
こんにちは
どうなさいましたか?

冷えにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
朝晩の冷え込みが厳しくなる季節。外から帰ってきたときや、薄着で過ごした後に感じる背中の「ゾクッ」とした感覚。
実はこれ、中医学でいう「寒邪(かんじゃ)」が体に入り込んだサインかもしれません。寒邪とは、体を冷やし体調を崩す原因となる邪気のことです。
風邪は「か」のうちに治しましょう! そんなときにおすすめしたいのが、体を芯から温める「生姜黒糖葛湯」です。
古くから伝わる養生法で、体に入ってきた寒邪を優しく追い出してくれる心強い味方。のどの痛みがあるときは、はちみつを使ったアレンジバージョンもご用意しました。
今回は、この温かい一杯に込められた薬膳パワーと、簡単な作り方をお伝えします。
生姜黒糖葛湯の食材が持つ薬膳パワーとは?
生姜(しょうが)
性味・帰経:
- 性味:温性・辛味
- 帰経:肺・脾・胃
薬膳効果:
- 発汗解表:発汗を促し風邪の初期症状や悪寒を改善する
- 温胃止嘔:胃を温め吐き気や嘔吐を抑える「治嘔の要薬」
- 温肺止咳:肺を温め白い痰を伴う咳を鎮める
黒糖
性味・帰経:
- 性味:甘・温
- 帰経:脾・胃・肝
薬膳効果:
- 温中補虚:体を温め体力を補う滋養強壮効果
- 緩急止痛:痛みを和らげ筋肉の緊張を緩める
- 活血化瘀:血流を良くし血の滞りを改善する
葛根(かっこん)
性味・帰経:
- 性味:涼・辛・甘
- 帰経:脾・胃
薬膳効果:
- 解肌退熱(げきたいねつ):体表の熱を下げ、首肩こりを緩和する
- 生津止渇(せいしんしかつ):体を潤し、のどの渇きを和らげる
- 昇陽止瀉(しょうようししゃ):消化機能を高め、下痢を改善する
シナモン
性味・帰経:
- 性味:辛・甘・大熱
- 帰経:腎・脾・心・肝
薬膳効果:
- 補火助陽:体を温め陽気を補う働き
- 温通経脈:経絡を温め血行を促進する働き
- 祛寒止痛:寒さを除き痛みを止める働き
生姜黒糖葛湯のレシピ
基本の生姜黒糖葛湯
材料:
- 葛粉:10g
- 水:150ml
- 黒糖:10g
- 生姜:2-3g
- シナモン:1-2振り程度
作り方:
- 生姜をすりおろします
- 鍋に葛粉、水を入れて、塊を溶かします
- 中火にかけ、とろみがつき、透明になったら、火を止めます ※噴き出すので絶えずかき混ぜてください
- 生姜、黒糖、シナモンを入れて混ぜます
のどの痛みに:生姜はちみつ葛湯
材料:
- 葛粉:10g
- 水:150ml
- はちみつ:15g
- 生姜:2-3g
- シナモン:1-2振り程度
作り方:
- 生姜をすりおろします
- 鍋に葛粉、水を入れて、塊を溶かします
- 中火にかけ、とろみがつき、透明になったら、火を止めます ※噴き出すので絶えずかき混ぜてください
- 生姜、はちみつ、シナモンを入れて混ぜます
※生姜、シナモン、黒糖、はちみつは、お好みで調整してください
どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント
この生姜黒糖葛湯は、特に以下のような体質の方におすすめです。
冷え性でお困りの方 手足の先まで冷えが気になる方や、お腹が冷えやすい方には特におすすめ。生姜とシナモンの温める力で、体の芯からポカポカに。
風邪をひきやすい方 季節の変わり目に体調を崩しやすい方、免疫力が気になる方にぴったり。寒邪を追い出し、体の防御力をサポートします。
疲れやすく胃腸が弱い方 消化機能が低下しがちな方にも優しい一杯。葛粉は胃腸に負担をかけにくく、黒糖が脾胃の働きを助けてくれます。
ストレスで肩こりがひどい方 葛根の筋肉を緩める作用により、首や肩の緊張をほぐす効果も期待できます。
気をつけたい点と注意事項
この温かい葛湯も、体質によっては注意が必要な場合があります。
熱がこもりやすい体質の方 普段からのぼせやすい、暑がりの方は、生姜やシナモンの量を控えめにしてください。様子を見ながら調整しましょう。
はちみつ使用時の注意 ※はちみつを使用しています。1歳未満のお子様には与えないでください! 乳児ボツリヌス症のリスクがあります。
胃腸の調子が悪いとき 胃の炎症がひどいときは、生姜の刺激が強すぎる場合があります。症状に応じて量を調整してください。
まとめ
生姜黒糖葛湯は、寒い季節に私たちの体を優しく守ってくれる、先人の知恵が詰まった一杯です。
体を芯から温め、風邪の引き始めをしっかりケア。 特に冷え性の方や、疲れやすい方、季節の変わり目に体調を崩しやすい方におすすめです。
材料も手に入りやすく、作り方も簡単。忙しい毎日の中でも、ほんの少しの時間で作れるのが嬉しいですね。
「あ、なんだか寒気が…」と感じたら、ぜひこの温かい葛湯を試してみてください。きっと体がホッと安らぎ、元気を取り戻すお手伝いをしてくれるはずです。
このレシピの動画はこちらから(YouTube)
参考文献

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