
こんにちは
どうなさいましたか?

食欲不振にお悩みの方から
質問をいただきましたよ
「食べたいのに、食べると直ぐにお腹いっぱいになってしまう…」 「以前より明らかに食べられる量が減った…」
このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。食欲不振は単なる「食べたくない」という問題ではなく、体の様々な不調のサインかもしれません。
今回は、食欲不振ですぐに満腹感を感じてしまう方の体験談をもとに、東洋医学の視点からその原因と自然療法による改善法をご紹介します。
食欲不振で悩む方の体験談とは?
まずは、実際に食欲不振でお悩みの方の症状や体質的特徴を見ていきましょう。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 46歳女性
- 身長:153cm
- 体重:42kg
- BMI:17.94
主な症状:
- 食欲不振で早期に満腹感を感じる
- 不安感がある
- 息苦しさを感じる
- 不眠がある
これらの症状は、心配事がある時や、雨・気圧の変化、地震などで悪化するとのことです。
また、舌の状態を見ると、厚ぼったい形で白っぽい色をしており、歯の痕があります。舌苔は白くて厚く、部分的にはがれている箇所があり、舌の表面は水っぽい状態です。さらに、舌の裏の静脈は太く膨らんでいるとのことです。
顔色は黒ずみがちで、皮膚はベタベタした状態、顔には浮腫みが見られます。
食欲不振はなぜ起こるのか?東洋医学の視点から
東洋医学では、食べ物の消化・吸収・運搬のプロセスを「気」の働きで説明します。特に関わりが深いのは以下の3つです:
- 胃気:食べ物を受け入れ、分解し、下向きに運ぶ働き
- 脾気:栄養分を吸収し、上向きに運ぶ働き
- 肝気:腸の動きを調整し、栄養を全身に配る働き
これら3つが調和して働くことで、食べ物は適切に消化・吸収され、不要なものは排出されます。
しかし、肝気の巡りが悪くなると、様々な不調が現れます。肝気は主に筋肉の働きを微妙に調整することで、体内の物質の運搬を担っています。
肝気の巡りが悪くなるとどうなる?
肝気の巡りが滞ると、以下のような症状が現れることがあります:
- 腸の動きが滑らかでなくなり、食欲不振や満腹感が生じる
- ゲップや吐き気、場合によっては嘔吐が起こる
- お腹の張りや便秘になる
- 逆に肝気が過剰に働くと下痢になることも
特に食欲不振と早期満腹感については、以下のような原因が考えられます:
- 脾気(吸収力)と肝気(運搬力)の連携が上手くいかず、食べ物が体内で停滞する
- 吸収した栄養を全身に運ぶ力が弱く、すぐに「行き場がない」状態になる
- その結果、少し食べただけでも「もう満腹」と感じてしまう
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
今回の事例では、以下の体質的特徴が見られました:
- 体内に動きの悪い水分が充満している
- 同時に血や潤いの不足もある
- 気の巡りが滞っている
- 脳からの指令がお腹に正しく伝わっていない
これらの状態を改善するために、以下の自然療法がおすすめです:
1. 適度な運動を心がける
気の滞りを解消するために、軽く汗ばむ程度の運動を取り入れましょう。これにより:
- 体内の水分の巡りが良くなる
- 停滞感が改善する
- お腹の働きが活性化し、食欲が戻る
2. 自然に触れてリラックスする時間を作る
肝気は「心気」(心の状態)によってコントロールされています。不安や心配事があると、心気が過剰に働き、肝気にも不具合が生じます。
- 広々とした公園などで散歩をする
- 木々や風など、自然を感じながらリラックスする
- 自然の中でリラックスした状態を覚えておき、不安な時にその感覚を思い出す
3. 思考の空回りを止める工夫
不安や心配事で頭がいっぱいになると、それが食欲不振にもつながります:
- 頭の中でグルグル回っている考えを紙に書き出す
- 形にすることで思考の空回りを止める
4. 呼吸法と自己マッサージ
- 眠る前に丹田(おへその下)に意識を向けて、吐く息を長めにした呼吸をする
- 空腹時に、お腹の中で押すと気持ちよく感じる部位を中心に自分でマッサージをする
これらの方法は、お腹の緊張を緩め、食欲不振の改善につながります。
この体質に効果が期待できる漢方薬
なお、以下の漢方薬は食欲不振や気の滞りに効果が期待できるものです。ただし、これらは一般的な情報であり、個人の体質や症状に合わせた処方が必要です。
- 香蘇散(こうそさん):気の巡りを良くし、消化不良や食欲不振を改善
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃腸の不調、食欲不振、胃もたれに効果的
- 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の機能を高め、食欲不振や消化不良を改善
症状が複雑な場合には、単独の漢方薬では効果が現れにくいこともあります。当店では個々の体質に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:食欲不振の改善には心と体のバランスを
食欲不振ですぐに満腹になってしまう症状は、東洋医学的に見ると「気・血・水」のバランスの乱れ、特に肝気と脾気の働きの不調が関係しています。
日常生活では:
- 適度な運動
- 自然に触れてリラックスする時間
- 思考の整理
- リラックスした呼吸と自己マッサージ
これらを意識して取り入れることで、徐々に体のバランスを整え、食欲不振の改善につながります。
自分自身の体の声に耳を傾け、少しずつ変化を感じながら、心と体のバランスを取り戻していきましょう。
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