
こんにちは
どうなさいましたか?

のどや口が渇くことにお悩みの方から
質問をいただきましたよ。
夜中に突然喉が渇いて目が覚めることはありませんか?水をいくら飲んでも渇きが収まらず、困っている方も多いのではないでしょうか。
特に体調を崩した後や治療後は、身体のバランスが崩れ、様々な不調が現れることがあります。中でも「夜間の喉の渇き」は、東洋医学的に見ると気や水分の巡りの乱れを示す重要なサインかもしれません。
今回は、リンパ腫治療後に夜間の喉の渇きに悩む47歳女性の事例を通して、東洋医学的な体質の特徴と改善方法についてご紹介します。同じようなお悩みを持つ方の参考になれば幸いです。
外見的な特徴とお悩みの症状
- 47歳・女性
- 163cm
- 60kg
- BMI:22.58
- 舌の裏が太く膨らんでいる
- 喉や口がすごく渇く(特に夜中)
- 濾胞性リンパ腫の治療歴あり(4〜5月に点滴治療)
- 横隔膜周辺のリンパ腫により呼吸困難があったが現在は改善
- 柴胡桂枝乾姜湯服用中
- 薬の効果が切れる時間帯に咳やみぞおち付近に不快感あり
- 慢性的な喉の渇き
夜間に喉が渇くのはなぜ?体質的な特徴を解説
夜中に喉や口が乾くという症状は、東洋医学の観点から見ると身体の中で何が起きているのかを教えてくれるサインです。
私たちが摂取した水分は、体の熱によって温められ、「気」によって導かれて血流に乗り、全身を潤しながら巡っていきます。しかし夜になると、体を温めたり活動させる「陽の力」が衰えてくるため、重い性質を持つ血液の動きが悪くなります。
その結果、体の隅々まで潤いが届かなくなり、口や喉が渇くことがあるのです。
この方の場合、舌の裏が太く膨らんでいるものの、舌に紫色が見られるわけでもなく、極端な血流の悪さは見られません。しかし、気の滞りによって血や水分の流れが阻害されている可能性があります。
気の滞りの兆候としては:
- 腹部の張りと不快感
- みぞおち付近の不快感
- 呼吸のしづらさ
また、気の滞りによってこもった熱が生じ、停滞している水分を「煮詰める」ことで、切れにくい黄色い痰となることもあります。このこもった熱が口や喉の渇きを引き起こしているのでしょう。
さらに、食欲不振や食後の腹部膨満感があることから、「脾気(ひき)」の弱りも考えられます。脾気には水分を巡らせる働きがあり、これが弱ると体内の水分が適切に運ばれなくなります。水分が停滞すると:
- 必要な場所に潤いが届かず、口や喉が渇く
- お腹の周囲に水が停滞し、みぞおちが重くなる
- 肺の周囲に水が停滞し、咳が出る
このような一連の症状が現れるのです。
ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい
このような気滞と水分停滞による夜間の喉の渇きには、日常生活での工夫が大変効果的です。
水分摂取の工夫
水の飲み方に注意されているとのことですので、ぜひ継続してください。ただ飲めばよいというわけではなく、適切なタイミングと温度で摂取することが重要です。
冷たい水よりも常温や白湯が望ましく、一度にたくさん飲むよりも少量をこまめに摂取する方が効果的ですね。
適度な運動
軽く汗ばむ程度の運動を心がけましょう。体を動かすことで全身の水分の巡りが良くなり、気の滞りも解消されます。お腹の働きも改善しやすくなるので、無理のない範囲で始めてみてはいかがでしょうか。
ウォーキングやストレッチ、軽いヨガなど、呼吸を意識しながら行える運動がおすすめです。
セルフマッサージ
お腹の張りや息切れがある方には、セルフマッサージが効果的です。時間に余裕がある時に、ご自身が気持ち良いと感じる範囲で行ってみましょう。
マッサージの方法:
- 深くゆったりとした呼吸を心がける
- 温かい手でお腹のしこりをほぐすようなイメージで優しくマッサージする
- 大腿部の前面や下肢の前面も丁寧にマッサージする(ここには胃と関係の深い経絡が通っています)
- ストレッチで筋肉を緩めるようにする
水分停滞に効果が期待できる漢方薬
この方の症状である気滞と水分停滞の改善に効果が期待できる漢方薬としては、以下のようなものがあります:
- 柴胡桂枝乾姜湯:気の巡りを改善し、水分代謝を促進する漢方薬。すでに服用されて効果を感じられているようですね。
- 五苓散:水分代謝を促進し、むくみや水滞を改善する漢方薬。特に夜間の喉の渇きに効果が期待できます。
- 半夏厚朴湯:気の滞りを改善し、みぞおちの不快感や咳を緩和する効果があります。
※これらは特定の体質の改善に効果が期待できる漢方薬の一例です。症状が複雑な場合には単独では効果がない場合もありますので、当店での漢方相談をご利用いただくことをおすすめします。
まとめ
夜間の喉の渇きは、気の滞りと水分停滞が原因となっていることが多いです。特に治療後は身体のバランスが崩れやすいため、東洋医学的なアプローチで根本から改善していくことが大切です。
今回ご紹介した方法を試してみて、症状が改善しない場合は、専門家に相談することをおすすめします。一人ひとりの体質や症状に合わせた適切なアドバイスを受けることで、より効果的に改善できるでしょう。
水分の摂り方、適度な運動、セルフマッサージなど、日常生活の中でできることから始めてみてくださいね。小さな変化の積み重ねが、大きな改善につながります。
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