こんにちは、ピヨの漢方です。今日は和食に欠かせない薬味の一つであり、東洋医学でも重宝されている「ミョウガ(茗荷)」についてご紹介します。
夏バテ防止や風邪予防など、様々な健康効果を持つミョウガですが、その薬効について東洋医学の観点から詳しく解説していきます。ミョウガは単に料理の風味づけだけでなく、私たちの健康維持にも役立つ優れた食材なのです。
ミョウガとは?基本情報について教えてください
ミョウガは日本の食卓でおなじみの食材で、独特の香りと風味が特徴です。東洋医学では以下のように分類されています。
性味/帰経: 温性、辛味、芳香性 / 肺、大腸、膀胱
ミョウガは漬物、天ぷら、和え物など様々な調理法で美味しく食べられます。ピリッとした辛味と爽やかな香りが特徴で、夏の食欲増進に役立ちます。
日本では古くから食されてきた食材で、その薬効についても多くの知見が蓄積されています。
ミョウガにはどのような薬効がありますか?
東洋医学の観点からミョウガには主に4つの重要な働きがあります。
1. 発汗解表(はっかんげひょう)
ミョウガには発汗を促して寒気や喉の痛みを解消する効果があります。体の表面に冷えの性質を持つ「邪気」が居座ると、気血の流れが阻害され、寒気や喉の痛みを感じることがあります。
ミョウガの持つピリッとした辛味には、体を温めながら気血の巡りを良くして、邪気を外側へと発散させる作用があります。これにより、風邪の初期症状の改善に役立ちます。
2. 散寒通陽(さんかんつうよう)
ミョウガは月経痛や月経不順の改善を助けてくれます。体の内側が冷えると、血液の流れが阻害され、月経痛や月経不順を引き起こすことがあります。
ミョウガには体を温め、血管を拡張して血行を促進する働きがあり、冷えによる血液の滞りを改善する効果があります。また、ホルモンバランスを整える作用もあるとされ、更年期障害や冷え性の改善にも効果的です。
冷えによる腰痛や腹痛の緩和にも役立ちます。
3. 解毒散結(げどくさんけつ)
ミョウガには風邪や口内炎の予防効果があります。「ミョウガジアール」という辛み成分には抗菌作用や解毒作用があり、風邪の予防をはじめ、口内炎や喉の痛みを改善する効果があります。
また、発散作用や血流改善作用も相まって、一箇所に停滞して固まったものを除去する働きがあるため、腫れものの改善にも効果があるとされています。
4. 行気健脾(ぎょうきけんぴ)
ミョウガは夏バテの予防に役立ちます。ミョウガの香り成分には胃液の分泌を促し、食欲を増進する働きがあります。さらに、血行促進と発汗作用により体内にこもった熱を追い払い、夏の暑さで消耗した体を回復させる効果があります。
夏はエアコンの効いた部屋で冷たいものを摂りがちですが、これにより夏風邪や浮腫みのリスクが高まります。ミョウガは発汗を促し血流を改善することで、これらの症状を予防します。
また、抗菌作用があるため夏の食中毒予防にも効果的です。夏バテ防止のために積極的に摂りたい食材といえるでしょう。
ミョウガを食べる際の注意点はありますか?
ミョウガは多くの健康効果がある一方で、いくつかの注意点もあります。
- 保存方法: ミョウガは乾燥させると香り成分が飛んでしまうため、乾燥させないように保存することが重要です。冷蔵庫の野菜室でラップに包んで保存するのがおすすめです。
- 胃の弱い方への注意: ミョウガは胃液の分泌を促すため、逆流性食道炎などの症状がある方や胸焼けを起こしやすい方は摂取を控えるか、量を調整することをおすすめします。
- 物忘れについての俗説: 「ミョウガを食べると物忘れしやすくなる」という俗説がありますが、これは仏教に由来する言い伝えで科学的根拠はありません。実際には、ミョウガの香り成分によりリラックス効果が得られ、血液の巡りが改善するため、頭がすっきりして集中力が増すとされています。
- カリウム含有量: ミョウガには体内の塩分を排出するカリウムが多く含まれているため、高血圧予防にも役立ちますが、腎臓の機能が低下している方は医師に相談してから摂取することをおすすめします。
ミョウガの健康効果まとめ
ミョウガは東洋医学的には温性で辛味を持ち、以下の効能があります:
- 発汗解表: 風邪の初期症状や寒気、喉の痛みの緩和
- 散寒通陽: 月経痛や月経不順、冷え性の改善
- 解毒散結: 風邪や口内炎の予防、腫れものの改善
- 行気健脾: 夏バテ予防、食欲増進、消化促進
特に夏場は冷たいものの摂りすぎによる腸の不調改善に役立ち、体内の塩分を排出するカリウムを多く含むため高血圧予防にも効果的です。
日本の食文化に根付いたミョウガは、美味しさだけでなく、健康維持にも役立つ優れた食材です。季節の変わり目や夏バテ防止にぜひ積極的に取り入れてみてください。
参考文献

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