【体験談】43歳女性の貧血・むくみの原因は?東洋医学的体質改善法を専門家が解説

むくみ
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

浮腫みにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

現代女性の多くが抱える貧血やむくみの悩み。病院で検査を受けても「異常なし」と言われることが多く、根本的な解決策が見つからずにお困りの方も多いのではないでしょうか。

今回は、43歳女性の方から寄せられた貴重な体験談をもとに、東洋医学の視点から貧血・むくみの原因を分析し、体質に合った改善法をご紹介します。同じような症状でお悩みの方の参考になれば幸いです。

外見的な特徴とお悩みの症状など

今回ご相談いただいた方の基本情報は以下の通りです。

  • 年齢:43歳(女性)
  • 身長:156cm
  • 体重:48kg
  • BMI:19.72

身体的特徴:

  • 皮膚:乾燥している
  • 髪の毛:乾燥し細く薄い
  • 舌の色:白っぽく部分的に紫色
  • 舌の形:厚ぼったく歯の痕や溝、割れ目がある
  • 舌苔:白くバターのようにべたっとしている
  • 舌裏の静脈:太く膨らんでいる

主な症状:

  • 橋本病経過観察中
  • 貧血
  • むくみ
  • うつっぽい症状
  • 疲労感
  • 不眠
  • 冷え
  • 乾燥
  • 便秘
  • 緊張感
  • 肩こり・首こり

悪化要因:

  • 寝不足
  • ストレス

むくみはなぜ起こるの?東洋医学から見た水分代謝のメカニズム

東洋医学では、体内の水分は自分で動くことができないと考えられています。水分が全身を巡るためには、**体の芯部の熱(腎陽)**によって温められ、軽くなることで動く力が生まれるのです。

この水分の循環には、主に3つの要素が関わっています。

1. 腎陽(じんよう) 体の中心にある熱源で、水分を温めて動かすエネルギー源の役割を担います。

2. 肝気と脾気(かんき・ひき) 水分を運搬する役割を担う気の働きです。

3. 肺気(はいき) 体の上部で水分を管理し、必要な水分は外に出し、残りを体内に戻す役割があります。

これらが連携することで、飲み物や食べ物から取り入れた水分は体の上部へと運ばれます。そこから「雨が降り注ぐように」全身を潤しながら巡っていくのです。

この働きのどこかが乱れると、水分は正しく循環できなくなり、むくみの原因となってしまいます。

この方の体質はどのようなタイプ?東洋医学的な分析結果

ご投稿いただいた情報から、この方の体質の特徴を分析してみましょう。

熱源の冷え(腎陽不足)の特徴 舌の色が白っぽい、舌に歯の痕がある、手足が冷える症状から、体の熱源が冷えている様子がうかがえます。

血液循環の問題 舌の下の静脈が太く膨らんでいる、舌の色に紫色が混じることから、血液の巡りが順調ではない状態と考えられます。これは、巡らせる力の原動力となる熱源が不足していることが原因かもしれません。

水分代謝の停滞 体の中の水分の様子を見てみると、顔や足の浮腫み、胃の中でチャポチャポする感覚などから、体の下部を中心に水が停滞している様子がうかがえます。

一方で、皮膚の乾燥、不眠、目の疲れなど、体の上部を中心に乾きの症状が見られます。

上下のバランスの乱れ 巡りの悪さから考えると、温める力の低下により水が動かせず血が届けられないため、上部では不足し、下部に停滞している状態と推測されます。

上部で血が不足すると、脳の働きは穏やかさを保てなくなり、不眠や不安感として現れます。血が不足すると髪の毛は維持できず、細く抜けやすくなり、皮膚は乾燥してしまいます。

気の巡りの停滞 食べると腹が張りやすい、イライラしやすく怒りっぽいなどの症状から、気の巡りもスムーズではない印象があります。これにより、余計に気血の巡りは停滞しやすくなります。

消化機能の低下 体の熱源には、体の働きの根源を支える働きがあるため、ここが低下すると消化機能も低下します。それにより、気や血を作る機能が低下するため、気が不足し貧血にもなってしまいます。

気血が不足し、巡りが悪いために必要な場所へと届きにくくなると、疲れやすくなるのです。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

体の熱源が不足していますので、無理のない範囲で体を動かすことが良いかもしれません。

運動療法のご提案 疲れがありますので、体を動かすのもおっくうかと思います。しかし、体調の良い時には以下のような方法を試してみてください。

  • 近所を散歩してみる
  • 家の中でも座ったままの姿勢でできるヨガ
  • 気功法などを取り入れる

瞑想法などでも、呼吸と共に骨盤底筋を鍛える方法があります。時間ができた時などにお試しくださいね。

食事療法のご提案 食事に関しても、体を温めてくれるような食材をバランス的に少し多くするのが良いかもしれません。

以下の食材は温性の性質を持っていて、体を温めるのを助けてくれます。

  • ヨモギ
  • ニラ
  • ネギ
  • 乾燥生姜
  • ニンニク
  • クルミ

毎日の食事の中でバランスを取りながら、これらの食材を利用するのも良いのでお試しください。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この体質の改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します。ただし、これらはあくまで腎陽不足体質の改善に一般的に用いられる漢方薬であり、この方に合う漢方薬を特定するものではありません。

  • 八味地黄丸(はちみじおうがん):腎陽を補い、体の根本的な熱源を温める代表的な処方
  • 真武湯(しんぶとう):体を温めながら水分代謝を改善し、むくみの解消をサポート
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血を補いながら水分代謝を整え、女性特有の症状に対応

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では十分な効果が得られない場合があります。当店では個人の体質に合わせた漢方相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回の体験談から、貧血・むくみの根本原因は単純ではないことがお分かりいただけたでしょうか。

東洋医学では、体の熱源(腎陽)の不足により水分代謝と血液循環が乱れ、上部では乾き、下部では停滞という症状が現れると考えます。

改善のポイントは以下の通りです。

改善のための3つのアプローチ

  1. 無理のない範囲での適度な運動
  2. 体を温める食材の積極的な摂取
  3. 個人の体質に合った漢方薬の活用

同じような症状でお悩みの方は、まずは生活習慣の見直しから始めてみてくださいね。根本的な体質改善には時間がかかりますが、継続することで必ず変化を実感していただけるはずです。

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ピヨ先生
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