胃が重く一度に量をあまり食べられなくて背中がだるい方の体質の特徴と自然療法

お腹の不調
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

胃が重い事にお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

皆さんは「上半身は熱いのに下半身は冷える」というアンバランスな状態を経験したことはありませんか?このような症状は、単なる体温調節の問題ではなく、東洋医学の観点からは体内の「気」や「水」の流れに問題が生じている証拠かもしれません。

今回は、胃の重だるさや記憶力の低下、ホットフラッシュのような症状に悩む38歳女性の事例を通して、こうした症状の原因と自然療法による改善法をご紹介します。ストレスや気圧の変化にも敏感に反応してしまう体質の方は、ぜひ参考にしてみてください。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 38歳の女性
  • 身長:153cm
  • 体重:45kg
  • BMI:19.22

外見的な特徴

  • 顔色が白っぽい
  • 舌の形が厚ぼったい
  • 舌に歯の痕がある
  • 舌苔が厚くべたっとしている
  • 皮膚が乾燥している
  • 髪の毛も乾燥している

お悩みの症状

  • 胃が重く背中もだるい
  • 一度に量をあまり食べられない
  • 上半身が暑く、下半身が冷える
  • 子宮筋腫が多く、手術歴あり
  • 頭が詰まった感じがする
  • 記憶力が悪くなった
  • ホットフラッシュのように身体が熱くなることがある
  • 自然を感じて気持ちが良いときは調子が良くなる
  • 将来の不安やストレス、低気圧で体調が悪化する

東洋医学から見たこの方の体質は?

この方の症状を東洋医学的に見ると、いくつかの特徴が浮かび上がります。まず気になるのは、胃の重だるさと食事の量を食べられないという点です。これはお腹の働きが低下している状態を示しています。

便通は2〜3日に1回と便秘気味ながらも普通の硬さとのことですので、栄養の吸収力は保たれているものの、腸管の動きはあまり良くない状態と考えられます。

また、「自然を感じると調子が良くなる」「ストレスや不安で悪化する」という点は、体内の「気」の巡りが症状に大きく関与していることを示しています。東洋医学では、心身の状態は密接に関連していると考えるのです。

低気圧で体調が悪化するという点も見逃せません。低気圧になると陽気(体を温め活性化するエネルギー)の働きが圧迫され、気血の巡りが低下します。顔色が白っぽく、下半身が冷えるという症状からも、体の熱源に負担がかかっていることがうかがえますね。

なぜ水分が体内に停滞してしまうのか?

この方の舌の状態(厚ぼったい、歯の痕がある、舌苔が厚い)や下半身のむくみから、体内には動きの悪い水分が充満していると考えられます。そのため気圧が低くなると余計に動きが悪くなり、体調が悪化するのでしょう。

しかし、単純に「体が冷えて水が停滞している」というわけではありません。ホットフラッシュのような症状や熱っぽさ、夜間の発汗、のぼせなどがあり、舌の色もきれいなピンク色とのことから、体内に熱がこもっている状態も見られます。

皮膚や髪の毛の乾燥、口唇の乾きやすさ、不眠傾向などは、体の上部を中心に乾燥が進んでいることを示しています。つまり、水分の動きが悪いために体の下方に停滞し、上部は乾燥するというアンバランスな状態なのです。

「上半身熱く下半身冷える」メカニズムを解明

この方は、ストレスなどで気の流れが滞ると、本来スムーズに流れるべき水分の巡りも悪くなります。その結果、下半身にむくみが生じ、雨の日には体調が悪化し、帯下(おりもの)も増加するのです。

一方で、気の滞りは熱を生じさせます。この熱が偏って上部へ向かうと、血液や潤いがついていけないため、ホットフラッシュのようなのぼせ症状が起こります。さらに熱が頭部にこもることで「頭が詰まった感じ」となり、心(東洋医学での心は精神活動を司る臓腑)の働きが乱れて記憶力低下につながるのです。

なぜ胃が重く背中がだるいのか?

食べた物は、東洋医学では「脾気(ひき)」と呼ばれるお腹を調整するエネルギーと、「肝気(かんき)」という運搬を担うエネルギーによって体内を運ばれていきます。ストレスがあると肝気が乱れ、食べたものをうまく運べなくなります。

その結果、吸収した入り口付近で食べ物が停滞してしまい、お腹が張って早く満腹を感じるようになります。もともと腸管の動きが悪いところに、停滞している水の影響も加わることで胃が重く感じられるのです。また、胃の不調は背中のだるさにも影響を与えています。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状改善には、気の巡りを良くし、水の停滞を解消するアプローチが有効です。以下のような自然療法がおすすめです:

  1. 腹式呼吸と軽いストレッチ
    朝起きたときと寝る前に5分程度、深い腹式呼吸を行いましょう。同時に、下半身の血行を促進するための軽いストレッチも効果的です。
  2. 温冷交代浴
    特に足先から膝までを温めた後、短時間冷やすという温冷交代浴で血行を促進しましょう。これにより水分の巡りが改善されます。
  3. 食事改善
    • 消化に負担をかけない少量多食を心がける
    • 温かい食事と飲み物を選ぶ
  4. 生活習慣の見直し
    • 定期的に自然の中で過ごす時間を作る
    • 就寝前のリラクゼーション(アロマや瞑想など)
    • 適度な有酸素運動(ウォーキングなど)
  5. ツボ刺激
    • 三陰交(足首の内側のくるぶしの上約3横指):水分代謝を改善
    • 太衝(足の親指と人差し指の付け根の間):肝気の流れを整える
    • 中脘(みぞおちの下約4cm):胃の働きを整える

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この方のような「気滞水停」の体質改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これはあくまで一般的な情報であり、個人の症状に合わせた処方ではありません。

  • 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):ストレスによる気の巡りの悪さと冷えを同時に改善する漢方薬です。上半身の熱感と下半身の冷えという相反する症状に効果的です。
  • 五苓散(ごれいさん):水分代謝を改善し、むくみを解消する作用があります。頭部のむくみによる頭重感などにも効果が期待できます。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):肝気の巡りを改善し、ホットフラッシュのような症状や精神的な不安定さを和らげます。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が得られないこともあります。当店では漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。専門家が体質に合わせた漢方薬をご提案いたします。

まとめ:体の声に耳を傾け、バランスを取り戻そう

東洋医学では、身体の不調は「気・血・水」のバランスの乱れから生じると考えます。今回ご紹介した方のように、上半身の熱感と下半身の冷えが同時に現れる場合は、気の流れが滞り、水分が下半身に停滞している状態と考えられます。

自然療法や漢方薬を取り入れることで、体内のエネルギーの流れを改善し、本来の健康な状態へと導くことができるでしょう。特に「自然を感じると調子が良くなる」という点は、心と体のつながりを重視する東洋医学の視点からも非常に興味深い反応です。

日々の生活の中で自然と触れ合う時間を作り、ストレスをうまく発散しながら、上手に体のバランスを整えていきましょう。一人ひとりの体質に合った対策で、健やかな毎日を送りましょうね。

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ピヨ先生
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