
こんにちは
どうなさいましたか?

息苦しいことにお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
「胸が苦しい」「息がしづらい」と感じることはありませんか?特に仕事や日常のストレスが溜まると、こうした症状が悪化することがあります。実はこれ、東洋医学で言うところの「気の滞り」が原因かもしれません。
私たちの体は「気」が巡ることで健康を保っています。しかし、ストレスや生活習慣の乱れによって気の流れが滞ると、様々な不調が表れます。今回は、息苦しさに悩む30代女性の事例をもとに、気の巡りを改善する自然療法についてご紹介します。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 37歳の女性
- 身長は153cm
- 体重は53kg
- BMIは22.64
- 髪の毛が乾燥気味
- 舌の苔が厚い
- 胸が苦しくなる、息苦しさがある
- 仕事のストレスで症状が悪化する
息苦しさはなぜ起こるのでしょうか?
息苦しさの正体は「気の巡り」の問題です。健康な状態では、気が肺に上がり、そこから体の内部へと流れ、また肺へと戻るという循環が保たれています。この巡りがスムーズであれば、息苦しさを感じることはありません。
しかし、何らかの原因で気の巡りが悪くなると、息苦しさを感じるようになります。今回の女性の場合、仕事のストレスによって「気の滞り」が生じていると考えられます。
気の滞りがある方は、以下のような症状も併せて見られることが多いです:
- ゲップやガスが出ると楽になる
- 食後に腹部膨満感がある
- 肩こりが強い
この方の体質にはどんな特徴があるのでしょうか?
この女性の場合、体の上部に気が滞って「上へと向かう気の偏り」が生じています。肺まで上がった気が下へと降りてこられなくなり、息苦しさを引き起こしているのです。
また、気が上部に滞ることで、体の上部では熱や乾きが生じやすくなっています。そのため:
- 髪の毛の乾燥
- 目の疲れや乾き
- 立ちくらみ
- 不安感の増大
といった症状が表れています。
一方で、「寒がり」「足のむくみ」「口の粘り」「舌の苔の厚さ」から判断すると、体全体が熱い状態というわけではなさそうです。むしろ、気の滞りに「熱の不足」も加わり、体の循環がさらに悪化している可能性があります。
体の下部に十分な力が行き渡らないことで足のむくみが生じ、結果として気が下へ降りにくくなって息苦しさを感じているのでしょう。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
この方には、気の巡りを改善し、体に適度な熱を作るための自然療法をお勧めします。
1. 適度な散歩
広々とした公園などでゆっくり散歩することをお勧めします。これには以下のような効果があります:
- 気の巡りが改善される
- 体全体の血液循環が促進される
- ストレス解消効果がある
- 体に適度な熱を作る
2. 呼吸に意識を向ける瞑想法
散歩中や日常生活の中で、呼吸に意識を向ける時間を作りましょう。
- 仕事など嫌なことが頭に浮かんだら、歯を軽く噛み合わせて考えに巻き込まれないようにする
- 再び呼吸に意識を戻す
- この練習を繰り返すことで、頭の中が静かな時間が少しずつ増えていきます
- 呼吸法を行う際は「丹田」(おへその下あたりの腹部深部)に意識を向けると、気が下へと降りやすくなります
3. 横隔膜マッサージ
緊張やストレスによって、みぞおち周辺が硬くなり横隔膜がせり上がると、息苦しさを感じることがあります。
- 仰向けになる
- 横隔膜を押し下げるイメージで、やさしくお腹をマッサージする
- このマッサージで呼吸がしやすくなります
息苦しさに効果が期待できる漢方薬
以下は特定の「気滞」体質の改善に効果が期待できる漢方薬です。個人の体質に合わせた処方ではなく、一般的な情報としてご参考ください。
- 香蘇散(こうそさん):気の巡りを改善し、ストレスによる気分の落ち込みや胸の苦しさに効果があります
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):のどの異物感や胸のつかえ感、不安感の改善に用いられます
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):気の上昇を抑え、精神不安や動悸、不眠などに効果があります
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいことがあります。当店では漢方相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
息苦しさの原因は、気の巡りの悪さにあることが多いです。特にストレスで気が滞り、上部に偏ってしまうと、様々な不調が現れます。
日常生活に散歩や呼吸法を取り入れ、丹田に意識を向けることで、気を下へと降ろし、巡りを改善することができます。また、横隔膜のマッサージも息苦しさの緩和に効果的です。
これらの自然療法を継続的に行うことで、徐々に症状の改善が期待できます。ぜひ試してみてくださいね。
YouTubeでも解説しています。

ご自分の体質にあった
漢方薬を試してみたい方は
ピヨの漢方の漢方相談を
ご利用ください。
