シソは日本の食文化において親しまれている薬草であり、その葉や実は古くから健康に良い効果があるとされています。
梅干しづくりに欠かせない食材ですが、なぜ使うようになったのかは不明な点も多いと言われています。
それは、刺身に添えられている事から分かりますように、解毒作用や殺菌作用を強めたいからとも、より赤く美味しそうな色にするために、入れたのではないかとも言われています。
シソを使った料理や生薬としての効能を知ることで、さらにその魅力を感じていただけるでしょう。ぜひ、日常生活に取り入れて、健康管理に役立ててください。
今回は、シソの実とシソの葉についてよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
シソの実はどのように食べると美味しいですか?
シソの実は、塩漬けや佃煮、醤油漬け、かき揚げなど、さまざまな方法で美味しく食べることができます。
シソの実は生薬としてどのような効果がありますか?
シソの実は「紫蘇子(しそし)」と呼ばれ、辛く温性の性質を持ちます。主な効能として、以下の作用があります。
【性味/帰経】
- 性味:温、辛
- 帰経:肺、大腸
- 下気消痰(かきしょうたん):痰を減らし、気道を広げる。
- 止咳平喘(しがいへいぜん):咳を抑え、呼吸を楽にする。
- 潤腸通便(じゅんちょうつうべん):腸を潤し、便秘を改善する。
シソの実はどのように咳や痰に効果があるのですか?
気道に痰が多いと、呼吸がしづらくなり咳の原因になります。紫蘇子は気の流れを整えながら痰を取り除くため、咳を鎮め、呼吸をスムーズにしてくれます。
シソの実は便秘にも良いと聞きましたが、本当ですか?
はい、紫蘇子は腸を潤す働きがあり、特に乾燥性の便秘に効果があります。肺の余分な水分を排出しながら、腸には潤いを与えるので、バランスを整えてくれます。
シソの葉にはどのような効能がありますか?
シソの葉は「蘇葉(そよう)」と呼ばれ、以下の効能があります。
【性味/帰経】
- 性味:温、辛
- 帰経:肺、脾、胃
- 発汗解表(はっかんかいひょう):発汗を促し、風邪の寒気や発熱を改善。
- 理気寛中(りきかんちゅう):胃腸の働きを整え、消化を助ける。
- 行気安胎(こうきあんたい):妊娠中の吐き気を和らげる。
- 解魚蟹毒(かいぎょかいどく):刺身などの食あたりを防ぐ。
シソの葉が風邪に良いのはなぜですか?
シソの葉には辛みと温める作用があり、気の巡りを良くして体を温めながら発汗を促します。そのため、寒気を伴う風邪や発熱の解消に役立ちます。
シソの葉は胃腸にも良いのですか?
はい。シソの葉は胃液の分泌を促し、胃腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にするため、消化を助け、食欲を増進させます。また、気の流れを整えて吐き気を防ぐ効果もあります。
刺身にシソの葉が添えられる理由は?
シソの葉には抗菌作用や防腐効果があり、食中毒の予防に役立ちます。また、胃腸の働きを整えるため、魚介類と一緒に食べることで消化を助ける効果も期待できます。
シソの茎にはどんな効果がありますか?
シソの茎は「蘇梗(そこう)」と呼ばれ、気の巡りを改善し、胃腸の働きを高めます。特に、妊娠中の悪心(むかつき)、嘔吐、下腹部痛の緩和に使われます。
【性味/帰経】
- 性味:温、辛
- 帰経:肺、脾、胃
シソを摂取する際の注意点はありますか?
いくつかの注意点があります。
- シソの実は気を下に引き降ろす作用があるため、気が不足している咳の人や下痢が続いている人は食べ過ぎに注意。
- シソの葉は発汗を促すため、体力が消耗している場合は摂りすぎないようにしましょう。
- シソの成分は揮発性が高いため、長時間煎じると効果が失われるので、短時間で煎じるか、生のまま刻んで食べるのがおすすめです。
シソは葉から実、茎まで余すことなく活用できる素晴らしい食材です。上手に取り入れて、健康管理に役立ててみてください!
まとめ
シソは日本の食卓でおなじみの食材ですが、その効能は私たちの想像以上に奥深いものがあります。葉(蘇葉)は風邪や胃腸の不調を改善し、実(紫蘇子)は咳を鎮め便通を促進し、茎(蘇梗)は気の滞りを解消します。
料理の彩りや風味付けとしてだけでなく、体調管理にも意識的に取り入れることで、シソの恵みを最大限に活かすことができるでしょう。ただし、体質や体調によっては食べ過ぎに注意が必要な場合もあります。
シソは全体として「気」の流れを整える働きを持ち、東洋医学の知恵が詰まった身近な植物です。季節の変わり目や体調不良を感じたときこそ、このシソの力を思い出して、日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。自然の恵みを生かした健康づくりの第一歩として、ぜひシソを見直してみてください。
参考文献

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