
こんにちは
どうなさいましたか?

むくみにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
「夕方になると足がパンパン…」「靴下の跡がなかなか消えない…」
そんなむくみのお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
むくみは見た目だけでなく、だるさや重さを感じる原因にもなりますね。
実は、漢方の世界では**むくみは「水の巡りの乱れ」**と考えます。
今回は、疲れやすく汗をかきやすい方のむくみにおすすめの漢方薬「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」についてご紹介します。
防已黄耆湯はどんな漢方薬ですか?
防已黄耆湯は、疲れを感じやすく、汗をかきやすい方のむくみに使われる漢方薬です。
体の水分の巡りを改善して、むくみや汗の出過ぎ、関節の腫れや痛みに効果が期待できます。
この漢方薬には、以下の6種類の生薬が配合されています。
- 黄耆(おうぎ): 体を温めて気を補う
- 白朮(びゃくじゅつ): お腹の働きを高める
- 防已(ぼうい): 余分な水分を排出する
- 甘草(かんぞう): 気を補い調和させる
- 大棗(たいそう): 胃腸を整える
- 生姜(しょうきょう): 体を温め消化を助ける
これらの生薬が協力して、**脾気(ひき)と肺気(はいき)**の働きを高め、水の巡りを整えてくれます。
どうしてむくみが良くなるのですか?
中医学では、体の中の水分は3つの「気」の働きによって巡ると考えます。
- 腎気(じんき): 水を巡らせる原動力
- 脾気(ひき): 水を運ぶ力を提供
- 肺気(はいき): 水の流れを制御
食べ過ぎや冷たいものの摂り過ぎで脾気の働きが弱ると、水分をうまく運べなくなります。
また、咳が長引いたり汗をかきすぎたりすると肺気が乱れ、水の流れがコントロールできなくなってしまいます。
その結果、余分な水分があちこちに停滞して、むくみが起こるのです。
防已黄耆湯は、この脾気と肺気の働きを高めてくれます。
黄耆と生姜が体を温めながら気を持ち上げ、防已が余分な水分を体の下へ引き込んで排出します。
白朮がお腹の働きを整え、汗腺の調整もしてくれるので、水の巡りの骨格が出来上がります。
さらに、甘草と大棗がお腹の中の働きを支え、気のエネルギーを充実させます。
ちなみに、防已黄耆湯は関節の腫れや痛みにも使われます。
これは、余分な水分が関節に停滞することで、気血の巡りが阻害されるためです。
水の巡りが改善すると、気血の流れも回復して、痛みが軽くなっていきます。
どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント
防已黄耆湯が向いているのは、こんな方です。
- 疲れやすく、体力に自信がない
- 汗をかきやすい、または汗が止まりにくい
- 足や顔がむくみやすい
- ぽっちゃり体型で、水太りタイプ
- 関節が腫れて痛むことがある
ただし、防已黄耆湯だけでは効果が出にくい場合もあります。
なぜなら、防已黄耆湯は脾気と肺気の働きを高めてくれますが、水の巡りの原動力となる腎気や、水を全身へ誘導する肝気の応援はしていないからです。
そのような場合には、体質に合わせた漢方薬を組み合わせることで効果が高まります。
冷えが強く、寒がりな方には「真武湯(しんぶとう)」
体が冷えていて、顔色が白っぽい方におすすめです。腎陽(じんよう)を高めて体の芯から温め、水の巡りに力強さを与えてくれます。
ストレスで気が滞りやすい方には「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」
イライラしやすい、気分の浮き沈みがある方に。肝気の滞りを解消し、気血の巡りを改善してくれます。
むくみや痛みがなかなか取れない方には「麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)」
体の表面に邪魔モノが入り込んで、水の巡りが滞っている場合に。気の流れを力強くして、筋肉の緊張も緩めてくれます。
まとめ
今回は、むくみに効く漢方薬として防已黄耆湯をご紹介しました。
防已黄耆湯は、脾気と肺気の働きを高めて水の巡りを改善し、疲れやすくむくみや汗の出過ぎでお悩みの方をサポートしてくれます。
ただし、水の巡りには腎気や肝気など、他の働きも深く関係しています。
症状が複雑な場合や、なかなか改善しない場合は、防已黄耆湯単独では効果が出にくいこともあります。
当店では、お一人おひとりの体質に合わせた漢方相談を行っております。
むくみでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
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