
こんにちは
どうなさいましたか?

めまいにお悩みの方から
質問をいただきましたよ
ふとした瞬間にクラッとする、立ち上がるとフワフワする…。そんなめまいに悩まされていませんか?
病院で検査をしても異常なしと言われたり、薬を飲んでも改善しなかったり。そんな方に試していただきたいのが、漢方薬による体質からのアプローチです。
今回ご紹介する**「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」**は、めまいに効果があるとされる代表的な漢方薬のひとつ。
この記事では、めまいが起こる原因から、苓桂朮甘湯がどうして効くのかまで、中医学の視点からやさしく解説していきますね。
めまいになる原因は何ですか?
中医学では、めまいは脳に十分な気血(きけつ)が届いていないことで起こると考えます。
気血とは、体を動かすエネルギーと栄養のこと。脳が正常に働くためには、この気血がしっかり届く必要があるのです。
では、なぜ気血が届かなくなるのでしょうか?主に3つの原因が考えられます。
1. ストレスや怒りによるもの
イライラや怒りが続くと、気血が頭の方へ激しく上がってしまいます。この状態が続くと体の潤いが消耗し、余分な熱が頭にこもってしまいます。その熱が脳の働きを乱すことで、めまいが起こります。
2. 体の弱さによるもの
お腹(胃腸)の働きが弱っていたり、病気で体力を消耗したりすると、気も血も作れなくなってしまいます。すると、体の上の方にある脳まで気血を届ける力が足りなくなり、めまいにつながります。
3. 気血の流れを邪魔するものがあるとき
これが今回のテーマに深く関わる原因です。
- 甘いものや味の濃いものの食べすぎ
- 脂っこいものやお酒の飲みすぎ
- 不規則な食事
- 過労や夜更かし
こうした生活が続くと、お腹が弱り、体が冷え、体の中にドロドロした余分な水分が溜まっていきます。
この余分な水分が気血の流れを邪魔することで、脳に栄養が届かなくなり、めまいが起こるのです。
苓桂朮甘湯はどんな漢方薬ですか?
苓桂朮甘湯は、お腹の中に溜まった余分な水分を取り除いて、めまいを解消してくれる漢方薬です。
4種類の生薬で構成されており、それぞれが協力し合って働きます。
- 茯苓(ぶくりょう): 余分な水分を巡らせて排出する
- 桂皮(けいひ): 体の芯を温めて気血の流れを良くする
- 白朮(びゃくじゅつ): お腹の働きを高めて水分代謝を助ける
- 甘草(かんぞう): お腹を整えて他の生薬の働きを調和させる
これらの生薬が一緒に働くことで、お腹に停滞した水分を動かし、体を温め、めまいの原因を取り除いていきます。
どうしてめまいが良くなるのですか?
苓桂朮甘湯がめまいに効くメカニズムを、もう少し詳しくご説明しますね。
お腹の中に余分な水分が溜まると、それが正しい気血の流れを邪魔してしまいます。すると脳に十分な栄養が届かなくなり、めまいが起こります。
さらに、この余分な水分が邪魔をすることで、本来は体の芯部にあるべき熱が頭の方へ浮き上がってしまうことがあります。これもめまいの原因になります。
苓桂朮甘湯では、次のような流れで改善していきます。
- 茯苓と白朮が協力して、お腹に溜まった余分な水分を巡らせて排出
- 桂皮が体の芯を温めることで、水の排出をサポート
- 桂皮が頭に浮き上がった熱を引き降ろして、本来の場所に戻す
- 甘草がお腹の働きを応援し、全体の働きを支える
このようにして、余分な水分を取り除きながら、気血の流れを整えることで、めまいを解消していくのです。
どんなタイプの人に向いている?体質別おすすめコメント
苓桂朮甘湯が合う方には、いくつかの特徴があります。ご自身に当てはまるかチェックしてみてくださいね。
お腹が張りやすい、重く感じる方 お腹の中に余分な水分が溜まっていると、張った感じや重だるさを感じやすくなります。食後に特にお腹が張る方は要チェックです。
舌の苔が白っぽく、水っぽい方 鏡で舌を見てみてください。舌の表面に白っぽい苔がついていて、なんとなく水っぽく見える方は、体の中に余分な水分が溜まっているサインかもしれません。
冷えやすいけれど顔だけのぼせる方 手足は冷えているのに、顔だけほてる…という方にも向いています。これは体の芯の熱が頭に浮き上がっている状態です。
立ちくらみやフワフワするめまいがある方 回転するようなめまいよりも、フワフワ・クラクラするタイプのめまいに効果的です。
まとめ
今回は、めまいに効果のある漢方薬として苓桂朮甘湯をご紹介しました。
めまいの原因には、ストレス、お腹の弱り、気血の流れを邪魔するものがある、という3つのタイプがあります。
苓桂朮甘湯は、お腹の中の余分な水分を排除して、体を穏やかに温めつつ、頭に浮き上がった熱を引き降ろす働きがあります。そのため、3番目の「邪魔するものがある」タイプのめまいに効果があるのです。
ただし、それぞれの生薬の働きは穏やかなため、苓桂朮甘湯だけで改善が難しい場合もあります。
また、漢方薬の効果を高めるためには、余分な水分を溜め込まない生活習慣も大切です。
- 冷たいものの食べすぎ・飲みすぎを控える
- 空腹感がないのに食事をしない
- 喉が渇いていないのに水をがぶ飲みしない
- よく噛んで食べる
こうした日々の心がけと漢方薬を組み合わせることで、体質から改善していくことができます。
症状が複雑な場合や、なかなか改善しない場合には、苓桂朮甘湯単独では効果が出にくいこともあります。 当店では漢方相談を行っておりますので、お気軽にご相談くださいね。
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