不安と緊張に悩む29歳男性の体験談と東洋医学的アプローチ

不安感
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

不安感にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

こんにちは、皆さん。今回は不安や緊張の悩みについて東洋医学の視点から解説していきます。特に仕事のストレスや緊張によって不眠や不安を抱えている方にとって、参考になる内容をお届けします。

現代社会では多くの方が何らかの不安や緊張を抱えています。特に職場環境での緊張や不安は、睡眠の質を低下させ、日常生活にも大きな影響を与えることがあります。今回は実際の体験談をもとに、東洋医学の観点からその原因と対策について考えていきましょう。

どんな方の体験談でしょうか?

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 29歳の男性
  • 身長は170cm
  • 体重は63kg
  • BMIは21.8(適正範囲内)
  • 舌の苔が無い

主な症状:

  • 職場でうまくいくかどうかの不安と緊張がある
  • 仕事が近くなると不安が増す
  • 不眠になる

なぜ不安や緊張が起こるのでしょうか?

東洋医学では、意識活動をコントロールしているものを「心気」と呼びます。この心気の機能が正常で、気血も満ち盛んに巡っていれば、意識ははっきりとしていて思考も穏やかで頭の回転も良くなります。

これらは大脳の働きと深く関係しており、記憶、判断力、言語機能など、物事を考えたり決めたりする機能を担っています。外部から入ってくる情報を知的に処理し、身体全体に指令を与える重要な役割を果たしているのです。

しかし、この心気に異常が起きると:

  • 物忘れが激しくなる
  • 注意力が散漫になる
  • 言語能力に障害が出る
  • 不安感が強くなる
  • 心が落ち着かない
  • 驚きやすく眠れなくなる

などの症状が現れてきます。

心気の乱れとコンピューターの熱暴走の類似性

心気は身体全体を高い位置から監督し指令する役割があるため、常に活動することを求められています。そのため、様々な活動によって生じた熱を適度に冷却できていないと、脳の活動は過剰に働きすぎるようになってきます。

これをコンピューターに例えると分かりやすいでしょう。脳は様々な計算をするCPUと同じようなものです。コンピューターを起動している際には、常に過剰な熱による負担がかかっているため、正常な働きを維持するには、適温に冷却しておく必要があります。

ファンや冷却水の役割をする「潤い」が不足すると、コンピューターが熱暴走を起こすように、心気の活動も過剰になり、様々な症状となって現れます。

この方の体質的な特徴は?

この方の場合:

  • 顔色や舌の色などの外見的特徴にはほとんど問題がない
  • 主訴となる不眠や不安以外の症状が少ない
  • 舌の苔が無いことから、体の水分はやや乾燥気味かもしれない
  • BMIや髪の毛、皮膚の様子からは身体全体で顕著な乾燥があるわけではない

特に「仕事が近くなると不安が増す」という状況から、身体的な問題よりも、心理的な問題が強い可能性があります。

東洋医学では意識活動を司る働きを「神」と呼び、その神が活動を休止する時には、心にある「舎」に帰ってきて血に納まると考えています。ちょうど、意識である神が自分の部屋に帰ってきて、血でちょうど良い状態に調整されたベッドに入って休もうとしているような感じです。

ところが、その帰るべき舎がなくなってしまうと、意識が鎮まれなくなっていつまでも活動してしまうため、心が空回りして不安症状になると考えられます。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の場合、舌の苔が無いことから、やや潤いの不足があり、それが心気の過剰な活動につながっている可能性があります。以下の対策がおすすめです:

  1. 十分な睡眠を確保する 仕事のない日には、しっかりと睡眠を取るようにしましょう。夜更かしは潤いの消耗を進めると同時に回復の時間を奪い、ダブルで潤いが不足するため避けましょう。
  2. 熱を作る食べ物・飲み物を控える 辛い物や脂っこいもの、胡椒や辛子などの香辛料、アルコール度数の高いお酒、栄養ドリンクなどは、体に熱を生じさせ水分の排出を促します。これらはなるべく控えましょう。
  3. 考えの書き出し法 頭が興奮して緊張が取れない場合は、仕事前に湧き上がってくるストレスやモヤモヤした考えをノートに書き出してみましょう。形にならないエネルギーを発散させ、気持ちの切り替えを促します。
  4. 長い呼吸法の実践 長い呼吸を繰り返すことで、副交感神経を優位にして緊張感を緩め、熱を冷まし、イライラする感情を穏やかにすることができます。
  5. 体の緊張部位をほぐす 特に顎の噛みしめ、喉を締める癖、前腕の緊張、みぞおちの張り、背骨の両脇の筋肉の突っ張りなど、無意識に緊張している部位に意識を向け、意図的に緩めるようにしましょう。
  6. 表情筋を動かす 顔の体操をするように、笑顔を作ったり口を大きく開いて口角を上げるだけでも、気持ちに変化が現れてきます。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

ここでは、潤いの不足から来る心気の過剰な活動の改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します。ただし、これはあくまで一般的な情報であり、この方個人に合う漢方薬ではありません。

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん) – 精神不安やイライラを鎮め、体の潤いを補う効果が期待できます。
  • 酸棗仁湯(さんそうにんとう) – 不眠や精神不安に効果があり、特に心の高ぶりを鎮める作用があります。
  • 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう) – 心気の熱を冷まし、心の高ぶりを鎮める効果があります。

症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もあります。体質改善には専門家による的確な診断が必要ですので、ピヨの漢方での漢方相談をご利用いただくことをお勧めします。

まとめ

今回ご紹介した29歳男性の体験談から、不安や緊張は身体の潤いの不足による「心気」の過剰な活動から生じている可能性があることがわかりました。

東洋医学の観点からは、適切な睡眠、熱を生み出す食べ物の摂取制限、リラクゼーション法の実践などが効果的です。特に精神面での対策として、考えの書き出し法や呼吸法、緊張している部位を意識的に緩めることも重要です。

現代社会で生きていく中で不安や緊張は誰しも経験するものですが、体と心のバランスを整えることでより健やかに過ごせるようになります。自分の心と体の声に耳を傾け、小さな変化から始めてみましょう。

YouTubeでも解説しています。

YouTube player
ピヨ先生
ピヨ先生

ご自分の体質にあった

漢方薬を試してみたい方は

ピヨの漢方の漢方相談を

ご利用ください。

タイトルとURLをコピーしました