【不眠】寝る直前に何か食べないと眠れない方の原因と自然療法

不眠
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

不眠にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

眠りにつけないという悩みは、現代社会において珍しくありません。特に「寝る直前に何か食べないと眠れない」という症状に悩む方は少なくないのです。

このような症状は一見すると単なる習慣のように思えますが、実は東洋医学的に見ると、体内のバランスの乱れが原因となっていることがほとんどです。食べることで一時的に眠れるようになるものの、それが胸焼けを引き起こしたり、根本的な解決にはならなかったりと、悪循環に陥ってしまうケースも多いようです。

今回は、実際に「寝る前に食べないと眠れない」という症状を持つ方の体験談をもとに、その原因と自然療法による改善方法をご紹介します。

この方はどんな症状でお悩みでしょうか?

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 34歳女性
  • 身長:159cm
  • 体重:47kg
  • BMI:18.59(正常範囲内)

主な症状:

  • 眠気を感じて布団に入っても眠りにつけない
  • 何かを口にすると眠れるが、寝る直前なので少量でも胸焼けになる
  • 無理に寝ても途中で眠りが覚めてしまう
  • 過敏性腸症候群で便秘がち
  • 一度に沢山食べられない
  • 全身の倦怠感や無力感がある
  • 皮膚や髪の毛が乾燥している
  • 顔色が黒ずみがち
  • 舌の色は白っぽく、舌苔の水分は水っぽい

不眠はなぜ起こるのでしょうか?

睡眠に入るためには、身体の潤いによって興奮した脳がゆったりと穏やかな状態に落ち着けることが必要です。例えば、遠足前日の子どものように、心身が興奮して熱が盛んになると、脳の興奮が鎮まらなくなり、寝付けなくなります。

このような場合には、脳の興奮を強めてしまっていることで眠れなくなっているため、体や心の緊張をほぐす必要があります。

また、不眠の原因として次のようなケースも考えられます:

  1. お腹の働きが弱っている場合、脳を穏やかにする潤いとなるものを作り出せなくなります
  2. 血液を運ぶ働きが低下し、脳のある体の上部まで潤いを運び上げられなくなります
  3. お腹の中に余分な水分が停滞し、脳へ潤いを届ける働きを邪魔します

特に食べ物の消化吸収がうまくいかない場合や、ストレスで気の巡りが悪くなると、お腹の中にドロドロしたものが生じて、脳への潤いの供給を妨げることになります。

この方の体質はどうなっているのでしょうか?

この方の症状から体質を分析してみると、次のような特徴が見られます:

上半身には潤いの不足が見られます。これは皮膚の乾燥、髪の毛の乾燥、白っぽい舌の色、黒ずみがちな顔色などから推測できます。しかし、これは強い熱による水分の蒸発というよりも、潤いの不足によるものと考えられます。

一方で、余分な水分の停滞も見られます。舌苔の水分が水っぽい、ふくらはぎや顔に浮腫みがある、胃でチャポチャポ音がするといった症状から、身体のあちこちに余分な水分が停滞していることがわかります。

また、気の滞りがあり、それが胃気の働きを逆流させているようです。胃気には食べ物を消化して腸管の動きを下向きに調整する働きがありますが、これが逆流すると便秘になり、食欲不振、腹部膨満感、胃もたれといった症状が出てきます。

さらに、胃気が逆流すると、体の中心部で流れが乱れ、心の働きを穏やかにする潤いの運搬を邪魔することになり、寝付けなくなるのです。

睡眠前のお腹は比較的空っぽの状態なので、陰(体を穏やかにする力)が不足しています。すると相対的に陽(体を活動的にする力)の働きが強くなり、逆流する働きが強まって心への潤いの提供が妨げられます。そこへ食べ物が入ると一時的に陰のバランスが強くなり、下向きに巡るようになるため、心への潤いが提供され、眠りにつけるようになります。

しかし、根本原因が改善していないので、時間が経つと再び逆流し、胸焼けなどが起こるのです。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状改善には、以下の自然療法がおすすめです:

  1. よく噛んで食べる習慣をつける 気の滞りによって食欲が低下していますので、よく噛んで食べることで消化を助け、お腹の働きを整えましょう。
  2. 水分摂取の工夫 喉の渇きを感じたら、少量ずつこまめに水分を摂りましょう。一度にたくさん飲むと胃に負担がかかります。
  3. 気の滞りを解消する これがとても重要です。眠る前に呼吸法や瞑想を行ったり、日中に適度なストレッチや散歩で体を動かしたりすることで、気の巡りを良くしましょう。
  4. 体の力みを意識的に緩める 消化機能に問題がある方は、歯を噛みしめる、喉を締め付ける、みぞおち周辺や前腕に力が入るなど、体の前側に力が入りやすい傾向があります。気づいたらそれらの部位を意識的に緩めるようにしましょう。
  5. 心の緊張をほぐす工夫 眠れないことで考えが空回りしてしまう場合は、眠る前に手帳などに考えを書き出して整理するのも効果的です。また、布団に入ってから顔や頭、首やあごの力みに意識を向けながら深い呼吸を行い、リラックスしましょう。
  6. 食事の工夫 春菊、大根、蕪(かぶ)などは、気の滞りを解消して、お腹の働きを下向きに導く効果があります。特に大根は消化を助けるので、胃もたれやお腹の不快感がある方には最適です。どうしても眠れない時には、寝る前に大根を使った軽い食事を摂るのも一つの方法です。

気の滞りを改善する漢方薬

ここでは、気の滞りの改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します。ただし、これらは特定の体質改善のための一般的な漢方薬であり、個人の症状に合わせたものではありません。

  • 香蘇散(こうそさん): 気の巡りを良くし、胃腸の働きを整える漢方薬です。気の滞りによる不眠や胃部不快感に用いられます。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん): 気の滞りと血の巡りを改善し、イライラや不眠、頭痛などを和らげる効果があります。
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう): のどの違和感や胸のつかえ、不安感などを改善し、気の流れを整える効果があります。

症状が複雑な場合は、単独の漢方薬では効果が見られないこともあります。ピヨの漢方では漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

寝る直前に何か食べないと眠れない症状は、気の滞りによる胃気の逆流が主な原因と考えられます。これにより、心を穏やかにする潤いの供給が妨げられ、不眠が起こります。

食べ物を摂ることで一時的に陰のバランスが整い眠れるようになりますが、根本的な解決にはなりません。気の滞りを解消し、胃気の正常な流れを取り戻すことが大切です。

自然療法として、呼吸法や瞑想、適度な運動、体の力みを緩める意識、そして春菊や大根などの食材を取り入れることをおすすめします。

健やかな睡眠は心身の健康の基本です。ぜひこれらの方法を試してみてください。症状が改善しない場合は、専門家への相談も検討されると良いでしょう。

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