
こんにちは
どうなさいましたか?

頭痛にお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
頭痛でお困りの方、特に夕方になるとつらい症状が出てくる方は多いのではないでしょうか。実は東洋医学では、時間帯によって体内の「陰」と「陽」のバランスが変化すると考えられています。
この記事では、特に夕方から夜にかけての頭痛に悩まされる36歳女性の事例をもとに、東洋医学的な体質の特徴と改善法をご紹介します。日常生活の中で取り入れやすい自然療法や、症状を和らげるためのポイントもお伝えしますので、同じようなお悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 36歳・女性
- 身長:154cm
- 体重:44kg
- BMI:18.55
主な症状:
- 皮膚の乾燥
- 抜け毛が多い
- 舌が薄っぺらく、裏の静脈が細いが見える
- 舌苔の水分が水っぽい
- 舌に紫色が混じる
- 夕方になると頭痛が出現
- 季節の変わり目や雨の日に体調悪化
- 食欲不振と満腹感の乱れ
- 顔や指のむくみ
- 空腹時のイライラ、フラつき
- 足先の冷え
- 眼精疲労、ドライアイ、クマ
- 不眠傾向
- 疲れやすさ(特に夕方)
- 首・肩のこり
- 過去に子宮内膜症の既往歴
東洋医学から見た時間帯と体質の関係
東洋医学では、一日の中でも時間帯によって体内の陰陽バランスが変化すると考えます。朝6時から夜6時までは「陽の時間」、夜6時から朝6時までは「陰の時間」とされています。
夕方から夜にかけては、体内でも変化が起こります。陽の力(動かす力、外側へ拡がる働き)が衰え、陰の力(鎮める力、内側へ向かう働き)が強まるのです。
ところが、体内の潤いが不足していると、陰の時間帯になったときに症状が顕著になります。相対的に過剰になった熱が上部へと浮き上がり、頭に集中してこもることで頭痛を引き起こすことがあるのです。
この方の体質的な特徴は?
この方の場合、いくつかの特徴から「血の不足」が感じられます。BMIの状態、皮膚の乾燥、抜け毛の多さ、舌の薄さなどがその兆候です。つまり、体内で栄養を「作る働き」に負担がかかっている状態といえるでしょう。
また、過去の子宮内膜症の既往歴や、舌の状態、経血の色、手足の冷えなどから、「冷え」を背景とした血行不良の状態がうかがえます。血の巡りがスムーズではないのです。
さらに食後の腹部膨満感やイライラ、肩こりなどの症状から、「気の巡り」が上昇に偏っていることがわかります。しかし、持ち上げる力の不足や血の不足により、必要な潤いが届けられず、気だけが上昇して頭痛となっているようです。
雨の日や季節の変わり目に悪化するのはなぜ?
雨の日など湿度の高い日には、体内の巡りに負担がかかります。そのため、血を持ち上げる力の不足がより目立ち、気だけが上昇しやすくなるのです。
また、季節の変わり目などの外部環境の変化に対応するのは、東洋医学でいう「肝気」の役割です。しかし気の滞りがあると、外部の変化に適応できなくなり、滞りの症状が強まって上手く拡がることができません。
その結果、体の上部ではドライアイや不眠など乾きの症状となり、乾きに加えて気や熱だけが上昇することで頭痛を引き起こしているのでしょう。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
現在続けられているウォーキングとストレッチは非常に良い習慣です。そのまま継続されることをお勧めします。
ただ気になるのは、問診票で「喉の渇きがない」にチェックがあったことです。以下のような症状からも、余分な水分の停滞が見られます:
- 顔や指のむくみ
- 夜間尿の一回量が多い
- 頭の重さ
- 舌苔の上の水分が水っぽい
これらの水の停滞によって、必要な血の運行が阻害され、頭痛などの体調不良を引き起こしている可能性があります。水分の摂り方に工夫が必要かもしれません。
体が必要とする以上に水分を摂取していると、巡らせる仕組みに負担がかかり、喉の渇きを感じなくなっている可能性があります。もし飲みすぎかもしれないと感じるなら、熱中症の季節以外は喉の渇きを感じてから飲むようにするなど、水分摂取の仕方を見直してみることをお勧めします。
この体質改善に効果が期待できる漢方薬
この方のような体質の改善に効果が期待できる漢方薬をいくつかご紹介します。ただし、これはあくまで一般的な情報であり、個人の体質や症状に合わせた処方ではありませんのでご注意ください。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血の不足と水の巡りの悪さを同時に改善する漢方薬。冷えやむくみ、頭痛などの症状に効果が期待できます。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):肝気の巡りを改善し、イライラや不眠、頭痛などの症状を和らげる効果があります。
- 五苓散(ごれいさん):水の巡りを整え、むくみや頭重感の改善に効果が期待できる漢方薬です。
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が十分に得られないこともあります。当店では専門家による漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
夕方の頭痛に悩まされる方の多くは、東洋医学的に見ると「血の不足」と「気の上昇」という不均衡が生じています。時間帯によって変化する陰陽のバランスが崩れ、症状として現れるのです。
体質改善のポイントは:
- 適度な運動(ウォーキング、ストレッチ)の継続
- 水分摂取の見直し(喉の渇きを目安に)
- 季節の変わり目や雨の日は特に養生を心がける
- 適切な漢方薬の活用を検討する
日常生活の小さな習慣の見直しから始めて、徐々に体質改善を目指しましょう。長年の不調は一朝一夕に改善するものではありませんが、正しい方向性で取り組むことで、確実に体質は変わっていきます。
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