
こんにちは
どうなさいましたか?

ヒステリー球にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
喉に何かが詰まったような違和感があるのに、検査しても異常が見つからない…そんな辛い症状でお悩みではありませんか?
この症状は「ヒステリー球」と呼ばれ、多くの方が悩まされています。飲み込んでも吐き出そうとしても取れない、この不快な感覚の正体は一体何なのでしょうか。
今回は、ヒステリー球の原因と、自然療法による体質改善の方法についてご紹介します。この記事を読むことで、あなたのヒステリー球改善への小さなヒントが見つかるかもしれません。
ヒステリー球とは?喉の違和感の正体
ヒステリー球とは、喉に何かがあるような違和感を感じるのに、飲み込もうが吐き出そうが改善せず、検査をしても何の異常も見つからない状態です。
現代医学では、この症状は自律神経の働きが関わっていると考えられています。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。ストレスを強く感じ続けていると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になってしまいます。
朝から昼間にかけては交感神経が優位に働き、心臓の活動が盛んになり、血圧が上昇し、体がシャキッとした状態になります。逆に、夕方から夜は副交感神経が優位になり、心身の活動が鎮まります。
この2つの神経のバランスが取れていれば、身体は健康な状態を保てます。しかし、交感神経の働きが過剰になると、全身の筋肉(食道を含む)が強く収縮してしまい、喉の締め付け感や異物感、飲み込む際の不快感として現れるのです。
東洋医学から見たヒステリー球の原因
東洋医学では、ヒステリー球を「梅核気(ばいかくき)」と呼び、梅の種が喉に詰まっているような状態や、「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)」と呼び、炙った肉が喉に居座っているような状態と表現しています。
東洋医学でも同様に、過度の緊張やストレスが続くことで、気が滞ってしまうことが原因だと考えられています。
本来、気は伸びやかに動いている状態が健康的ですが、何らかの理由で滞ると、エネルギーである気が充満し、上向きに上昇するようになります。
喉の周辺は狭くなっている部分なので、道路で言えば車線が少ない状態。逆流してきた気と、降りようとする気がぶつかると、簡単に「渋滞」を起こしてしまうのです。
しかし、単なる気の滞りであれば咳払いで緩和されるはずですが、梅の種があるように感じることから、ある程度の実体感を伴っていると考えられます。
その理由として、気の滞りに余分な水分が巻き込まれていることが挙げられます。気の滞りによって生じた熱によって水分が煮詰められ、ドロドロした粘っこい状態に変化すると、気のせいだった感覚が物理的な違和感に変わり、症状がより強く感じられるようになります。
ではここからは、ヒステリー球が出来る原因3つと対策法を解説します
ヒステリー球の実体感を生み出す主な原因は3つあります。それぞれの原因と対策法を見ていきましょう。
1. お腹の弱り
食べ物は口から入って噛み砕かれた後、食道を通って胃に入り、腸へと送られます。東洋医学では、食べ物を受け入れ、分解し、下向きに運ぶ働きを「胃気」、必要な材料を吸収して栄養に変え、全身に配る働きを「脾気」と呼びます。
この2つの働きがうまく協調していれば、食べ物は適切に処理されますが、お腹の働きが弱ると、脾気や胃気の働きが低下し、お腹の中に余分な水分が停滞するようになります。
食べ過ぎや飲み過ぎ、食欲がないのに無理して食べる場合も、余分な水分がたまり、ヒステリー球の材料になってしまいます。
対策法:
- 空腹感に合わせて、よく噛んで消化の良いものを腹八分目に食べる
- 脾気を応援するために軽めの運動を無理のない範囲で行う
- 胸椎4〜8番のストレッチで体を伸ばしたり、仰向けになってテニスボールを背中に入れて緩める
2. 体の冷え
東洋医学では、体の芯部の熱である「腎陽」によって、体内の水分が温められて巡っていると考えられています。お風呂の水が温められて循環するのと同じように、体が冷えると循環力が低下し、余分な水分が体のあちこちに停滞するようになります。
対策法:
- 体の熱源を応援するために、階段や坂道での散歩など軽く汗ばむ程度の運動をする
- 冷たい食べ物や飲み物を控える
- 喉の渇きに応じて水分を摂り、過剰な水分摂取を避ける
- 緑茶やコーヒー、生野菜のサラダやスムージーなど体を冷やす性質のあるものは適度な量に留める
- 胸椎10番〜腰椎2番のテニスボールでの緩和や、コンニャク湿布で肝臓、腎臓、下腹部を温める
3. 過労や夜更かし
過労や夜更かしが続くと、体全体の潤いの基となる「腎陰」が不足してきます。人間は熱源である腎陽と潤いの基である腎陰のバランスが取れていることで健康を保てますが、過労や寝不足によって腎陰の消耗が激しくなると、体を潤す水分が足りなくなります。
ジュースを煮詰めると水分が飛んでドロドロになるように、体内の水分もサラサラした状態が保てなくなり、喉の周辺で停滞しやすくなります。
また腎陰には体を潤すことで冷却する働きがあり、これが不足すると心を落ち着いた状態に保ちにくくなり、ストレスを感じやすくなります。
対策法:
- 5分でも多く睡眠をとるよう心がける
- 特に夜は腎陰との関係が深い時間帯なので、できるだけ早く就寝する
おススメの自然療法を教えて下さい
ヒステリー球体質を改善するための自然療法をご紹介します。ヒステリー球の根本原因はストレスや過度の緊張による気の滞りです。そのため、全身の筋肉の緊張を緩めることが重要です。
緊張が強く現れる場所としてよく見られるのは:
- 顎の噛みしめ
- 喉を締める癖
- 前腕の緊張
- みぞおちの張り
- 背骨両脇の筋肉の突っ張り
- 下肢のスジの突っ張り(運動不足によるもの)
おすすめの自然療法
- 噛みしめや喉の緊張を緩める意識
- 無意識の噛みしめに気づいたら、すぐに緩める習慣をつける
- 上下の歯が合わさっていないか、顎の上にシワができていないかを確認する
- マッサージとストレッチ
- お風呂に入った後や寝る前に、前腕、足、みぞおち、背中など気になる部分をマッサージ
- 背中のマッサージは難しいので、安全に配慮しつつ仰向けになって背中の下にテニスボールを入れ、ゆっくりと気持ちの良い箇所を押す
- お腹のマッサージも効果的で、腸の動きを良くする
- 呼吸法の実践
- 吐く息を長めにした呼吸法で副交感神経を優位にする
- 適度な運動と組み合わせるとより効果的
ヒステリー球に効果が期待できる漢方薬
以下は、ヒステリー球体質の改善に効果が期待できる漢方薬です。ただし、これらはあくまで一般的な傾向の紹介であり、あなた個人に合う漢方薬とは限りません。
- 香蘇散(こうそさん):気の巡りを良くし、ストレスによる気の滞りを改善する漢方薬
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):梅核気の代表的な漢方薬で、喉のつかえ感を改善する
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):精神不安や緊張からくる症状に効果的
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいこともあります。当店では漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:ヒステリー球改善への第一歩
今回は、ヒステリー球についてお話ししました。
ヒステリー球の原因は、ストレスや自律神経の乱れ、そしてお腹の弱り、体の冷え、過労や夜更かしという3つの体質的要因が重なることで起こります。
解決策として、顎の噛みしめを緩める意識、マッサージやストレッチ、呼吸法などをご紹介しました。ご自分に当てはまるものが見つかりましたら、簡単にできそうなものから生活に取り入れてみてください。
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