
こんにちは
どうなさいましたか?

ゲップやガスにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
「ゲップが頻繁に出る」「お腹のガスが止まらない」「お腹が張って苦しい」
このような症状でお悩みではありませんか?実は、これらの症状は現代人に非常に多く見られる消化器トラブルです。忙しい日常やストレス、不規則な食生活などが原因となって引き起こされることが多いのです。
今回は、35歳女性の方から寄せられた体験談をもとに、ゲップやガスが止まらない原因と、自然療法による改善法についてご紹介します。ご自身の症状と照らし合わせながら読んでみてください。
どんな症状で悩んでいるの?
今回ご相談いただいた方は、当初「おならがよく出る」ことに悩んでいたそうです。また、苦しくはないものの、お腹の張りが相当ある状態でした。
大根おろしヨーグルトを食べるようになってからは便秘は改善したものの、ガスやゲップは治らない状況が続いています。しかも、ガスは我慢できないような感じで、ゲップも「無限に出る」ような感覚があり、自分ではコントロールできない状態になっているとのことです。
胃腸が弱く、ビタミンC、プロテイン、コーヒーなども合わないとのこと。これらを摂取すると、ガスがさらに出やすくなるそうです。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 年齢:35歳(女性)
- 身長:160cm
- 体重:52kg
- BMI:20.31
主な症状:
- ゲップやガスが止まらない
- お腹の張りがある
- 便秘気味
- 胃腸が弱い
- 特定の食品(ビタミンC、プロテイン、コーヒーなど)を摂ると症状悪化
さらに、ご自身の観察によると、顔色は青白く、舌は長くて赤っぽい色をしており、舌苔(ぜったい)は黄色く水っぽいとのことです。
なぜゲップやガスが多く出るのでしょうか?
まず、ゲップやガスが多くてお腹が張る場合、様々な理由によって「気」が滞っていることで、腸管内で食べ物が停滞していると考えられます。
通常、食べ物は腸管の蠕動運動(ぜんどううんどう)によって下向きに運ばれ、消化吸収されます。不要になった食べ物は同じく蠕動運動によって体外へと排出されます。
しかし、何らかの理由で食べ物が腸管内に停滞してしまうと、停滞している間に腸内細菌によって発酵が進み、ガスが発生します。そのガスが充満してある一定の圧に達すると、上向きに出口を求めるとゲップに、下向きに運ばれるとおならとなって出ていくのです。
お腹の弱りが原因かもしれません
お腹が弱っていると、食べ物を上手く吸収できなくなるだけでなく、腸管を動かす力そのものも弱ってしまうため、食べ物が停滞しやすくなります。
この方の場合は、「食欲がない」「多く食べられない」「立ちくらみしやすい」「便が毎日出る時は柔らかめ」「胃腸が弱い」「コーヒーなどが合わない」などの症状から、確かにお腹の弱さがあると考えられます。
ただし、全身の倦怠感や食後の胃の不快感はないようで、便秘になる時は普通の硬さになっているとのことから、ある程度の吸収力は保たれているとも考えられます。
ストレスによる影響も考えられます
ストレスなどによって腸管の動きを調整する働きに不具合が生じると、腸管が強く緊張して蠕動運動がうまくできなくなります。
これは交感神経が優位になった時の腸管の動きと似た状態で、動きが減って便秘がちになります。
この方の場合、「お腹が張る」「便秘がある」などの症状から、ストレスの影響も多少はありそうですが、原因の中心となるほど強い滞りがあるわけではなさそうです。
ただし、舌の色が赤く、舌苔が黄色いことから、体内では気の滞りによって「こもった熱」が生じているようです。
体が処理できる以上の摂取も原因になります
お腹が弱くなくても、ストレスをあまり感じていなくても、お腹が処理できる以上に食べ物が入ってくると、腸内で停滞するようになります。
これは例えば、1トンのものを運べる車に2トンの重さのものを載せて走ると車が故障するのと同じです。その人が処理できる以上の食べ物を食べ続けると、食べ物はどんどん体内に蓄積し、お腹の働きも故障しやすくなります。
この方の場合、「食欲がなく多く食べられない」「喉が渇いていないけれど水分を飲むようにしている」「足や顔が浮腫む」「小便の回数は6回で量は普通」とあります。
つまり、食欲がないのに食べるようにしている、喉が渇かないのに水分をとるようにしていることから、体が必要としている量以上に食べ物や水分が摂取されていると考えられます。
本来、体は次のエネルギーや材料が必要になった時に、空腹感やのどの渇きとして知らせてくれます。しかし、それらの「体の声」を無視して食べたり飲んだりすると、お腹の中に余分なものが充満してしまいます。
この方の場合、毎日便が出る時は柔らかめ程度で、尿の回数も量も普通とのことから、摂取したものはしっかり体内に吸収されているようです。それらが行き場を失って、顔や足のむくみとなって現れていると考えられます。
症状が悪化するタイミングにも注目
この方のゲップやガスが悪化するのは「便秘のとき」「生理前」「夕方」とのことです。
便秘の時は腸管が動いていない状態なので、当然お腹の中に食べ物が停滞しやすくなります。
生理前は、妊娠の準備のために子宮へと濃厚な気血が下りてくる状態です。そのため、お腹周辺では普段よりも濃厚なものが充満し、気血の流れが窮屈になるため、腸管も動きにくくなります。
また、夕方は腸管を動かすエネルギーが弱ってくる時間帯です。朝は身体を動かす「気」のエネルギーが満タンですが、昼間の活動で消耗されてくると、腸管を動かす力も低下し、滞りがちになります。
この方の体質の特徴まとめ
「顔色が青白い」「声が小さい」「手足が冷える」「食欲がない」「多く食べられない」「立ちくらみしやすい」「毎日の便は柔らかめ」といった特徴から、もともとお腹の働きに弱さがあると考えられます。
そのため、食べたものを上手く吸収・運搬できず、食べ物がお腹の中に充満しやすい状況になっています。
さらに、「喉が渇かないのに水分を摂るようにしている」ことで、体内に余分な水分が停滞し、顔や足のむくみ、舌の苔が水っぽいといった症状につながっています。
これらが重なり、お腹の中に余分な食べ物が充満して滞ることで、お腹の張り、ゲップ、ガスが発生。それらの症状に悩むことがストレスとなって気が滞り、「こもった熱」が生じて、舌が赤く、苔が黄色くなっていると考えられます。
また、お腹の働きが弱いため、食べ物を吸収して体全体に必要なものを運搬できず、お腹の中心部に集中して広がれなくなっています。そのため、舌は細くなり、手足に栄養が配られずに冷え、頭部にも運搬されないことで「立ちくらみ」「夢が多い」「不安感」「忘れっぽさ」など、脳の働きが不安定になっているようです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
水分摂取の工夫
まず、水分の摂り方を工夫されるとよいでしょう。喉が渇いていないのに無理に水分を摂ることは避け、体が必要とするタイミングで適量を摂るようにしましょう。(ただし、熱中症が心配される時期は十分な水分補給が必要です。涼しくなってから取り組むことをおすすめします。)
食事の摂り方の改善
胃腸が弱いとのことですので、よく噛んで食べるようにしましょう。また、適度な運動を取り入れて、空腹感を感じてから食事をするようにすることも大切です。広い場所での運動は、気の滞りも解消してくれます。
温める食材の活用
大根おろしヨーグルトで便秘が良くなったとのことですが、大根もヨーグルトもお腹を冷やす性質があります。少量なら問題ありませんが、お腹が冷えると腸管の動きが悪くなり、食べ物が停滞しやすくなります。
そのため、お腹を温めて腸管の動きを改善する食べ物を取り入れましょう:
- ニラ
- クローブ
- ショウガ
これらをバランスよく食事に取り入れることで、腸の働きが活性化し、ガスやゲップの軽減が期待できます。
この体質に合う漢方薬
この記事でご紹介した体質の方には、以下のような漢方薬が改善に役立つ可能性があります:
- 六君子湯(りっくんしとう):胃腸の弱りや食欲不振、胃もたれなどに効果が期待できる漢方薬です。
- 大建中湯(だいけんちゅうとう):腹部の冷えや張りを改善し、腸の蠕動運動を促進する働きがあります。
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃腸の停滞感や胸やけ、げっぷなどに効果的とされています。
ただし、これらは一般的にこの体質の改善に効果が期待できる漢方薬であり、個人の症状が複雑な場合には単独では効果がない場合もあります。ピヨの漢方では、お一人おひとりの体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
ゲップやガスが止まらない、お腹が張るといった症状は、体質的な要因や生活習慣が複雑に絡み合って起こります。今回ご紹介したケースでは、お腹の弱さに加え、体が必要としている以上の食べ物や水分を摂取していることが主な原因と考えられました。
改善のためには、以下のポイントを意識してみましょう:
- 体の声に耳を傾け、空腹感や喉の渇きを感じてから食べたり飲んだりする
- よく噛んで食べ、消化を助ける
- 適度な運動で気の巡りを良くする
- お腹を温める食材を積極的に取り入れる
これらの自然療法を日常に取り入れることで、ゲップやガスの悩みが少しずつ改善されていくことを願っています。
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