
こんにちは
どうなさいましたか?

頭痛にお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
皆さん、日々の生活の中で「なんとなく体調が優れない」と感じることはありませんか?特に長時間のデスクワークや忙しい日々を送る女性の中には、肩こりからの頭痛や足のむくみに悩まされる方も少なくありません。
東洋医学では、こうした症状は単なる局所的な問題ではなく、体全体の「気血の流れ」のバランスが崩れた結果として考えます。今回は、そんな悩みを抱える28歳女性の事例をもとに、体質の特徴と改善法についてご紹介します。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:28歳
- 性別:女性
- 身長:160cm
- 体重:75kg
- BMI:29.3
主な症状:
- 肩こりからの頭痛
- 足の浮腫みがひどい
- 夜中に顔や首周りの火照りを感じる
- 喉の渇き
- 長時間のデスクワークや外出後に症状が悪化
なぜ肩こりからの頭痛が起きるのでしょうか?
肩こりからの頭痛は、単なる筋肉の疲労だけではありません。東洋医学の視点から見ると、体内の何かが上に押し上げられて集中し、体の上部で充満することで「気血の流れ」(体内のエネルギーと血液の流れ)を阻害している可能性があります。
この方の場合、夜中に火照りを感じて喉が渇く、疲れると症状が悪化するという特徴から、体の熱を制御する「潤い」が不足していることが考えられます。
しかし一方で、足のむくみもあります。これは一見矛盾するようですが、実は重要なヒントなのです。
上部の潤い不足と下部の熱不足の関係性
この方の体質を詳しく見ていくと、体の上部には潤いの不足があり、体の下部には熱の不足がある状態と考えられます。つまり、水分を巡らせる働きに勢いがなく、吸収した水分を上部へと持ち上げることができていない状態です。
そのため、気や熱だけが上昇して頭部に押し寄せてしまい、頭痛につながっているのでしょう。また、以下のような症状も見られます:
- 2~3か月に1回の月経が2~3週間ほど続く
- 普通の硬さの便が何度も出る
- 立ちくらみやめまい、ふらつきが多い
これらの症状から、お腹の働きに負担がかかっていて水をきちんと巡らせられない様子が感じられます。さらに月経前に胸が張る、吐き気を感じるなどの症状から、気の巡りもあまり良くないことがわかります。
結果として、「力の不足」に加えて「気の滞り」によって熱が生じ、余計にこもった熱が上昇しやすくなって頭部へと集中し、頭痛を引き起こしているのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方のケースでは、まず生活習慣の改善が重要です。投稿された時間が夜中の1時頃ということからも、睡眠不足が体質に影響している可能性があります。
寝不足が続くと体の機能は徐々に疲労し、水分を動かす力も弱まります。すると吸収した栄養は下へと落ち込みやすくなり、むくみにつながります。同時に、潤いを作り出すための時間も不足し、体の渇きがますます悪化します。
対策としては:
- できるだけ早めに就寝する習慣をつける(たとえ眠れなくても体を休ませることが大切)
- スマホやパソコンの使用を就寝前に控え、明かりを暗くして自然な眠りを促す
- 喉の渇きを感じても一度にたくさん水を飲まず、少しずつ様子を見ながら飲む
特に水分摂取については注意が必要です。喉が渇いて水を飲んでも渇きが収まらない、次第に飲みたくなくなるという症状は、お腹の中の水の動きが悪くなって停滞している状態を示しています。
この体質の改善に期待できる漢方薬
この方のような「上部の潤い不足と下部の熱不足」の体質改善に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものがあります:
- 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の働きを高め、水分代謝を改善する効果が期待できます。気の巡りを良くし、滞りを解消します。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):気の滞りと熱の上昇を抑え、体内バランスを整える効果があります。女性特有の症状にも対応します。
- 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう):体内の熱を調整し、上半身の緊張を和らげる効果があります。
ただし、これらは特定の体質タイプに効果が期待できる漢方薬の一例であり、個人の症状が複雑な場合には単独では効果が得られないこともあります。当店では漢方相談も行っていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
肩こりからの頭痛や足のむくみ、夜間の火照りなどの症状は、東洋医学の視点から見ると「気血の流れ」のバランスの乱れに起因しています。特に今回のケースでは、体の上部の潤い不足と下部の熱不足という状態が、様々な不調を引き起こしていると考えられます。
睡眠習慣の改善や適切な水分摂取など、日常生活の中でできるケアを心がけることで、徐々に体質改善が期待できます。また、漢方薬の活用も一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
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