
こんにちは
どうなさいましたか?

ADHDにお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
ADHDの症状に悩む方にとって、日常生活での困難は想像以上のものがあります。特に睡眠中も交感神経が優位になってしまうケースでは、十分な休息が得られず、さらに症状が悪化することも。
今回は、漢方医学の観点からADHDの症状と体質の関係性、そして自然療法によるアプローチ方法について詳しく解説します。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 43歳・女性
- 身長:154cm
- 体重:50kg
- BMI:21.08
- 舌の色が白い
- ADHDで精神科通院中
- 睡眠中も交感神経が優位
ADHDとはどのような状態なのでしょうか?
ADHDとは、注意欠如・多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)の略で、以下のような特徴を持つ発達障害の一つです。
- 気が散りやすい
- 落ち着きがない
- 自分の行動を抑えられない
これらの特徴によって、日常生活においてミスが目立ち、様々な場面で支障を感じることがあります。
この方の体質にはどのような特徴があるのでしょうか?
この方は睡眠中も交感神経が優位な状態が続いています。漢方医学的に見ると、ADHDは脳の器質的な異常と考え、特に「腎陰」(じんいん:体を潤す水分や冷却機能を担う要素)との関わりに注目する必要があります。
気が散りやすく落ち着きがないという症状は、脳の働きを調整している「心気」(しんき:精神活動を司るエネルギー)の乱れが原因と考えられます。この乱れは、腎陰の不足から生じていると推測できます。
腎陰が不足すると、体を冷やす「冷却水」が足りない状態になるため、心気の働きを適切に制御できなくなります。その結果、活動過剰になり、交感神経優位の状態と一致するのです。
腎陰の不足が原因なのでしょうか?
この方には腎陰不足を示す様々な兆候が見られます:
- 舌の色が白っぽい
- 筋肉が痙攣しやすく、つりやすい
- 夜間睡眠中に汗が出る
これらは血や潤いの不足を感じさせる症状です。また、日本人の平均より早い時期での閉経や、耳鳴り・難聴がある場合は、腎気(じんき:生命エネルギーの基本となる力)の弱さが感じられます。
さらに、食欲不振や少食などお腹の働きの低下に加え、腎気の弱さが重なることで、血の生成も不足します。そして血をうまく体内に運び上げることができなくなるため、心気の働きを穏やかに保つことが難しくなっているのかもしれません。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
頭にこもってしまった気や熱を引き降ろし、必要な血を届けるために、適度な運動がおすすめです。以下の実践方法を試してみましょう:
意識的な散歩法
広場などで散歩をする際に、呼吸に意識を向けます。頭の中で考えが湧き上がってきたことに気づいたら、すぐに呼吸に意識を戻すようにしましょう。この実践を続けることで、心気の働きが穏やかになってきます。
就寝前の丹田呼吸法
布団に入ってから眠るまでの間、おへその下の丹田(たんでん:東洋医学で重要なエネルギーの中心とされる部位)に手を当て、そこに意識を集中しながら呼吸を続けます。これにより上部にこもった気が降りてきます。
この実践中も、考えに巻き込まれそうになったと気づいたら、すぐに丹田と呼吸に意識を戻すようにすると、考えの空回りが治まりやすくなります。
腎陰不足改善に効果が期待できる漢方薬
以下は腎陰不足の改善に効果が期待できる代表的な漢方薬です。ただし、これはあくまで一般的な情報であり、この方に特定の漢方薬を推奨するものではありません。
- 六味地黄丸(ろくみじおうがん):腎陰を補い、のぼせや熱感を鎮める効果があります
- 知柏地黄丸(ちばくじおうがん):六味地黄丸に清熱作用を加えた処方で、熱感が強い腎陰虚に適しています
- 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん):目の疲れや頭痛を伴う腎陰虚に効果的です
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいこともあります。当店では専門的な漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
ADHDの症状には、漢方医学的に見ると腎陰不足が関わっていることが多いようです。適切な自然療法と生活習慣の改善によって、症状の緩和が期待できます。
自分のペースで無理なく、呼吸を意識した散歩や丹田呼吸法を取り入れてみてください。継続することで、少しずつ心と体のバランスが整っていくでしょう。
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