こんにちは、皆さん。今日は料理や漢方薬として古くから愛用されてきた「八角(はっかく)」についてご紹介します。あの独特の星形と香りで中華料理に欠かせないスパイスですが、実は様々な健康効果も持ち合わせていることをご存知でしょうか?
八角(はっかく)は、中国原産の常緑高木「トウシキミ」の果実を乾燥させたスパイスです。英語では「スターアニス」、中国語では「八角」や「大茴香」と呼ばれています。
八角は中国料理だけでなく、世界中の料理で使われる万能スパイス。その香りと効能の秘密、そして日常生活での活用法まで詳しく解説していきます。
八角(スターアニス)とは?その基本情報について教えてください
薬膳における八角の特性は以下の通りです:
性味と帰経
- 性味: 温、辛
- 帰経: 肝、腎、脾、胃
八角の由来と起源
八角は中国南東部からベトナム北東部を原産とし、古代中国の医学書『神農本草経』にも記載されているほど、古くから薬用や調味料として利用されてきました。その独特の甘くスパイシーな香りは、主成分であるアネトールによるもので、アニスやウイキョウ(フェンネル)と香りが似ていますが、植物としては全く異なる種類です。
八角にはどんな薬効や効能があるのでしょうか?
八角には様々な健康効果があります。薬膳や現代の研究から明らかになっている効能をご紹介しましょう。
主な効能
- 温中散寒(おんちゅうさんかん): 体内の寒気を取り除き、内臓を温める効果があります。脾胃の虚寒(きょかん)による腹痛や下痢などの症状を緩和します。
- 理気止痛(りきしつう): 気の流れを整え、胃腸の痙攣を和らげ、胃痛や腹痛を軽減します。さらに頭痛や歯痛などの痛みを緩和する鎮痛作用も備えています。
- 脱腸の特効薬: 中国では脱腸(ヘルニア)の特効薬として知られています。
- 補腎作用: 腎を補うことで腰痛や腹痛を改善する効果があります。
- 胃腸機能の改善: 胃弱による吐き気、悪心、食欲不振などの症状を緩和します。
- 血行促進: 血行障害の改善に役立ちます。
- 抗ウイルス作用: 抗ウイルス作用があるといわれ(諸説あります)、新型インフルエンザ治療薬「タミフル」の原料としても使用されています。
現代医学での研究成果
八角には消化促進や胃腸の働きを整える効果があることが現代の研究でも確認されています。また、その抗酸化作用や抗菌作用についても注目されています。
八角を使用する際の注意点は何ですか?
八角は多くの効能がある一方で、使用に際しては以下の点に注意が必要です。
注意すべき人
以下の方は八角の使用に注意が必要です:
- 妊婦
- 小さなお子様
- 体質が虚弱な方
- 胃潰瘍や胃炎などの消化器系疾患をお持ちの方
八角はどのように料理に活用できますか?
八角は世界中の料理で様々な使われ方をしています。特に中華料理では欠かせないスパイスです。
料理での活用法
- 肉料理: 八角は肉の臭みを消す効果があるので、煮込み料理やスープに最適です。
- デザート: 甘い香りを活かして、コンポートやシロップの香り付けに使えます。
- 飲み物: 八角を入れた紅茶やホットワイン(グリューワイン)は、体を温める効果もあります。
便利な使い方のコツ
- 煮込み料理: 八角を1〜2個加えるだけで、料理に深い風味が加わります。食べる前に取り出すと食べやすいですよ。
- 炒め物: 油で軽く炒めて香りを出し、他の具材と一緒に調理します。
- お茶やデザート: 八角を砕いて紅茶に加えたり、シロップに浸してデザートの香り付けに利用できます。
まとめ:八角の魅力と上手な活用法
八角は、その独特の星形と香りで料理に深みを加えるだけでなく、様々な健康効果も期待できる万能スパイスです。中医学では温中散寒、理気止痛などの効能があり、現代では抗ウイルス作用も注目されています。
料理では肉料理の臭み消しや風味付けに最適で、中華料理だけでなく様々な国の料理やデザート、飲み物にも活用できます。使用量は適量を守り、保存方法に気をつければ、長く美味しく使えるスパイスです。
ぜひ皆さんも、日常の料理に八角を取り入れて、その魅力的な香りと効能を体験してみてください。一つ加えるだけで、料理の奥行きがぐっと深まりますよ。
参考文献

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