香砂六君子湯と柴芍六君子湯の違いとそれぞれの使い方

漢方メモ
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

香砂六君子湯と柴芍六君子湯について知りたい
という質問をいただきましたよ。

漢方薬の世界には、胃腸の不調を改善する様々な処方があります。特に「六君子湯」とその派生処方である「香砂六君子湯」「柴芍六君子湯」は、胃腸の働きを整える代表的な漢方薬として知られています。

しかし、名前は似ていても、それぞれ異なる特徴を持ち、適した症状も少しずつ違います。今回は、これらの漢方薬の働きと特徴、使い分けについて詳しく解説します。

六君子湯とはどのような漢方薬ですか?

六君子湯は、お腹の働きを調整する「脾気(ひき)」をパワーアップさせることで、気の巡りを改善し滞りを解消します。その結果、腸管を動かす働きを順調にしてくれる漢方薬です。

主な効果:

  • 腸管の動きが停滞することで起きるお腹の張り
  • お腹の痛みの緩和
  • 気の滞りが腸管の動きを邪魔することで起きる吐き気や下痢の解消

六君子湯を基本として、香砂六君子湯には「香附子(こうぶし)」「縮砂(しゅくしゃ)」「藿香(かっこう)」が加わり、柴芍六君子湯には「柴胡(さいこ)」と「芍薬(しゃくやく)」が加わることで、それぞれ異なる特徴を持つようになります。

香砂六君子湯にはどんな特徴がありますか?

香砂六君子湯は、六君子湯に香附子、縮砂、藿香が加わることで、お腹の周囲の気の巡りをさらに強化した内容になっています。

これらの生薬はお腹の周辺を中心に気を巡らせながら、温めて乾燥させる働きがあるため、食べ物を吸収した後の運搬を応援してくれます。

こんな方におすすめ:

  • お腹の働きが弱っている方
  • 食べ過ぎや飲み過ぎなどで胃腸が冷えてしまった方
  • みぞおちの痞え(つかえ感)や吐き気がある方
  • 下痢や腹痛を感じる方

また、温めて乾かしながら穏やかに気の巡りを促してくれるので、頭が重く感じる方や気分が塞ぎがちな方の改善にも効果が期待できます。

柴芍六君子湯にはどんな特徴がありますか?

柴芍六君子湯は、六君子湯に柴胡、芍薬が加わることで、お腹はもちろんのこと、全体的な気の滞りの解消にも使うことができる内容になっています。

この2つの生薬が加わることで、こもって滞っている気を解放して巡りをつけてくれます。また、こもって過剰になっている気は潤いを補うことで穏やかになだめる効果もあります。

動きに関しても上下に巡りをつけてくれるので、停滞していた気が巡り出すようになります。

こんな方におすすめ:

  • ストレスなどによる気の滞りが強い方
  • お腹において気が滞って起きる胃痛がある方
  • 腹痛や吐き気に悩む方

使う際の注意点

香砂六君子湯は「益気化痰(えっきかたん)」「行気温中(ぎょうきおんちゅう)」の効能があります。六君子湯のお腹の気を巡らせる作用に加えて、乾かす作用や温める作用が加わりますので、食べ過ぎなどによりお腹の中に水分の停滞や少し冷えがあって痛みや張りになっている方が対象になると思います。

柴芍六君子湯は「健脾平肝(けんぴへいかん)」「化痰祛風(かたんきょふう)」の効能があります。ストレスを感じイライラしていて気の滞りがより強い方のお腹の張りなどを訴える方が対象になりそうです。

まとめ

六君子湯とその派生処方である香砂六君子湯と柴芍六君子湯は、それぞれに特徴的な生薬が加わることで、異なる症状に対応できるようになっています。

香砂六君子湯は、胃腸の冷えや水分停滞による不調に効果的で、温めて乾かす作用が特徴です。一方、柴芍六君子湯は、ストレスによる気の滞りが強い方のお腹の不調に適しています。

あなたの症状に合った漢方薬を選ぶことが大切ですので、自分の体質や症状をよく理解した上で選んでみてください。症状が複雑な場合には、単独では効果がない場合もありますので、漢方専門店での相談をおすすめします。

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