
こんにちは
どうなさいましたか?

関節痛にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
寒い季節になると、膝や指の関節が痛む。病院で検査をしても「異常なし」と言われるけれど、痛みやこわばりで日常生活に支障が出ている。そんな経験はありませんか?
**関節の痛みは、体の冷えと水の停滞が大きく関係しています。**東洋医学では「痛みは必要なものが通っていないから起こる」と考えます。つまり、関節周辺の気血(きけつ)の流れが滞ることで、痛みが生まれるのです。
今回ご紹介する**桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)**は、体を温めて水の巡りを改善することで、関節痛や神経痛、手足のしびれやこわばりを解消してくれる漢方薬です。
変形性膝関節症などで、関節の曲げ伸ばしがうまくできなくなってしまった方にもおすすめの処方です。
関節が痛くなるのはどうしてですか?
関節が健康に滑らかに動くためには、関節周辺の気血の巡りがスムーズであることが欠かせません。
関節は軟骨がクッションの役割を果たし、関節包(かんせつほう)という組織に覆われています。関節の中は関節液で満たされていて、この液体が骨同士の摩擦を減らし、軟骨に栄養を届けています。
ところが、関節は構造上、周囲の部位と比べて気血の流れが狭く滞りやすい作りになっています。そのため、ちょっとしたきっかけで流れが悪くなってしまうのです。
寒さが関節痛を引き起こす理由
秋から冬にかけて気温が下がると、関節が痛み出す方は多いですね。真冬の冷たい水に手をつけていると、手がかじかんで痛みを感じるのと同じ現象です。
東洋医学では、寒い性質の邪気(じゃき)には、ギューッと縮めて固まらせる性質があると考えます。寒さによって血管や筋肉が緊張し固まることで、気血の流れが滞り、必要なものが通らなくなって痛みが生じるのです。
体質によって痛みの出やすさが変わる
とはいえ、誰もが寒くなると関節痛になるわけではありません。体質的な問題が深く関係しています。
体の芯部が冷えている方は、気血の巡りの勢いが弱いため、寒さの邪気を追い払う力が不足しています。なぜなら、体の中の気や血液、水分といった巡るものは、体の芯部の熱によって原動力を得ているからです。
芯部が冷えていると、気血の巡りが弱まり、寒さの邪気が居座るようになります。その結果、正しい流れが阻害され、必要なものが滞って痛みになるのです。
関節液の淀みが症状を悪化させる
関節周辺の気血の流れが悪くなると、関節液も淀んだ状態になってきます。すると以下のような症状が現れます。
- 関節のこわばり
- 関節の動かしにくさ
- 押すと痛む
- 関節軟骨の柔軟性低下
- 関節の炎症
- 関節包の硬化
- 関節の変形
気血の巡りが悪い状態が続くと、関節液が栄養を供給できず、不要物も回収できなくなります。さらに関節軟骨のクッション機能が低下し、骨同士の摩擦で炎症が起きてしまうのです。
桂枝加朮附湯はどんな漢方薬ですか?
桂枝加朮附湯は、7種類の生薬で構成されています。それぞれの生薬が協力して、体の芯部を温め、余分な水分を発散・排除する働きをします。
桂枝加朮附湯に含まれる生薬は以下の通りです。
- 桂皮(けいひ): 体の芯部を温める
- 芍薬(しゃくやく): 筋肉の緊張を緩める
- 生姜(しょうきょう): 水を体表へ発散させる
- 甘草(かんぞう): 気を補充する
- 大棗(たいそう): 潤いを補充する
- 蒼朮(そうじゅつ): 余分な水分を発散する
- 附子(ぶし): 芯部を強力に温める
どうして関節痛が良くなるのですか?
桂枝加朮附湯の生薬たちは、チームワークで気血と水の巡りを回復させます。その仕組みを見てみましょう。
気血の流れを作り出す
まず桂皮が体の芯部を温めて、気血の巡りを改善します。気を上向きに通すことで、体の表層から発汗を促し、停滞している寒さの邪気を払いのけます。
次に芍薬が、体の表面に停滞している余分な水分を体の内側に引き降ろします。さらに芍薬は、寒さで収縮して固まっている筋肉の緊張も緩めてくれます。
桂皮と芍薬のペアによって、気血が下から送り届けられ、表層から内側へと戻ってくる流れが作られるのです。
水の停滞を解消する
生姜は桂皮を応援して、体の内側に停滞している水を体の表面へ発散させるように動かします。
甘草と大棗は、気の補充をするとともに、必要な場所へ潤いを補充する手助けをしてくれます。
ここに附子を加えることで、芯部をかなり強力に温めます。そして蒼朮によって、お腹の働きを応援しつつ、停滞している余分な水分や寒さの邪気を強烈に発散させて追い払います。
巡りの回復が痛みを解消する
これらの働きによって、体は温まり、停滞している余分な水分が排除されて、水の巡りが回復します。その結果、関節痛や神経痛が改善されるのです。
桂枝加朮附湯の働きをまとめると以下のようになります。
- 桂皮:気を上に向かわせる
- 芍薬:水を内側に回収する
- 生姜・蒼朮:停滞している水分を発散させる
- 附子:身体を温める
- 甘草・大棗:気や潤いを補充してこれらの働きを支える
どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント
桂枝加朮附湯は、以下のような体質の方に特におすすめです。
体が冷えやすい方にぴったりの処方です。特に体の芯部が冷えていて、気血の巡りが弱い方に適しています。
余分な水分が停滞しやすい方にも向いています。関節のこわばりやむくみを感じやすい体質の方には、水の巡りを改善する桂枝加朮附湯が効果的です。
寒い季節に症状が悪化する方は、この漢方薬の得意分野です。秋口から冬にかけて関節が痛み出す、冷えると症状がひどくなるという方におすすめします。
使う際の注意点
桂枝加朮附湯は体を温める作用が強い漢方薬です。そのため、以下の点に注意が必要です。
市販の解熱鎮痛剤は熱を冷まし動きを穏やかにしてしまいます。自己判断で長期にわたって使い続けていると、体質によってはかえって痛みが悪化することがあります。
生活習慣も大切です。体を冷やす食べ物や飲み物、体の内側に余分な冷えや水分を溜め込むような食生活は避けましょう。
また、過労や夜更かし、運動不足といった体に負荷をかける生活習慣も、関節には負担になりますので注意が必要です。
**症状が複雑な場合には、単独では効果が不十分な場合もあります。**当店では一人ひとりの体質に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、関節痛や神経痛を解消する漢方薬として、桂枝加朮附湯をご紹介しました。
関節の痛みや変形の原因は、関節周辺の気血の巡りが悪くなることにあります。それによって関節液の状態が悪化し、関節軟骨が脆くなったり、関節の滑らかさが失われたりします。さらに関節包など関節周辺の組織が硬く脆くなってしまうのです。
東洋医学では「痛みは必要なものが通っていないから起こる」と考えます。桂枝加朮附湯は、体を温めて水の巡りを改善することで、「通っていない状態」を「通っている状態」に変えてくれる漢方薬です。
寒い季節の関節痛、朝のこわばり、変形性膝関節症による痛みなどでお悩みの方は、ぜひ桂枝加朮附湯を試してみてくださいね。
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