
こんにちは
どうなさいましたか?

高血圧にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
「血圧が高くて、肩こりがひどい…」「漢方薬で本当に改善できるの?」そんなお悩みをお持ちではありませんか?
高血圧と肩こりは、実は深いつながりがあります。特にストレスや緊張が続く方は、体の中で「気」が滞りやすくなり、それが血圧の上昇や肩こりの原因になることがあるのです。
今回は、高血圧に伴う肩こり・頭痛・便秘を解消する漢方薬として**「大柴胡湯(だいさいことう)」**をご紹介します。ストレスによって生じた気の滞りを解消し、体にこもった熱を鎮めてくれる漢方薬です。
高血圧と肩こりにはどんな関係がありますか?
血圧は、心臓が押し出す血液によって血管に加えられる圧力のことです。心拍出量が増えたり、末梢の血管抵抗が高くなったりすると、血圧が上がります。
たとえば、ストレスや緊張で交感神経が優位になると、心拍数が増えて心臓の収縮力が強まります。すると、たくさんの血液が送り出される一方で、末梢の血管は収縮するため、血圧が上がってしまうのです。
東洋医学では、この状態を**「気が強い状態で滞り、上向きに勢いよく上昇している」**と考えます。心臓の働きがあおられて過剰になり、血圧が高くなるというわけですね。
そして、この「気が上向きに強く上昇する状態」が、肩こりの原因にもなります。
肩から首にかけては、4車線の道路が急に1車線になるように細くなっています。ここで気が渋滞を起こすと、肩こりが生じるのです。
気は体のさまざまな働きを動かすエネルギーです。一か所に渋滞して滞ると、だんだん熱を持ち始め、顔が赤くなったり、パンパンに張ったりするようになります。
このような理由から、高血圧のタイプによっては肩こりも同時に感じるようになるのです。
大柴胡湯はどんな漢方薬ですか?
大柴胡湯は、以下の8種類の生薬で構成されています。
- 柴胡(さいこ): 滞った気を発散させる
- 半夏(はんげ): 気を下向きに引き降ろす
- 黄芩(おうごん): こもった熱を冷ます
- 芍薬(しゃくやく): 筋肉の緊張を緩める
- 大棗(たいそう): 気を補い働きを支える
- 枳実(きじつ): 気を下向きに降ろす
- 生姜(しょうきょう): 気や水の滞りを発散する
- 大黄(だいおう): 余分な熱を便から排出する
これらの生薬が協力して、気の滞りを解消し、体にこもった熱を冷ましてくれます。
どうして高血圧や肩こりが良くなるのですか?
大柴胡湯の働きを順番に見ていきましょう。
まず、柴胡が滞った気を解放して、体の表面から発散させます。同時に黄芩が体の上部にこもった熱を冷まし、利尿を促すことで余分な水分を下向きに引き降ろします。
半夏と枳実は気を下向きに引き降ろし、芍薬は筋肉の緊張を緩めて気の下降を助けます。
さらに大黄が滞っている血液の巡りを回復させ、余分な熱やお腹の中の停滞物を便から排出します。
生姜は気や水を外側から発散させ、大棗と芍薬が熱で乾燥した部位に潤いを補充してくれます。
このように、滞っていた気が上向きに発散され、下向きにも引き降ろされることで、全体が大きく力強く巡るようになります。
その結果、肩や首の周辺で停滞していた気が解放され、肩こりが解消されるのです。
同じ理由から、内側から押し上げられるようなガンガンした頭痛や、熱感を伴う便秘にも効果が期待できます。
使う際の注意点
大柴胡湯に含まれる柴胡は、気の滞りを解放するためにとても役立つ生薬です。
しかし、こもっていた気が解放されることで、かえって気の働きが強まり、心臓の働きを押し上げて血圧が上がる場合もあります。
ストレスがあって興奮しやすく熱がある方でも、体質によっては注意が必要なこともありますので、ご自身の状態をよく観察しながらお使いください。
どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント
ストレスやイライラで興奮しやすい方には、大柴胡湯がおすすめです。活動が過剰になることで心臓の血液を押し出す力が強くなり、高血圧になっているタイプの方に向いています。
気が滞って上向き過剰の流れができている方は、肩や首の周辺で渋滞を起こしやすく、肩こりや頭痛が生じます。腸管の蠕動運動(ぜんどううんどう:腸が食べ物を送り出す動き)が乱れると便秘にもなります。このような症状がある方にも大柴胡湯は適しています。
まとめ
今回は、高血圧に伴う肩こりを解消する漢方薬として大柴胡湯をご紹介しました。
大柴胡湯は、ストレスやイライラによる興奮状態を鎮め、気の滞りを解消してくれる漢方薬です。肩こり・頭痛・便秘など、気の滞りから生じるさまざまな症状の改善に役立ちます。
大柴胡湯を効果的に使うコツもお伝えしますね。
普段の生活からストレスを溜めないことが大切です。広い場所で散歩をするなど、開放的な空間で体を動かすと、気も動いてココロも解放されます。
また、「こうあるべきだ」といった抑圧的な考え方は、気の動きを狭めてしまいます。少し気を抜いて、ゆとりを意識した考え方を持つようにしてみてください。
過去の嫌な記憶でイライラしたり悲しくなったりする場合は、その感情に抵抗せず、しばらくその記憶に身を浸してみるのも一つの方法です。不思議と温かい感覚に包まれることがありますよ。
症状が複雑な場合には、大柴胡湯単独では効果が出にくいこともあります。当店では漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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