季節の変わり目に体調不良になる原因と対策|東洋医学の知恵で乗り切ろう

体調不良
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

季節の変わり目にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

季節の変わり目、なんとなく体調が優れないと感じることはありませんか?花粉症、抑うつ感、めまい、咳、風邪、肌荒れなど、さまざまな不調が現れる時期です。これらの症状には、実は東洋医学的な理由があります。

私たちの体は自然界の一部。季節の変化に合わせて、体内でもさまざまな変化が起きています。その変化についていけないと、体調不良となって現れるのです。

この記事では、東洋医学の視点から四季それぞれの特徴と、季節の変わり目を健康に乗り切るための養生法をご紹介します。自然のリズムに合わせた生活を心がけることで、季節の変わり目の不調を軽減し、一年を通して健やかに過ごすヒントをお伝えします。

季節とは?四季それぞれの特徴とは?

季節とは、1年を天候の移り変わりによって区切った期間のことで、太陽の当たる時間や角度によって変化します。日本など温帯の国では四季に分けられますが、急に別の季節に変わるわけではなく、連続的に変化していきます。

東洋医学では、各季節に特有の気の流れがあると考えられています。それぞれの季節の特徴を見ていきましょう。

春:発陳(はつちん)の季節

春は冬の寒い季節から変わって気温が上がり、雪や氷も解けてきます。冬の間土の中でじっとしていた植物の芽や、鳥や昆虫なども活動し始めます。

東洋医学では春の3ヶ月を「発陳」と言います。発は「発射」「発生」など、閉じていたものが開かれたり外に現れてくる状態を意味します。陳は「陳腐」や「新陳代謝」などに使われる「古い」という意味です。つまり春は、冬の間にため込んであった古いものが活発な勢いをもって飛び出してくる季節なのです。

人間の体でも同じことが起こっています。冬の間は気が体の内側を中心に巡り、内部を守ることを中心に活動していましたが、春になると体の表面に向かって湧き上がってくるため、外側へと向かう勢いも盛んになります。

夏:蕃秀(ばんしゅう)の季節

夏は自然界のすべてのものが生き生きとして、植物も力強く成長して緑豊かになり、美しい花を咲かせます。

東洋医学では夏の3ヶ月を「蕃秀」といいます。蕃は草が生い茂り、生物が増えていくことを意味します。蕃秀は、生きとし生けるものすべての生命力が盛んになることを言っています。

人間の体も同様に、夏は生命力が盛んになって、体の活動も活発になります。適度に体の内側の熱を発散しないと、熱で体調を崩してしまいます。

秋:容平(ようへい)の季節

秋の3ヶ月は「容平」と言われます。容は物を入れる容器のことを、平は凸凹がなくなってなだらかになった状態を指します。つまり春や夏の外へと向かう勢いが盛んだった状態が治まって、穏やかになってくることを意味しています。

秋になると、夏の強烈な暑さがなくなって気温も下がり、じっとりと纏わりつくような湿気もなくなって空気が乾燥してきます。

この時期は、天地の気が引き締まって清らかに澄んでくるように、あちこちに散布されていた自然界のあらゆるものが一か所に集まって、収斂します。

冬:閉蔵(へいぞう)の季節

冬の3ヶ月は「閉蔵」です。文字通り、蔵を閉じる、門を閉ざして閉じこもる季節です。

冬になると、一年の内で最も気温が下がり寒くなります。水は凍り、大地は凍てつき、草木も枯れ落ちて、動物も冬眠に入ります。

人間の体でも、気が体の内側を中心に巡るようになり、気血を巡らせる陽気が圧迫されて、動きが停滞しやすくなります。さらに寒さによって体内の熱を奪われないようにするため、毛細血管が閉じるので、場合によっては痛みになり、血圧が上昇します。

季節の変わり目に体調を崩しやすいのはなぜ?

季節が変わると、自然界だけでなく人間の体内でも大きな変化が起こります。しかし現代の生活では、冷暖房や照明によって自然のリズムから離れた生活を送りがちです。そのため、体が季節の変化に追いつけず、さまざまな不調が現れるのです。

東洋医学では、各季節には対応する臓器があると考えられています:

  • 春は肝
  • 夏は心
  • 秋は肺
  • 冬は腎

季節の変わり目には、これらの臓器の働きが変化する時期。この移行がスムーズにいかないと、体調不良となって現れます。

例えば春には、肝気の異常によって抑うつ感や精神的な不調が現れやすくなります。肝気には気血を体全体に巡らせる働きがあり、のびのびと広がり、発散する性質があります。春になると肝気が活発になるところに、ストレスや緊張が加わると、内側で充満して様々な症状を引き起こします。

どうして季節の変わり目に花粉症になるの?

花粉症は特に春先に多く見られる症状ですが、実はその原因は冬の過ごし方に関係しています。

冬の間に冷たいものや水分を多く摂って体の芯部を冷やしてしまうと、それらが体内に閉蔵(たまる)され、春になって発陳(外へ出る)の季節になると、花粉症となって現れます。

体を冷やす食べ物や飲み物を摂り過ぎると、体の中が冷え、水が充満して巡りが悪くなります。これは水風船ができたような状態です。そこを花粉が刺激すると、涙や鼻水によって追い払おうとしますが、春の体の気の動きは外側へ外側へと強い勢いがあるため、なかなか止まりません。

また、ストレスを強く感じることが多い方は、気が滞って膨らんだ風船のように充満します。そこへ花粉がやってくると、追い払おうとする気の勢いによって一気に爆発し、くしゃみが止まらなくなるのです。

では、この方におすすめの自然療法を教えて下さい

季節の変わり目の体調不良を和らげるには、各季節に合った養生法を実践することが大切です。ここでは、四季それぞれの養生法をご紹介します。

春の養生法

春は体のエンジンがかかり始める時期。のびのびとゆったりと過ごすことが必要です。

• 早寝早起きを心がける • 朝は軽めの散歩をする • 働き過ぎない • 精神的なストレスを溜め込まない

これらを心がけることで、春の気(肝気)が正常に働き、季節の変わり目を健やかに過ごせます。

夏の養生法

夏は体の熱を適切に発散させることが重要です。

• 適度に運動して汗をかく • 夜更かしをせず早めに寝る • 早めに起きて体力の維持を心がける • 極端に冷たいものの摂取を控える(体の内側が冷えると体力が低下します)

熱中症対策は水分補給だけでなく、しっかりと睡眠をとって体力を落とさないことも大切です。

秋の養生法

秋は気候が寒く乾燥してくるため、体の抵抗力が低下しやすい時期です。

• 早寝早起きを継続する • 心を動揺させない • 遅れを取り戻そうとして激しく活動しない • 穏やかに過ごす

夏の開放的な状態から、体を守る状態へと変化する時期なので、無理をしないことが大切です。

冬の養生法

冬は体の熱を守ることが最も重要です。

• 夜は早く寝る • 朝は少しゆっくりと起きる • 過剰に活動しすぎない • 暖房の温度を高くしすぎない(汗をかくと体の熱が逃げてしまいます) • 冷たいものや水分の摂り過ぎに注意する

特に冷たいものの摂りすぎは、次の春の花粉症につながる原因となりますので注意しましょう。

季節の変わり目に効果が期待できる漢方薬

季節の変わり目の体調不良には、漢方薬も効果的です。ただし、これらは特定の体質の改善に効果が期待できる一般的な漢方薬であり、個人の症状に合わせた処方ではありません。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もありますので、ぜひピヨの漢方での漢方相談をご利用ください。

藿香正気散(かっこうしょうきさん):鼻水、くしゃみなどの花粉症症状に。水のめぐりを改善する働きがあります。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):イライラや不安感、動悸など精神的な不調に。気の巡りを整える効果があります。

五苓散(ごれいさん):むくみやだるさなどに。体内の余分な水を温めて排出する働きがあります。

まとめ

季節の変わり目の体調不良は、自然の変化に体がついていけないことから起こります。東洋医学の考え方を取り入れ、各季節に合った養生法を実践することで、季節の変化をスムーズに乗り切ることができます。

春には「のびのびとゆったり」と、夏には「適度に熱を発散」、秋には「穏やかに」、冬には「体の熱を守る」ことを意識してみましょう。また、冷たいものの摂りすぎやストレスの蓄積は次の季節の不調につながることも忘れないでください。

自然のリズムに合わせた生活習慣の見直しで、季節の変わり目も健やかに過ごせるようになります。

YouTubeでも解説しています。

YouTube player
ピヨ先生
ピヨ先生

ご自分の体質にあった

漢方薬を試してみたい方は

ピヨの漢方の漢方相談を

ご利用ください。

タイトルとURLをコピーしました