皆さんは「鯰(なまず)」と聞くと何を思い浮かべますか?地震を予知する魚、または川底に住む大きなヒゲを持つ魚でしょうか。実は鯰は食材としてだけでなく、薬膳においても古くから重宝されてきた貴重な素材なのです。
日本では古くから食用として利用されており、特に江戸時代には高級食材として重宝されていました。現在でも様々な料理に活用され、その栄養価の高さから健康食材としても注目されています。
その独特の風味と栄養価の高さから、日本だけでなく東アジア全域で親しまれてきた鯰。今回は、普段あまり知られていない鯰の薬効や効能、そして正しい活用法についてご紹介します。健康維持や特定の症状の緩和に役立つかもしれない、鯰の隠された力を一緒に探っていきましょう。
鯰(なまず)とは?基本情報を教えてください
性味/帰経:
- 性味: 温、甘
- 帰経: 脾、胃、腎
つまり、体を温める性質があり、味は甘く、主に脾、胃、腎に作用するとされているのです。
鯰にはどのような薬効があるのですか?
鯰の主な薬効は「補虚滋陰利尿」です。これは体内の不足したエネルギーを補い、陰液(体液)を潤し、利尿作用を促進するという意味です。
主な効能
- 食欲不振の改善: 脾胃を温め、消化機能を高める作用があります
- 乳少(乳汁分泌不足)の改善: 授乳中の方の乳汁分泌を促進します
- むくみの解消: 体内の余分な水分を排出する作用があります
- 小便不利(排尿困難)の緩和: 利尿作用により排尿を促進します
鯰の美味しい食べ方を教えてください
鯰は様々な調理法で楽しむことができます。栄養価を最大限に活かす食べ方をいくつかご紹介します。
代表的な調理法
- 刺身: 新鮮な鯰の肉は、薄切りにして刺身として提供されます。淡白で繊細な味わいが楽しめます。
- 唐揚げ: 鯰の肉を一口大に切り、衣をつけて揚げた料理。外はカリッと、中はジューシーに仕上がります。
- 煮付け: 醤油、みりん、酒などで煮込んだ鯰の煮付けは、家庭料理として親しまれています。骨まで柔らかくなるまで煮込むと、カルシウムも摂取できますよ。
- 珍味: 鯰のひれを乾燥させた「ひれ酒」や、内臓を使った料理も伝統的に楽しまれています。
まとめ:鯰の持つ力を健康に活かそう
鯰(なまず)は単なる食材としてだけでなく、伝統医学における重要な素材でもあります。その温かい性質と栄養価の高さから、体を温め、エネルギーを補給し、利尿作用を促進するなど、様々な健康効果が期待できます。
主な効能をまとめると:
- 食欲不振の改善
- 乳汁分泌の促進
- むくみの解消
- 排尿困難の緩和
- 動脈硬化の予防や肝機能の強化(適切な食材との組み合わせで)
ただし、体質に合わせた摂取量を守ることが大切です。また、魚アレルギーのある方は注意が必要です。
鯰は様々な調理法で美味しく食べることができます。その豊富な栄養と薬効を活かして、日々の健康維持に役立ててみてはいかがでしょうか。伝統的な知恵と現代の食文化を融合させた鯰料理で、体の内側から健康をサポートしましょう。
参考文献

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