肌荒れに効く漢方薬は?柴胡清肝湯の効果と体質別の選び方

漢方メモ
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

肌荒れにお悩みの方から
質問をいただきましたよ

「肌荒れがなかなか治らない…」「本当に漢方で肌荒れが良くなるの?」

そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回は、神経質な体質の方で、乾燥気味な皮膚が赤く炎症を起こしたり、少し化膿して痒くなるような肌荒れに使われることの多い**柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)**をご紹介します。

食事や生活習慣と合わせて、漢方の力を借りることで、体の内側から肌を整えていきましょう。

肌荒れになる原因は何ですか?

中医学では、肌荒れにはいくつかの原因が重なっていると考えます。

まず、血液の不足があると皮膚が乾燥しやすくなります。これは血液が皮膚の材料になるだけでなく、栄養を届ける働きもしているからです。

さらに、神経過敏な性格の方がストレスを感じることで、気(き:体のエネルギー)が滞り、こもった熱が生じてきます。

これらの血液の不足や気血の滞り、余分な熱によって、皮膚と身体の内側との巡りが悪くなります。その結果、皮膚が赤黒く、ブツブツと化膿してくるような肌荒れにつながるのです。

柴胡清肝湯はどんな漢方薬ですか?

柴胡清肝湯は、気の滞りを解消して全身的な熱を冷ましながら、皮膚にこもっている熱を発散させ、不足している血液の材料を補充する働きを助けてくれる漢方薬です。

この漢方薬は、以下の15種類の生薬によって構成されています。

  • 黄芩(おうごん): 体の表層部の熱を冷ます
  • 黄連(おうれん): 強く熱を冷まし乾かす
  • 黄柏(おうばく): 体の下部の熱を穏やかに冷ます
  • 山梔子(さんしし): 上部の熱を尿から排出する
  • 当帰(とうき): 体を温めながら血液を補う
  • 地黄(じおう): 血液の材料を深部から補う
  • 芍薬(しゃくやく): 熱を冷ましながら血液を補う
  • 川芎(せんきゅう): 血管を拡張し血液を巡らせる
  • 桔梗(ききょう): 気を上昇させ皮膚を整える
  • 連翹(れんぎょう): 膿を排出し熱を冷ます
  • 牛蒡子(ごぼうし): 皮膚の熱を発散させる
  • 栝楼根(かろこん): 熱を冷まし潤いを補う
  • 柴胡(さいこ): こもった熱を発散して冷ます
  • 薄荷(はっか): 熱を発散し気の滞りを解消する
  • 甘草(かんぞう): 胃腸の働きを高め潤いを補う

どうして柴胡清肝湯で肌荒れが良くなるのですか?

柴胡清肝湯の生薬たちは、それぞれの役割を果たしながら、肌荒れを内側から改善してくれます。

【熱を冷ます働き】

黄芩・黄連・黄柏・山梔子で身体全体の熱を冷まし、薄荷・連翹・牛蒡子・柴胡で表層から熱を発散させます。これにより、皮膚にこもった熱が解消されていきます。

【気の巡りを改善する働き】

柴胡・桔梗・薄荷で気の巡りを上向きに引き上げ、滞っている気の流れを改善します。気が巡ることで、余分な熱の解消にもつながります。

【血液を補い巡らせる働き】

当帰・地黄・芍薬・川芎で血液の材料を補充し、全身への血液の巡りを促します。これにより、皮膚の乾燥が改善され、修復に必要な栄養が届けられます。

【潤いを整える働き】

栝楼根・甘草・芍薬・黄柏・山梔子で潤いを補いながら、余分な水分は尿として排出します。皮膚と身体の内側との巡りが回復し、赤み・乾燥・ブツブツした状態が解消されていきます。

どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント

柴胡清肝湯は、以下のような方に向いています。

  • 血液の不足があり、皮膚が乾燥しやすい方
  • ストレスを感じやすく、神経質な傾向のある方
  • 肌荒れが赤く炎症を起こしやすい方
  • 少し化膿して痒くなるような肌荒れがある方

ただし、柴胡清肝湯には温める作用がありません。全身を冷やす性質がありますので、単独で長期間使い続けると、どんどん冷えてしまうことがあります。

場合によっては巡りの原動力が低下して、気血がうまく運ばれなくなり、かえって皮膚の状態が悪化することもあります。

体質によっては、温めて巡りを応援する漢方薬と合わせて使うことで、より効果的に皮膚の状態を改善できます。

まとめ

今回は、肌荒れを解消する漢方として、柴胡清肝湯をご紹介しました。

柴胡清肝湯は、血液の不足があり、ストレスを感じやすい方の、赤く乾燥しやすい肌荒れの解消に効果が期待できます。

ただし、症状が複雑な場合には、この漢方薬単独では効果が出にくいこともあります。当店では漢方相談を行っておりますので、ご自身の体質に合った漢方薬選びに迷われた際は、お気軽にご相談ください。

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ピヨ先生
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