【食欲不振】夕方から夜になると食欲がなくなる原因と改善法

お腹の不調
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

食欲不振にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

夕方になると食欲がなくなってしまう…そんな経験はありませんか?

多くの方が「夕食を食べないと体に悪いのでは?」と心配して無理に食べようとしますが、実はそれが体調不良を引き起こすこともあるのです。立ちくらみや倦怠感を感じる方も少なくありません。

今回は、夕方に食欲がなくなるメカニズムと、その改善方法についてご紹介します。空腹感のメカニズムから体質改善のヒントまで、詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

外見的な特徴とお悩みの症状など

  • 身体が冷えやすい
  • 疲れやすい
  • 痩せ型の場合が多い

主な症状:

  • 夕方から食欲がなくなる
  • 無理して食べると体調が悪くなる
  • 立ちくらみが起こることがある
  • 疲労感がある

空腹感はどうして起こるの?

空腹感が起こるためには、文字通りお腹の中が空っぽになる必要があります。

空腹感とは、体が活動のために消費したエネルギーの補充を必要としている状態です。エネルギーを補充するには、体に入ってきた食べ物を消化吸収する必要があります。

この消化吸収する働きは、お腹の機能によってコントロールされています。食べ物が口から入ると、腸管の蠕動運動(ぜんどううんどう:腸が波のように動く運動)によって下向きに運ばれ、消化液によって分解されます。必要な栄養が吸収され、不要になったものは体外へ排出されます。

当然、お腹の中で消化・吸収が行われている間は、空腹感を感じません。これは、吸収された糖によって血糖値が上昇し、体が「今はエネルギー補充の必要なし」という信号を送っているからです。

そして、活動によって血糖値が低下してくると、体からは「そろそろ次のエネルギーを作る準備が必要です」というサインが送られてきます。これが私たちが感じる空腹感なのです。

なぜ空腹感がなくなってしまうの?

空腹感を感じなくなってしまう理由には、大きく3つ考えられます。

1. お腹の働きが低下している

お腹の働きによって、食べたものは運ばれ、消化され、吸収されていきます。お腹の働きが低下すると、食べたものはいつまでもお腹の中に停滞するようになるため、お腹が空っぽになることがありません。

この場合、栄養も十分に吸収できないので血糖値も上昇しにくくなります。体を作ることができなくなるので痩せることが多く、身体全体の活動レベルが下がります。そのため、エネルギーの消費も少なくなり、空腹感を感じることが少なくなるのです。

ただし、活動レベルが下がるので、体は疲れやすくなり、風邪をひきやすくなり、冷えを感じるようになります。

2. 体が冷えている

身体が冷えていると、身体全体の機能が低下するため、空腹感も弱まります。

体のすべての働きは、体の芯部の熱によって根本から支えられています。これはちょうど、太陽の熱が海を温めることで地球上の活動が成り立っているようなものです。

もちろん、お腹の働きも体の芯部の熱で支えられています。体が芯から冷えていると、お腹の働きも低下してしまうため、空腹感が減少します。

また、冷たいものや体を冷やす性質のあるものを摂りすぎると、身体の中心部が直接冷やされ、腸内細菌の働きにも影響を与えます。腸内細菌は約37℃で最適に活動するため、体の芯部が冷えることは、お腹の働きと空腹感に大きな影響を及ぼします。

3. ストレスがたまっている

ストレスによる体の緊張は、お腹の働きにも影響を与えます。

腸管の蠕動運動は、リラックスした状態でこそスムーズに食べ物を運搬できます。ストレスで緊張していると、食べたものを吸収することはできても、うまく運ぶことができなくなります。その結果、食道や胃の入り口付近で「渋滞」が起き、すぐに満腹感を感じるようになります。

また、ストレスによって交感神経が緊張すると、唾液や胃液などの分泌が減り、胃腸の働きが低下します。簡単に言うと、ストレスが溜まっている状態は体にとって「戦闘状態」のようなもの。ゆっくり食事をする余裕がないと体が判断しているのです。

なぜ夕方になると食欲がなくなるの?

夕方になると、体の働きは次第に穏やかになってきます。体の働きが弱っていると、この変化が空腹感に影響します。

東洋医学では、一日の中でも時間帯によって気の状態が変化すると考えています。朝は陽気(活動的なエネルギー)の勢いが最も強く、夕方から夜になると陰の気(静かなエネルギー)が強くなると考えられています。

陽気は活動的で外側へ拡がっていくエネルギーですので、身体の活動も活発になります。一方、陰の気は穏やかで内向きのエネルギーなので、体の活動も緩やかになっていきます。

そのため、もともと身体が冷えているような方の場合、昼間は何とか活動できていたお腹の働きが、夕方の穏やかな時間になることでさらに低下してしまうのです。

また、お腹に余分な水分が停滞している方の場合、その水分の動きが夕方にはさらに悪くなり、お腹の機能への影響が強まります。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

夕方の食欲不振を改善するためには、以下のポイントを意識してみましょう。

  1. 体を冷やさない工夫をする
    • 冷たい飲食物や冷やす性質のある食べ物の摂取を控えましょう
    • 喉が渇いていないのに水分を摂りすぎないよう注意しましょう
  2. 適度な運動を取り入れる
    • 体の熱を作り、エネルギーを消費することで、身体に「エネルギー補充の必要性」を感じさせましょう
    • ウォーキングや軽いストレッチなど、無理のない範囲で構いません
  3. 体を温める食材を取り入れる
    • ニラ、乾燥生姜などは体の芯部を温めてくれます
    • ダイコン、カブなどは消化を助けてくれます
  4. 体の潤いを補充する
    • 早めに就寝するよう心がけましょう
    • 黒ゴマやクコの実などの体を潤す食べ物を取り入れましょう
    • シソ、ダイコンなどの気の巡りを整える食べ物も効果的です

ちなみに、「ビールを飲むと食欲が出る」という方もいらっしゃいますが、これには理由があります。ビールの材料となる大麦と麦芽には、消化を助け、ストレスを解消してくれる働きがあるのです。アルコールなしでもこれらの食材を活用すると、ストレスによる食欲不振の改善に役立ちます。

無理して食べることは止めましょう

「夕食を食べないと体に悪いのでは?」と心配して無理に食べると、かえって体調を崩してしまうことがあります。体が食べ物を欲していない時に無理に食べると、消化器官に負担をかけることになります

食欲は体からの重要なサインです。空腹感がない時は、体が「今は消化する準備ができていない」と伝えているのかもしれません。特に夕方から夜にかけては、体は休息モードに入るため、消化活動を活発に行う時間ではありません。

軽い食事や消化のよいスープなどにして、胃腸に負担をかけないようにしましょう。また、朝食や昼食をしっかり摂ることで、一日のエネルギー配分を調整することも大切です。

夕方の食欲不振に効果が期待できる漢方薬

夕方の食欲不振には、体質改善のための漢方薬も効果的です。以下は特定の体質改善に効果が期待できる漢方薬の例です(あくまでこの体質の改善に効果が期待できる一般的な漢方薬であり、個人個人の体質や症状に合わせたものではありません)。

  • 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きを高め、消化機能を改善する漢方薬です。食欲不振や胃もたれに効果があります。
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):体力を回復させ、気の巡りを改善する漢方薬です。疲れやすく、食欲がない方に効果的です。
  • 四逆散(しぎゃくさん):ストレスによる気の流れの停滞を改善する漢方薬です。ストレスによる食欲不振に効果があります。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が見られないこともあります。ピヨの漢方では漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

夕方から夜にかけて食欲がなくなるのは、体の自然なリズムや体質が関係しています。無理に食べるのではなく、体の声に耳を傾けながら、根本的な体質改善を目指しましょう。

  • お腹の働きの低下、体の冷え、ストレスが食欲不振の主な原因
  • 体を温める食材や気の巡りを整える食材を取り入れる
  • 適度な運動で体の代謝を高める
  • 早めの就寝で体の回復を促す
  • 無理して食べるよりも体のサインを大切にする

日々の小さな習慣の積み重ねが、健康的な食欲を取り戻す鍵となります。一人ひとり体質は異なりますので、ご自身の体と対話しながら、最適な方法を見つけていきましょう。

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ピヨ先生
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