は、知らず知らずのうちに東洋医学でいう「気」の流れが滞りがちになっています。
今回は、そんな辛い胃腸の不調の原因と、今日からすぐに試せる改善法をお伝えします。薬に頼らず自然な方法で体調を整えていきましょう。
なぜ空腹時に気持ち悪くなるの?
空腹時に感じる不快感や吐き気。漢方医学ではこれを胃熱や胃陰虚(いいんきょ)の状態と考えます。
胃の中に熱がこもったり、胃を潤す液体(陰液)が不足したりすると、何も入っていない空の胃が過度に刺激されて不快感が生じるのです。まさに「空っぽの胃袋が自分自身を消化しようとしている」ような状態とも言えます。
さらに肝気横逆(かんきおうぎゃく)という肝のエネルギーが乱れた状態も関わっていることがあります。肝は体のエネルギーの流れを調整する重要な臓器で、この機能が低下すると空腹時の不調につながります。
なぜ食べても気持ち悪くなるの?
食後に感じる気持ち悪さや胃もたれは、脾虚(ひきょ・消化機能の低下)に加えて、肝鬱(かんうつ・肝のエネルギーのうっ滞)が原因と考えられます。
これにより肝脾不和、肝胃不和という状態が起こります。食べ物を取り込んでも、肝のエネルギーがうまく発揮されず消化活動がスムーズに進まないため、食後の不快感につながるのです。
なぜ夕方に症状が悪化するの?
夕飯前になると症状が悪化するのは、空腹時には脾胃の陰が少なくなっているためです。
体がエネルギーを求めて脾胃に信号を送り、消化器官が活動準備を始めますが、バランスが乱れているとこの過程でも不快感が強まります。また、一日の疲れやストレスが蓄積する時間帯でもあるため、症状を感じやすくなるのです。
なぜ横になると気持ち悪くなるの?
横になると気持ち悪くなるのは、食べたものが胃に停滞し、肝の乱れがあると逆流するためです。
重力の助けがなくなることで、胃の内容物が食道に逆流しやすくなります。これが不眠や不安感も引き起こすことがあるのです。寝る前の食事は特に注意が必要ですね。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
食事の改善
規則正しい時間に、ゆっくりよく噛んで食べましょう。一度に多く食べず、腹八分目を心がけることが大切です。
熱を冷ます性質の食材と、消化を助ける食材をバランスよく取り入れるのが効果的です。
おすすめの食材:
- 梨、きゅうり、冬瓜などの冷性食材(胃熱を冷まします)
- 大根、山芋、かぼちゃなどの温性で消化を助ける食材
- 生姜、ハーブティーなど、胃腸の巡りを良くする食材
生活習慣の改善
日常生活の中で、以下のポイントに気をつけると症状が緩和されることがあります:
- 食後すぐに横にならず、30分程度は座った姿勢を保ちましょう
- 食後のゆったりとした散歩も効果的です
- 腹式呼吸を日常的に行うことで肝気の巡りが良くなります
- 睡眠前の2時間は食事を避け、胃に負担をかけないようにしましょう
効果的なツボ押し
次のツボを朝晩3分ずつ優しく刺激することで、症状の改善が期待できます:
- 内関(ないかん):手首内側のしわから指3本分上の位置
- 足三里(あしさんり):膝下4横指の位置にある凹み
- 中脘(ちゅうかん):お腹のへそ上4横指の位置
ストレス管理の重要性
胃腸の不調はストレスと深い関係があります。深呼吸や軽い運動で心と体のバランスを整えましょう。心の緊張が解けると、胃腸の緊張も和らぐことが多いのです。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
このような症状には以下のような漢方薬が用いられることがありますが、あくまでも一般的な情報として参考にしてください。体質や症状の詳細により適した処方が異なりますし、複数の組み合わせが必要な場合もあります。
- 甘露飲(かんろいん):胃の熱を冷まし、胃の粘膜を保護する働きがあります
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃腸の機能を調整し、むかつきや胸やけを改善します
- 四逆散(しぎゃくさん):肝の気のめぐりを改善し、ストレスによる胃腸症状に効果的です
症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合があります。ピヨの漢方では、あなたの体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
注意点
症状が2週間以上続く場合や、急激な痛みがある場合は必ず医療機関を受診してください。自己判断での対処が難しい場合もありますので、専門家の診断を受けることをおすすめします。
まとめ
空腹時も食後も気持ち悪くなる不調は、漢方医学では肝脾不和や胃熱などの状態として捉えられます。食事の改善、生活習慣の見直し、ツボ押し、ストレス管理などの自然療法で根本から改善を目指しましょう。
症状が長引く場合は、体質に合った漢方薬の活用も効果的ですが、まずは基本的な生活習慣から見直してみてください。自分の体の声に耳を傾け、無理のない範囲で少しずつ改善していきましょうね。
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