片頭痛と漢方:東洋医学的アプローチによる原因と対策

頭痛
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

頭痛にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

偏頭痛でお悩みの方は多いのではないでしょうか。肩こりから始まり、ズキズキと痛む頭痛に日常生活を妨げられている方も少なくありません。

今回は、20年以上偏頭痛に悩まされている51歳女性の体験談を通して、東洋医学的な視点から偏頭痛の原因と対策について解説します。頭痛の原因は人それぞれですが、この記事を読むことで、あなたの頭痛の原因を知るヒントになるかもしれません。

外見的な特徴とお悩みの症状

では、まずはこの方の体質や症状について見ていきましょう。

  • 51歳・女性
  • 身長:160cm
  • 体重:50kg
  • BMI:19.53

主な症状:

  • 20年程前から月に数回偏頭痛があり、天候に関係なく肩こりから始まる
  • 副鼻腔炎は30年程前からあり、下を向くと匂いがして、喉には痰が常に絡み、後鼻漏もある
  • 20年程前から腰痛があり、起床時が一番つらい
  • 顔色は赤ら顔で、髪の毛は乾燥
  • 舌は厚みがあって色は白く、歯の痕があり、苔の上は水っぽい

頭痛が起こる原因とは?東洋医学的な考え方

東洋医学では、頭痛に限らず痛みの原因は「通らないから痛み、通っていれば痛まない」と考えています。

つまり、頭痛が起きる原因は、頭へと通じる流れが阻害されていて、働きを支える必要な何かが通じていない状態なのです。

頭は体の上の方にあり、気血(体内を巡るエネルギーと血液)が届けられることで正常な機能を維持しています。この気血が届かなくなると痛みが生じるのです。

頭痛の種類と特徴

気が滞ると:

  • 風船が膨らんだかのように、気が外側へと出られずこもっている状態に
  • ガンガンと外側に膨らんでいくような張り感の強い吐き気を伴った頭痛になることがある

血が上昇すると:

  • ストレスや激しい怒りなどにより興奮すると、血が上昇して頭痛に
  • 拍動にあわせてズキンズキンとする、中心部に向かってえぐられるような感じのある頭痛
  • 芯部へと突き刺さって貫通するような痛みが出てくる

津液(体内水分)が充満すると:

  • 重だるさや腫れ感を感じさせるような頭痛に
  • 水風船が頭に乗っかったような、重だるく膨らんだような感じを伴う頭痛

また、気血が足りなくても頭痛になります:

  • 気が不足:ふらつき感や落ち込んだ感じを伴う頭痛
  • 血が不足:顔色が白い、髪の毛が乾燥するなどの異常がある
  • 津液が不足:熱を冷却する機能が低下し、火照るような感じを伴う頭痛

さらに、冷えによって気血が届けられなくなっても頭痛が生じます。冷えると血管が収縮し、気血の巡りが妨げられるためです。

この方の体質はどのタイプ?

この方の症状を分析すると、以下のような体質的特徴が見えてきます:

  1. 気の滞りと上方への偏り:20年もの長期にわたる肩こりと頭痛から、気が滞り、上方に押し上げる偏りがあります。
  2. 水分の偏在と充満:舌が厚く、苔の上が水っぽい、舌に歯の痕がある、汗が多い、足の浮腫みなどから、体内に余分な水分が充満しています。
  3. 気の巡りの滞り:食後の腹部膨満感、ガスが出ると楽になる、便秘傾向、喉の違和感、肩こりなどから、気の巡りに滞りがあります。
  4. 上部での湿熱の停滞:顔色が赤い、髪の毛が乾燥する、目の疲れや乾燥、湿疹ができやすい、膿みやすいことから、体の上方では滞った水とこもった熱が結びついて「湿熱」の状態になっています。これが副鼻腔炎や後鼻漏の原因にもなっています。
  5. 腎気への負担:腰痛や耳の聞こえにくさから、水を巡らせる働きを持つ「腎気」に負担がかかっている様子も伺えます。

まとめると、この方の体質は?

体の下部を中心に、動きの悪い水分が停滞しています。さらに、水分を動かす気は滞りがちで、上向きに偏った流れを作っています。それに巻き込まれて水分が上昇することで体の上部で充満し、こもっている熱と結びついているようです。

その水の充満と上向き過剰の気の流れが肩こりを生み、さらに気血の流れを強く阻害するほどになると頭痛となります。

また、結びついた水と熱はドロドロとした状態になるため、鼻の通りを悪くさせて副鼻腔炎となり、後鼻漏にもなります。

充満した水分と気の滞りは、朝の気の動き出し初めには勢いが出ないため、腰痛となって現れています。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の場合、体内の水分バランスを整えることと、気の巡りを改善することが重要です。

1. 水分摂取の見直し

喉の渇きがないにもかかわらず足の浮腫みや尿の回数が多いことから、体内に水分が充満しているようです。この状態では、水の巡りが悪くなりがちです。

おすすめの対策:

  • 喉の渇きを感じてから少量ずつ飲む習慣をつける
  • 一気に飲まず、少量ずつこまめに飲む
  • 冷たい飲み物や冷やす性質の食べ物を減らす

お風呂の水を循環させるために熱が必要なように、体内の水分(津液)を巡らせるためには体の芯部の熱が重要です。余分な水分が多すぎると、お風呂で「上は熱くても下は冷えている状態」のように、体内の巡りが悪くなってしまいます。

2. 適度な運動の継続

体を動かすことで、気の巡りが良くなり、水分の停滞も改善されます。

おすすめの対策:

  • 継続中のヨガを続ける
  • 近所の坂道を散歩する
  • 通勤などでは階段を積極的に使う
  • 日常生活に体を動かす機会を意識的に取り入れる

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

この体質の方には、以下のような漢方薬が効果的かもしれません。ただし、これらはあくまで気滞と水の停滞がある体質改善に効果が期待できる一般的な漢方薬であり、この方に特化したものではありません。

  • 五苓散(ごれいさん):体内の余分な水分を排出し、水の巡りを改善する漢方薬です。むくみや頭痛、めまいなどに効果が期待できます。
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):気の巡りを整え、上方への気の上昇を抑える働きがあります。イライラや不安感を伴う頭痛に効果が期待できます。
  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):めまいや頭痛、肩こりなどに用いられ、水毒(体内の余分な水分)の改善にも効果があります。

症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が不十分なこともあります。ピヨの漢方では、お一人おひとりの体質や症状に合わせた漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

偏頭痛の原因は、東洋医学的には「気血の巡りの滞り」が大きな要因です。体質によって偏頭痛の現れ方も異なりますが、この方のケースでは、体内の水分バランスの乱れと気の巡りの滞りが主な原因と考えられます。

日常生活では、適切な水分摂取と適度な運動を心がけることで、症状の改善が期待できます。また、漢方薬による体質改善も効果的でしょう。

偏頭痛でお悩みの方は、ぜひご自身の体質を知り、それに合った対策を取ることをおすすめします。

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