
こんにちは
どうなさいましたか?

咳にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
季節の変わり目や冷えが気になる時期、咳が出始めてなかなか治まらない…そんな経験はありませんか?
市販の咳止めを試しても、いまひとつスッキリしない。そんなときこそ、漢方の力を借りてみるのも一つの方法です。
今回ご紹介する「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」は、体の表面にこもった熱を冷ましながら、気の流れを整えて咳を鎮めてくれる漢方薬です。
どんな仕組みで咳に働くのか、どんな体質の方に向いているのか、中医学の視点からやさしく解説していきますね。
風邪や咳はなぜ起こるのですか?
風邪や咳は、体の表面に「邪気」と呼ばれる外からの悪い影響が居座ることで引き起こされます。
私たちの体では、食べ物から作られたエネルギーが肺で酸素と結びつき、「気」となって全身を巡っています。この気がスムーズに流れていることで、健康な状態が保たれているのです。
健康なときは、体の外側へ向かう気と、内側へ戻る気のバランスが肺の働きによって調整されています。
ところが、冷えや熱などの邪気が体の表面に侵入してくると、この気の流れが乱されてしまいます。
気の流れが止まると、水分や血液の流れも一緒に滞ってしまいます。その結果、筋肉の痛みやだるさ、鼻水や鼻づまりといった風邪の症状が現れるのです。
体は邪気を追い払おうと、内側から大量の気を送り込みます。しかし、追い払いきれずに渋滞を起こすと、気が一か所に溜まって熱が生じるようになります。
さらに、本来は外側や下向きに流れるはずの気が、上向きに押し上げられて逆流することで、咳が止まらなくなるのです。
熱によって肺の働きが乱されると、気が内側に入っていけなくなり、ますます逆流が起こりやすくなります。
麻杏甘石湯はどんな漢方薬ですか?
麻杏甘石湯は、4種類の生薬で構成されたシンプルながら力強い処方です。
気の流れを強力に動かしながら、表面の熱を冷まし、余分な水分を排出してくれます。
麻杏甘石湯に含まれる生薬:
- 麻黄(まおう): 気を外側へ強く発散させる
- 杏仁(きょうにん): 気を下向きに引き降ろす
- 石膏(せっこう): 体の熱を冷ます
- 甘草(かんぞう): 気を補い潤いを与える
どうして麻杏甘石湯で咳が良くなるのですか?
麻杏甘石湯の働きを、順を追って見ていきましょう。
まず、麻黄が体の内側から気を外側へ強力に発散させます。その流れに乗って、杏仁が気を下向きに引き降ろし、体の内側から外側へ、そしてまた内側へという気の流れが作られます。
そこへ石膏が表面の熱を冷ましながら、気とともに余分な水分も下向きに引き降ろして排出します。
甘草は気の働きを支えるエネルギーを補給しつつ、熱で乾燥した部分に潤いを届けてくれます。
つまり、麻杏甘石湯は以下のような流れで咳を改善します:
- 麻黄で気を強力に発散
- 杏仁・石膏で気と水を下向きに引き降ろす
- 甘草で潤いと気を補充
- 停滞が解消され、熱が冷まされる
この働きによって、逆流していた気の流れが正常に戻り、咳が鎮まるのです。
風邪による痛みやだるさ、鼻水や鼻づまりも、気と水の流れが整うことで解消されていきます。
ちなみに、麻杏甘石湯は痔にも効果があるとされることがあります。これは、気が強制的に巡らされ、熱が冷まされることで、肛門周辺の血行が改善されるためと考えられます。
使う際の注意点
麻杏甘石湯は効果的な漢方薬ですが、すべての方に向いているわけではありません。
麻黄は気を強力に流す働きがあるため、以下のような方は注意が必要です。
麻杏甘石湯が向いていない方:
- もともと気が不足していて疲れやすい方 → 少ない気がさらに消耗してしまう可能性があります
- 体が乾燥していて興奮しやすい方 → 興奮が強まり、眠れない・血圧が高くなるなどの症状が出ることがあります
ご自身の体質に合っているか不安な場合は、専門家にご相談されることをおすすめします。
どのようなモノがありますか?
麻杏甘石湯は、ある程度の痰が絡む咳にも有効です。余分な水分を排出する働きがあるためです。
ただし、さらに痰が多い場合には、麻杏甘石湯に桑白皮(そうはくひ)を加えた**「五虎湯(ごことう)」**が使われることがあります。
桑白皮は余分な水分を排出しながら、気の流れを下向きに引き降ろす働きがあり、痰の多い咳により効果的です。
このように、麻杏甘石湯を土台にして、症状に合わせた生薬を組み合わせることで、より適切なケアができるようになります。
どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント
麻杏甘石湯は、以下のようなタイプの方に向いています。
麻杏甘石湯が向いている方:
- 咳が出始めてなかなか治まらない方
- 風邪をひいて体に熱がこもっている感じがする方
- 咳とともに鼻づまりや鼻水がある方
- 比較的体力がある方
一方で、疲れやすい方や体が乾燥しがちな方には向いていません。無理に使うと、かえって体調を崩してしまうこともあります。
まとめ
今回は、咳を止める漢方薬として麻杏甘石湯をご紹介しました。
風邪や咳は、体の表面に侵入した邪気によって気の流れが乱され、熱がこもることで悪化します。
麻杏甘石湯は、気を強力に巡らせながら熱を冷まし、逆流した気の流れを正常に戻すことで、咳を鎮めてくれる漢方薬です。
ただし、体質によっては向いていない場合もあります。症状が複雑な場合や長引く場合は、単独では効果が出にくいこともありますので、当店での漢方相談をご利用ください。
あなたの体質に合った漢方薬を一緒に見つけていきましょう。
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