タイムは古くから料理や薬用として世界中で愛されてきたハーブです。シソ科イブキジャコウソウ属に属し、約350種もの品種が存在します。特にコモンタイムは最も広く使われている品種で、その爽やかな香りと多彩な効能から、料理の香り付けだけでなく、薬膳でも重宝されてきました。
今回は、そんなタイムの基本情報から活用法、注意点までを詳しくご紹介します。日常生活に取り入れやすいハーブですので、ぜひこの記事を参考に、タイムの魅力を存分に味わってみましょう。
タイムとは何ですか?(基本情報)
タイムは、シソ科イブキジャコウソウ属の多年生ハーブです。小さな葉が密生し、茎が木質化する常緑性の植物で、6月18日が誕生花として知られています。
タイムの香りは種類や品種によって異なり、柑橘系や甘い香り、清涼感のあるものまでさまざまです。
性味/帰経
- 性味:平、辛、苦
- 帰経:肺、大腸
タイムは全草を薬用として使います。日当たりと水はけの良い場所を好み、庭の縁取りやコンテナの寄せ植え、石組みの間などでの栽培に適しています。乾燥に強く多湿を嫌うため、水やりは控えめにし、風通しの良い場所で育てることがポイントですよ。
タイムにはどのような効能がありますか?
タイムには様々な効能があり、伝統医学と現代医学の両面から高く評価されています。
中医学での効能
- 祛風解表(風邪の症状を和らげる)
- 行気止痛(気の流れを整え、痛みを止める)
- 止咳(咳を鎮める)
- 降圧(血圧を下げる)
これらの効能により、感冒、咳嗽、頭痛、歯痛、消化不良、急性胃腸炎、高血圧などの症状に用いられてきました。
現代的な研究による効能
タイム全草には揮発油が含まれており、その主成分は以下の通りです:
- チモール
- カルバクロール
- リナロール
- スコポレチン
- ボルネオール
また、フラボノイド類や、α-ピネン、カンフェン、ユーカリプトール、1-オクテン-3-オール、テルピネオールなども含有しています。
これらの成分により、タイムには以下のような効果が期待できます:
- 抗菌・防腐作用:強力な抗菌作用があり、料理に使えば食中毒を予防することができます
- 消化促進:胃のむかつきやもたれの解消に効果があります
- 咳止め・痰を取る効果:咳や痰を鎮める働きがあります
- リラックス効果:アロマテラピーとして使用すると、リラックス効果が得られます
タイムはどのように活用できますか?
タイムは料理から薬用、アロマテラピーまで幅広く活用できるハーブです。
薬用・その他の活用法
- ハーブティーとして飲用(疲労回復、情緒安定、睡眠の質向上、不安感の軽減に役立ちます)
- 入浴剤として使用(神経痛などの緩和に効果的と言われています)
- アロマテラピーやポプリとして利用
- 自家製の調味料やソースの材料として活用
タイムを使用する際の注意点は何ですか?
タイムは多くの人に安全ですが、いくつかの注意点があります。
使用上の注意
- 他の薬物との相互作用の可能性がありますので、薬を服用中の方は医師や薬剤師に相談してください
- 正しい用量を守りましょう(過剰摂取は避けること)
- 品質の良いものを選びましょう
禁忌・慎重投与
- 気虚(気が不足している状態)の方は慎重に使用してください
- 理由:タイムは辛味があり、気を消耗させる作用があるため、気虚の方が多量に服用すると症状が悪化する可能性があります
- 陰虚内熱(陰が不足し内部に熱がこもった状態)の方
- 脾胃虚寒(脾と胃が弱く冷えている状態)の方
- アレルギー体質の方
タイムについてのまとめ
タイムは、料理の香り付けから薬用まで幅広く活用できる優れたハーブです。祛風解表、行気止痛、止咳、降圧などの効能を持ち、感冒、咳嗽、頭痛、消化不良、高血圧などの症状に効果があるとされています。
現代研究により、タイムに含まれるチモールやカルバクロールなどの成分が、抗菌・防腐作用や消化促進、咳止めなどの効果を持つことが明らかになっています。
料理では肉や魚との相性が良く、特に魚料理には欠かせないハーブとして知られています。また、ハーブティーや入浴剤、アロマテラピーなどにも活用でき、日常生活に取り入れやすいハーブです。
タイムは古くから人々の健康と生活を支えてきたハーブであり、その多彩な効能と使い方を知ることで、より豊かな生活を送るお手伝いができることでしょう。ぜひ、日常生活にタイムを取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考文献

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