
こんにちは
どうなさいましたか?

肩こりにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
スマホやパソコンの使い過ぎで肩こりに悩まされていませんか?実は日本人の3分の2もの方が肩こりの症状を抱えているといわれています。単なる不快感だけでなく、慢性的な眼精疲労、頭痛、吐き気、めまいなど、生活の質を大きく下げる原因にもなっています。
今回は肩こりについて東洋医学的な視点から解説し、タイプ別の改善法をお伝えします。このお話を聞くことで、あなたの肩こりが改善するための小さなヒントが必ず見つかるはずです。
肩コリとは何か?なぜ起こるのか?
肩こりの症状は人によって様々です。首筋から背中、肩にかけての筋肉が、パンパンに張ったり、ずっしりと沈み込むように重だるくなったり、芯の方でギューッと締め付けられるように凝ったりします。
肩から背中にかけての筋肉は、腕や肩甲骨、そして6〜7kgもある頭を支えていますので、常に大きな負担がかかっています。
筋肉が活動するとき、グリコーゲンを分解してエネルギー源としています。以前は酸素が少ない状態でグリコーゲンを消費すると、乳酸が蓄積されて筋肉痛や筋肉疲労の原因になると言われてきました。
しかし最近では、乳酸そのものよりも、活動によってできた筋肉の断裂が適切に修復されないことが筋肉痛の原因ともいわれています。どちらにしても、血流が悪いことで筋肉に栄養が届けられず、不要物も回収できなくなると、肩こりの症状として現れるのです。
東洋医学から見た肩こりのメカニズム
東洋医学的に肩こりを考えてみましょう。肩や首の形状には特徴があります:
- 急に狭くなる:背中から首にかけては、4車線の道路が突然1車線になるように急に狭くなっています。このため流れが滞りやすく、何かが集中すると渋滞を起こしやすい形状です。
- 上にある:首や肩は立位で生活する人間にとって常に上部に位置しています。自然界の熱と同じように、体内の熱もコントロールを外れると上昇し、肩首に集中して流れを悪くします。また、肩の筋肉を維持するための気血の供給には、それを上に持ち上げるエネルギーが必要です。
- 頸椎に支えられている:肩こりには頸椎の状態も関わっています。頸椎を支える固有背筋は東洋医学では腎気が関係しています。腎気は筋肉の適度な緊張度を保つ働きがあり、老化や過労で腎気が衰えると、正しい姿勢を維持できなくなり、肩こりを引き起こします。
これらを踏まえると、肩こりの根本的な原因は「巡りの悪さ」にあります。マッサージで肩こりが軽くなるのも、滞っているものの流れが改善されるからなのです。
肩コリの原因別タイプと症状
東洋医学では、何が滞っているかによって肩こりの症状が変わると考えています。原因別に見ていきましょう。
1. 気の滞りによる肩こり
気(体内を流れるエネルギー)がストレスや集中の長期化によって一カ所に留まり、滞ると熱が生じて上昇します。
特徴的な症状:
- 外側へパンパンに膨らむような張りを伴う
- 首に熱感を感じる
- 顔が赤くなることがある
- 熱気球のように内側から外側へ膨張する感覚
2. 津液の充満による肩こり
津液(体を潤し熱を冷ます水分)は本来重く下に沈む性質があります。余分な水分摂取や体の冷えにより、水分が滞って渋滞すると問題が起きます。
特徴的な症状:
- ズーンと重く沈み込むようなだるさ
- 冷たい感じを伴うことがある
- 濡れタオルを首にかけているような感覚
3. 血の滞りによる肩こり
血(栄養や気を運ぶ液状物質)は鉄を含み比重が重いため、動かすには強い力が必要です。同じ姿勢の長時間維持などで血流が悪くなります。
特徴的な症状:
- 目の奥がジンジンとする
- 締め付けられるような痛みを伴う
- コルというより痛いと表現されることも多い
では、この方に、おススメの自然療法を教えて下さい
それぞれの原因別に、効果的な対策法をご紹介します。
気の滞りによる肩こりの改善法
ストレスや集中により気の伸びやかさが失われて起こっていますので、滞った気を解放する必要があります。
おすすめの対策:
- 深呼吸を行い、吐く呼吸を長めにする(副交感神経の活性化)
- 軽い瞑想を取り入れる
- 広々とした場所で気の向くままに体を動かす
- ゆとりある時間を意識して心を解きほぐす
効果的な食べ物:
- シソ、薄荷(はっか)
- かんきつ類
- そば、タマネギ
- ジャスミン茶
- 大根、蕪(かぶ)
- 麦芽
津液の充満による肩こりの改善法
体内の余分な水分を適切に管理することが大切です。
おすすめの対策:
- 喉の渇きを感じてから水分を摂る
- 一気に飲まず少量ずつこまめに飲む
- 空腹感があるときに食事をとる
- よく噛みながら腹八分目で食べる
- 軽く汗ばむ程度の運動を取り入れる
効果的な食べ物:
- 小豆、黒豆
- ハトムギ
- トウモロコシのひげ
血の滞りによる肩こりの改善法
同じ姿勢の継続による血液の滞りが原因なので、こまめな体の動きが重要です。
おすすめの対策:
- 同じ姿勢が続いたら、適度に休憩を取る
- 軽めの運動で血行を促進する
- 早めに寝て十分な睡眠をとる
- 夜更かしスマホは程ほどにする
効果的な食べ物:
- チンゲンサイ
- 納豆
- ヨモギ
肩こり体質に効果が期待できる漢方薬
肩こりの改善に効果が期待できる代表的な漢方薬をご紹介します。ただし、これらはあくまで一般的な肩こり体質の改善に効果が期待できるものであり、個人の症状に合わせた処方ではありません。
- 葛根湯(かっこんとう):首筋や肩のこりに効果的で、風邪の初期症状にも用いられる漢方薬です。特に首筋から肩にかけての張りや痛みを伴う場合に適しています。
- 五苓散(ごれいさん):冷えによる肩こりや痛みに効果的で、特に冷えて重だるい感じの肩こりに向いています。
- 大柴胡湯(だいさいことう):ストレスによる肩こりや精神的な不安を伴う場合に効果的です。気の乱れを整える作用があります。
症状が複雑な場合には、これらの漢方薬を単独で服用しても十分な効果が得られないことがあります。当店では個人の体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:あなたの肩こりタイプを知って適切なケアを
肩こりの根本原因は「巡りの悪さ」です。自分の肩こりがどのタイプか見極め、それぞれに合った対策を取ることで、効果的に改善できます。
気の滞りによる肩こりにはリラックスと気分転換を、津液の充満による肩こりには適切な水分・食事管理を、血の滞りによる肩こりには姿勢変換と睡眠改善を心がけましょう。
日常生活の中で意識的に取り入れる小さな習慣が、肩こりから解放される第一歩となります。あなたに合った方法を見つけて、肩こりのない快適な毎日を過ごしましょう。
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