
こんにちは
どうなさいましたか?

月経時の下痢と腹痛にお困りの方から
質問をいただきましたよ。
女性の多くが経験する生理のトラブル。中でも「生理になると下痢になる」という悩みを抱えている方は少なくありません。普段からお腹が弱い方が生理時に特に症状が悪化するのはなぜでしょうか?
今回は、生理と消化器系の関連性について、東洋医学の視点から解説します。普段は気にしていなくても、月経周期に合わせて体調が変化するメカニズムを理解することで、より快適な生活を送るためのヒントを見つけていきましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 食が細く、体型も細め
- お腹が普段から弱い傾向
- 冷え性の可能性
主な症状:
- 普段から下痢気味
- 生理時に下痢が悪化
- 下痢に伴う腹痛
生理時の下痢はなぜ起こるの?
生理と下痢には深い関係があります。東洋医学では、月経前と月経中の体内の気血(きけつ:体内を巡るエネルギーと血液)の流れに注目します。
月経前は、子宮へと血を届けるために体の下部へと気血が注ぎ込まれています。そして月経が始まると、その下向きの流れからは解放されるのが通常です。
しかし、以下のような条件がある場合は話が変わってきます:
- お腹の働きが弱い
- 体の深部に冷えがある
このような状態では、月経血が解放されて下向きに向かう経血の流れに腸の内容物も巻き込まれてしまい、結果として下痢になることがあります。
普段からお腹が弱くて下痢気味という方は、もともとの消化器系の弱さに加えて、月経時には経血に引っ張られる形でさらに下痢が悪化するというメカニズムが考えられるのです。
生理時の腹痛はどうして起きるの?
生理時の下痢に伴う腹痛には、主に二つのメカニズムが考えられます:
- 冷えによる痛み:下痢が続くことでお腹の働きがさらに弱くなり、それにより腸管に冷えが停滞します。この冷えが腸管の気血の流れを阻害することで痛みを引き起こす可能性があります。
- 腸内圧力による痛み:もともと腸管の下向きの動きが過剰な状態に、経血の下向きの流れが加わることで、さらに下向きの動きが強まります。その結果、内容物が一気に下に向かうことで腸内に「渋滞」が生じ、圧迫感から痛みを感じることがあります。
どちらの場合も、体の冷えとお腹の弱さが根本的な原因となっていることが多いのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
このような症状でお悩みの方には、以下の自然療法がおすすめです:
- 温かい食事を心がける:冷たい飲食物は避け、体を温める食材(生姜、シナモン、黒胡椒など)を積極的に取り入れましょう。
- 腹部を温める:腹巻やカイロなどで腹部を温めることで、腸の動きが安定します。特に生理前から始めると効果的ですよ。
- 規則正しい食生活:少量でも栄養バランスの良い食事を規則正しく摂ることで、腸の働きを整えていきましょう。
- ストレス管理:ストレスは腸の働きに大きく影響します。呼吸法やリラクゼーションなどで心身のバランスを整えてみてください。
- 適度な運動:ウォーキングなどの軽い運動は血行を促進し、冷えの改善に役立ちます。
生理時の下痢に効果が期待できる漢方薬
以下の漢方薬は、お腹が弱く冷えがある体質の改善に効果が期待できるものです:
- 真武湯(しんぶとう):冷えによる下痢や腹痛を緩和し、体を温める効果があります。
- 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):腹部の痛みや下痢に対して効果を発揮します。
- 人参湯(にんじんとう):体力が弱く、冷えによる消化器症状に用いられます。
ただし、これらはあくまで一般的な体質改善のための漢方薬であり、個人の症状や体質によって最適な漢方薬は異なります。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もありますので、当店での漢方相談をご利用いただくことをおすすめします。
まとめ
生理時の下痢と腹痛は、体の冷えやお腹の弱さが根本的な原因となっていることが多いです。特に月経時の気血の流れの変化が、もともとのお腹の弱さと相まって症状を悪化させていると考えられます。
日常生活では体を温める習慣を取り入れ、規則正しい食生活と適度な運動を心がけることが大切です。また、症状が続く場合は、漢方的なアプローチで体質改善を図ることも一つの選択肢となります。
あなたの体質に合った対策を見つけて、生理時のつらい症状を少しでも軽減できるよう、ぜひ試してみてくださいね。
YouTubeでも解説しています。

ご自分の体質にあった
漢方薬を試してみたい方は
ピヨの漢方の漢方相談を
ご利用ください。
