アトピーで保湿すると痒くなる方の体質の特徴と自然療法

皮膚の悩み
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

アトピーにお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

アトピー性皮膚炎に悩むお子さんをお持ちの親御さんは多いのではないでしょうか。特に成長期のお子さんの場合、体質的な特徴とアトピー症状が複雑に絡み合っていることがよくあります。

今回は12歳の女の子のケースを通して、漢方的視点から見た体質分析と自然療法によるアプローチをご紹介します。保湿すると痒みが増す、でも保湿しないと乾燥するというジレンマを抱えるお子さんに、どのようなケアが効果的なのか一緒に見ていきましょう。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 年齢:12歳
  • 性別:女性
  • 身長:146cm
  • 体重:35kg
  • BMI:16.42

主な症状:

  • 食物アレルギー(小麦・牛乳)
  • アトピー性皮膚炎
  • 保湿や濡れると痒みが増す
  • 脱保湿・入浴を控えると痒みは軽減するが乾燥する
  • 顔色が赤ら顔
  • 皮膚の乾燥
  • 細い髪質
  • 白っぽい舌色
  • 水っぽく一部剥れている舌苔

この方の体質はどのような特徴がありますか?

この方の体質を漢方的に見ると、まず体の表面や上方において乾燥の症状が目立っていることが特徴です。皮膚のカサカサ、細い髪の毛、口唇の乾燥などの症状からそれがわかります。

また、舌の色が白っぽい、寝つきが悪い、不安感が強いといった特徴から、**血や潤いの不足(漢方では「血虚」と呼びます)**が感じられます。血や潤いが不足するため、疲労時や夜間に体を冷却することができず、掌や足の裏が熱くなることがあります。

しかし同時に、燃料となる血の不足によって寒がりになるという一見矛盾する症状も現れています。

さらに、げっぷやガスが出ると楽になる、怒りっぽい、大便の頻度が2~3日に一回といった特徴から、**気の巡りも順調ではない(気滞の状態)**ことがうかがえます。

こもった気は熱を生じて上昇するため顔が赤くなり、また皮膚に向かって炎症を起こし、皮膚をさらに乾燥させる悪循環を生み出しています。そのため、保湿すると余計に熱がこもって痒みが増すという現象が起きるのです。

入浴を控えることで入浴による熱の影響は受けにくくなるため痒みは軽減しますが、根本的な血や潤いの不足が背景にあるため、乾燥自体は改善しない状況と考えられます。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方のような体質の場合、以下のような自然療法が効果的です:

まず、食物アレルギーがあるとのことですので、アレルゲンとなる食品を避けながら、体の潤いや血を補ってくれる食べ物を食事に取り入れることが大切です。

同時に、気の滞りがこもった熱を生じさせる原因となっていますので、リラックスできる軽めの運動で体を動かすことをおすすめします。

具体的には、広々とした公園などで呼吸に意識を集中しながら、足の裏に感じる地面の感覚や頬に当たる風などを感じるようにすると良いでしょう。これにより、普段何気なく繰り返している頭の中の考えの空回りが止まりやすくなります。

その結果、体の緊張はほぐれ、気の巡りが改善すると考えられます。お子さんと一緒に、気が向いた時にでも取り入れてみてください。

この体質の改善に役立つ漢方薬

この方のような乾燥と血虚、気滞の傾向がある体質の改善に期待できる漢方薬をいくつかご紹介します:

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血虚(血の不足)による乾燥肌や冷えに効果が期待できる漢方薬です。特に女性の体質改善によく用いられます。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):気の巡りを良くし、のぼせや精神的なイライラを改善する効果が期待できます。血虚と気滞の両方に作用します。
  • 温清飲(うんせいいん):皮膚の炎症を鎮め、血熱(血の熱)による症状を改善する漢方薬です。

ただし、これらはあくまで一般的に特定の体質改善に効果が期待できる漢方薬の例であり、この方に必ず合うものとは限りません。アトピー性皮膚炎のような症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果がない場合もあります。当店では個別の体質に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回ご紹介した12歳の女の子のケースは、血や潤いの不足(血虚)と気の巡りの滞り(気滞)が複雑に絡み合った体質と考えられます。保湿で痒みが増す、でも保湿しないと乾燥するという一見矛盾する症状の背景には、このような体質的な特徴があるのです。

自然療法として、アレルギーに配慮しながら潤いを補う食事と、リラックスできる軽い運動を取り入れることをおすすめします。また、漢方薬による体質改善も一つの選択肢となるでしょう。

お子さんの症状や体質は一人ひとり異なりますので、ぜひ専門家に相談しながら、お子さんに合った方法を見つけていただければと思います。

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ピヨ先生
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