
こんにちは
どうなさいましたか?

お腹の不調にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
暑い日に冷たい飲み物をゴクゴク飲むのは気持ちいいですよね。
しかし、その後お腹を揺らすとチャポチャポと水の音がしたり、胸が張って苦しくなったりした経験はありませんか?
実はこれ、東洋医学では「痰飲(たんいん)」と呼ばれる、体内に余分な水分が停滞している状態なんです。今回は、実際の相談事例をもとに、冷たい飲み物が原因で起きる体の不調とその改善方法について、漢方の視点から詳しく解説していきます。
外見的な特徴とお悩みの症状など
今回ご相談いただいた方の基本情報は以下の通りです。
- 性別:女性
身体的特徴:
- 暑い時期に冷たい飲み物を大量に摂取した後から症状が出現
主な症状:
・お腹を揺らすと水の音(チャポチャポ音)がする
・胸やわき腹が張った感じがする
・みぞおちが詰まったような感じ
・お腹や背中がすごく冷える
・喉は渇くが水を飲みたくない
・水を飲むと吐いてしまうことがある
・息切れやめまいがある
・少し動くだけで息が切れる
・立ちくらみがよく起こる
・便が緩いことが多い
・舌苔が白くて水っぽい
お腹がチャポチャポ音がするのはなぜ?
お腹を揺らしたときに水の音がする現象、これを東洋医学では**「振水音(しんすいおん)」**と呼びます。
これは胃腸に余分な水分が停滞している証拠なんです。健康な状態では、飲んだ水分は体内でスムーズに運ばれ、必要な場所に届けられます。
しかし、冷たい飲み物を大量に摂取すると、胃腸が冷えて働きが低下してしまいます。その結果、水分を運搬する力が衰え、お腹に水が溜まってしまうのです。
この状態を漢方では**「痰飲(たんいん)」**と呼んでいます。
喉は渇くのに水を飲みたくないのはなぜ?
この症状、実は矛盾しているようで理にかなっているんです。
喉が渇くのは体が水分を求めているサインですが、すでにお腹に余分な水分が停滞しているため、体は本能的に「これ以上水を入れないで」と訴えているのです。
水を飲むと吐いてしまうのも、胃腸がこれ以上の水分を処理できない状態だからなんですね。
温めると楽になるのは、冷えによって低下していた胃腸の働きが、温めることで改善するためです。これは体が「温めてほしい」と教えてくれているサインでもあります。
息切れやめまいも関係があるの?
一見、お腹の症状と関係なさそうな息切れやめまいですが、実は深い関係があります。
東洋医学では、お腹に停滞している痰飲が気血の流れを阻むと考えます。気血がスムーズに流れないと、全身に十分な栄養や酸素が届かなくなります。
その結果、以下のような症状が現れるのです:
- 少し動いただけで息が切れる
- 立ちくらみが起こる
- めまいがする
つまり、お腹の水分停滞が全身の不調を引き起こしているんですね。
この症状の原因となる体質は?
今回のケースは、陽虚(ようきょ)と痰飲の停滞が組み合わさった状態と考えられます。
陽虚とは、体を温めるエネルギーが不足している状態です。冷たい飲み物によって胃腸が冷やされ、温める力が低下してしまったのです。
その結果として現れる特徴的な症状:
- お腹の振水音
- 息切れや下痢
- みぞおちの詰まった感じ
- 背中の冷え
- 舌苔が白くて水っぽい
これらすべてが、体の温める力の低下と水分停滞を示しているんです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この症状の改善には、体を温めて水分代謝を促すことが重要です。
まず基本的な生活改善として:
- 冷たい飲み物は控える
- 生ものをなるべく避ける
- 体を温める
- 適度に体を動かす
- ゆっくり休息を取る
食事では温かいものを中心に摂りましょう。特に生姜を使った料理や温かいスープがおすすめです。
飲み物は常温か温かいものを少しずつ飲むようにしてください。一度に大量に飲むのは避けましょう。
お風呂でゆっくり体を温めるのも効果的ですね。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
今回の陽虚と痰飲体質の改善に効果が期待できる代表的な漢方薬をご紹介します。
ただし、これらはあくまでこの体質の改善に用いられる漢方薬の例であり、個々の症状に合わせた調整が必要です:
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):水分代謝を改善し、めまいや動悸を和らげる効果が期待できる基本処方
- 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):胃腸の働きを高めながら、痰飲によるめまいや頭痛を改善する
- 真武湯(しんぶとう):体を温めて水分代謝を促進し、冷えや下痢を改善する
症状が複雑な場合には、単独の処方では十分な効果が得られないこともあります。
また、体質や症状の程度によって、半夏や陳皮を含むもの、人参や乾姜などを組み合わせる必要がある場合もあります。ピヨの漢方では、お一人お一人の状態に合わせた詳しい漢方相談を行っていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
冷たい飲み物によるお腹のチャポチャポ音は、単なる一時的な症状ではなく、体の温める力の低下と水分停滞のサインです。
放置すると、息切れやめまい、下痢など全身の不調につながることもあります。
特に暑い時期は冷たいものが欲しくなりますが、体を冷やしすぎないよう注意が必要ですね。温かい飲み物を少しずつ飲む習慣をつけ、お腹を温めることを心がけましょう。
漢方薬による体質改善も効果的ですが、まずは生活習慣の見直しから始めてみてください。症状が続く場合は、専門家に相談することをおすすめします。
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