
こんにちは
どうなさいましたか?

胃の不調にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
初夏の訪れと共に、とても珍しい果物「ヤマモモ」をいただく機会がありました。この貴重な果実は、傷みが早いためスーパーではなかなか見かけませんが、見つけた時にはぜひジャムにして楽しんでいただきたい宝物のような食材です。
ヤマモモの美しい紅色は、現代栄養学ではアントシアニンなどのポリフェノールによるもので、強力な抗酸化作用が期待できます。中医学の視点からも、のどの渇きを癒し、胃腸の働きを整える優れた食材として知られています。
今回は、この貴重なヤマモモを使ったジャムのレシピと共に、薬膳効果について詳しくお伝えしていきますね。
ヤマモモジャムの食材が持つ薬膳パワーとは?
山桃(やまもも)
性味・帰経:
- 性味:酸・甘・温
- 帰経:脾・胃・肝
薬膳効果:
- 生津止渇:のどの渇きを潤し水分を補う
- 和胃止嘔:胃の調子を整え吐き気を止める
- 渋腸止瀉:腸を引き締めて下痢を改善する
山桃は酸味と甘味のバランスが良く、消化器系の調子を整える果物です。暑い時期の水分補給や軽い胃腸の不調時におすすめで、生食のほか煮詰めてシロップにしても効果的です。
甜菜(てんさい)
性味・帰経:
- 性味:涼・平・甘
- 帰経:肺・脾・胃・肝・腎
薬膳効果:
- 活血行瘀:血流を促進し血の滞りを改善する
- 清熱解毒:体内の熱と毒素を取り除く効果
- 寛胸下気:胸の詰まりを取り気の流れを良くする
レモン
性味・帰経:
- 性味:平(涼)、酸、甘
- 帰経:脾、胃、肺
薬膳効果:
- 生津止渇:体液を生み出しのどの渇きを止める
- 利肺潤喉:肺の働きを助け喉を潤す
- 開胃消食:胃を開き消化を促進する
- 安胎:妊娠中の不調を安定させる
レシピ紹介
材料(作りやすい分量)
- ヤマモモ 適量
- てんさい糖 煮汁+裏ごしした実の40%
- レモン汁 適量
- 水 適量
作り方
- ヤマモモをよく洗います
- 後で裏ごしするので、裏ごししやすいように、切れ目を入れます
- 鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れます
- 5分くらい煮ます。アクが出たら取ります
- 裏ごしして、種を取ります(時間がある方は、種のまわりの実も取ってください)
- 煮汁、裏ごしした実の重さを量り、てんさい糖を鍋に入れます
- 中火、30分くらい。吹きこぼれないように、絶えずかき混ぜてください
- とろみがつき、へらで混ぜると鍋底が見えるくらいまで、煮詰めます
- お好みでレモン汁を入れます
パンやヨーグルトなどにお使いください。
どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント
このヤマモモジャムは、特に胃腸の調子を整えたい方におすすめです。
こんな症状をお持ちの方に特におすすめ:
- 消化不良や胃もたれを感じやすい方
- のどが渇きやすく、水分を欲する方
- 軟便や下痢気味の方(収斂作用により改善が期待できます)
- 疲れやすく、エネルギー不足を感じる方
ヤマモモの温性の性質と収斂作用により、冷えによる胃腸の不調にも適しています。アントシアニンの抗酸化力が筋肉の疲労を抑え、運動による過酸化脂質を改善することも期待できるため、疲労回復にも役立ちます。
気をつけたい点と注意事項
ヤマモモは基本的に安全な食材ですが、以下の点にご注意ください。
摂取時の注意点:
- 長期間の大量摂取は避ける:元のレシピにもあるように、長期間食べると発熱し、歯や筋肉を損傷する可能性があるとされています
- 糖分の摂りすぎに注意:てんさい糖を使用しているため、糖尿病の方は摂取量にご注意ください
体質的には、余分な熱がこもりやすい体質の方は摂取量を控えめにすることをおすすめします。
まとめ
ヤマモモジャムは、珍しい初夏の果実の美味しさを楽しみながら、胃腸の調子を整え、抗酸化作用による美容効果も期待できる素晴らしい薬膳スイーツです。
特に消化器系の調子が気になる方、疲労回復を図りたい方、自然な甘さで体調を整えたい方にぜひおすすめしたいレシピです。
見かけることの少ないヤマモモですが、もし手に入る機会がありましたら、ぜひこの貴重な食材の薬膳効果を活かしたジャム作りに挑戦してみてくださいね。
このレシピの動画はこちらから(YouTube)
参考文献

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