朝起きた時の倦怠感が強く頭痛になる方の体質の特徴と自然療法

疲れやすい
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

倦怠感にお悩みの方から

質問をいただきましたよ。

皆さん、朝起きた時の倦怠感や、昼間なのに強い眠気に悩まされていませんか?また、むくみやイライラ、頭痛に悩まされることはありませんか?

実は、これらの症状は漢方医学的に見ると、体内の「気・血・水」のバランスが崩れていることが原因かもしれません。特に、朝の方がしんどいという症状は、エネルギーである「気」の巡りに問題があるサインです。

今回は、48歳女性の方の症例を通して、漢方医学的な体質分析と、自然な方法で体調を改善していく方法をご紹介します。ご自身の症状と照らし合わせてみてください。

外見的な特徴とお悩みの症状

まずはこの方の基本情報と症状をご紹介します。

  • 年齢・性別: 48歳・女性
  • 身長: 160cm
  • 体重: 53kg
  • BMI: 20.7

外見的特徴:

  • 顔色は黄色が強い
  • 舌の色は白っぽい
  • 舌に歯の痕がある
  • 舌の苔の上の水分が水っぽい
  • 舌の裏の静脈が太く膨らんでいる

主な症状:

  • 倦怠感、眠りが浅く昼間に眠い
  • むくみ、イライラ
  • 偏頭痛発作、緊張型頭痛も頻繁にある
  • ガスが溜まりやすく、膨満感がある
  • 食べなくても痩せない
  • 25年前に卵巣嚢腫で片方を摘出(もう一方もなりかけており経過観察中)
  • 自律神経失調症
  • 朝起きた時の倦怠感
  • 夕方より朝の方がしんどい

朝の倦怠感はなぜ起こるのでしょうか?

朝の倦怠感が夕方より強いというのは、漢方医学的に見るとどのような意味があるのでしょうか?

この症状からは、「気」が量的に不足しているか、「気」の巡りが悪くて必要な場所に届いていない状態が考えられます。漢方医学では、「気」は午前中から午後にかけて少しずつ勢いを増していくと考えられています。

朝はまだ「気」の勢いが弱い時間帯です。この時間帯に「気」の動きを邪魔するものがあると、エネルギーの流れがスムーズに始まらず、正しく巡ることができません。その結果、体のあちこちにエネルギーが届かず、疲れやだるさを感じるようになるのです。

この方の体質にはどんな特徴があるのでしょうか?

この方の場合、いくつかの特徴的な所見があります。

まず、顔色の黄色が強く、舌の色は白っぽく、寒がりという特徴から、「気血」を動かす原動力となる熱源の弱さが感じられます。つまり、体を温める力が不足しているのです。

また、舌に歯の痕があり、舌の苔の上の水分が水っぽく、全身にむくみがあることから、冷えによって水の動きが悪くなっていると考えられます。水分代謝に問題があり、体内の水分が停滞している状態です。

この熱源の不足によって水の巡りが悪くなり、あちこちに水分が停滞することで、特に朝の「気」の勢いが弱い時間帯には気血の動きが悪化し、体の必要な部位にエネルギーが届かないために倦怠感が強まると考えられます。

頭痛や膨満感の原因は何でしょうか?

この方はイライラしやすく、ゲップやガスが出ると楽になり、腹部の張りや苦しさも感じています。これらは「気の滞り」(気のめぐりが悪くなった状態)によって起きていると考えられます。

余分な水分などの邪魔するものと合わせて気の滞りもあるので、気血の巡りがさらに悪化する悪循環に陥っています。

また、卵巣嚢腫の経過観察中であること、舌の裏の静脈が太く膨らんでいること、経血の色が黒っぽくて塊があることから、血液の流れに勢いがないことがわかります。血液が上部へと十分に届けられないために、顔色の黄色さ、目の疲れや乾燥、不眠などの上部での「乾き」の症状が強く現れるのです。

冷えや気の滞り、そして余分な水分が邪魔することで、上部へと血液を十分に届けられず、さらに気の滞りの影響も加わって頭痛を引き起こしているのです。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状を見ると、体内には動きの悪くなった水分が停滞しているように感じられます。雨の日に体調が悪くなったり、喉が渇いても水を飲みたくないという症状があれば、この傾向はさらに強いでしょう。

食べなくても痩せないのは、体の「水はけ」が悪い状態にあるからだと考えられます。このような体質改善には、適度な運動が効果的です。

運動によって体に熱を作ることで、気血の巡りの原動力が強まり、気の滞りも解消されていきます。もし運動不足かもしれないと感じるなら、近所を軽く散歩するなど、軽く汗ばむ程度の運動がおすすめです。

体を温めながら水分の巡りを良くするには、以下のような工夫も効果的です:

  • 朝起きたらぬるま湯を飲む習慣をつける
  • 体を冷やす食べ物(生野菜、冷たい飲み物など)を控える
  • 半身浴や足湯で末端から体を温める
  • 腹式呼吸や軽いストレッチで気の巡りを促進する

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この方のような体質改善には、以下のような漢方薬が効果的かもしれません。ただし、これはあくまで「気血水のバランスが崩れ、水分代謝が悪く、気の滞りがある体質」の改善に効果が期待できる一般的な漢方薬のご紹介です。

  • 五苓散(ごれいさん): 水分代謝を促進し、むくみの改善や水毒(余分な水分)の排出を助ける漢方薬です。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 血の巡りを良くし、冷えやむくみ、頭痛などの症状に効果が期待できます。
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう): 気の滞りを改善し、イライラや不眠、自律神経の乱れに働きかける漢方薬です。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が十分でない場合があります。当店では専門の漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回ご紹介した48歳女性の方の症例から、「気血水」のバランスが崩れることで、様々な不調が生じることがわかりました。特に朝の倦怠感や頭痛、むくみなどの症状は、体内の水分代謝の悪さと気の巡りの滞りが大きく関係しています。

適度な運動で体を温め、気血の巡りを良くすることが、この体質改善の鍵となります。日常生活の中で少しずつ習慣を変えていくことで、体質は必ず改善していきますよ。

ご自身の体質や症状でお悩みの方は、ぜひ一度専門家に相談してみることをおすすめします。漢方医学の視点から見ると、様々な不調の原因が見えてくることがあります。

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