こんにちは!普段何気なく見ている「鯉」ですが、実はその栄養価と薬効で古来から薬膳で重宝されてきた素晴らしい食材なのをご存知でしょうか?
鯉といえば、端午の節句の「こいのぼり」や「登竜門」の故事で知られる縁起の良い魚。そんな鯉には、むくみの改善や母乳の分泌促進など、私たちの健康に役立つ驚くべき効能がたくさん隠されています。
今日はそんな鯉の薬効から料理法まで、東洋医学の視点からじっくりとご紹介したいと思います。普段の食卓に取り入れて、健康増進に役立ててみませんか?
鯉とは?その基本情報を教えてください
鯉はコイ科コイ属の魚で、非常に生命力が強く、環境適応力に優れた魚です。その歴史は古く、古代中国や日本では薬用・縁起物として重宝されてきました。
【性味と帰経】
- 性味:平、甘
- 帰経:脾、腎
性味が「平・甘」というのは、体を温めも冷やしもせず、緩やかに栄養を補給することを意味します。また「脾・腎」に作用するというのは、消化機能や水分代謝に関わる臓腑に効果的ということです。
鯉にはどんな薬効があるのですか?
東洋医学では、鯉には非常に価値のある薬効があるとされてきました。主に以下のような働きが認められています。
【鯉の主な働き】
- 利水消腫(りすいしょうしゅ)
- 余分な水分を排出し、むくみを改善します
- 尿が出ない症状や黄疸の改善に役立ちます
- 下気通乳(かきつうにゅう)
- 気の流れを整え、母乳の分泌を促進します
- 産後の女性の体調管理に昔から用いられてきました
- 健脾和胃(けんぴわい)
- 脾胃の働きを助け、消化機能を整えます
- 食欲減退や胃痛の改善に効果的です
- その他の効能
- 咳止め効果
- 安胎(妊娠を安定させる)作用
- 黄疸を退ける効果
- 精神を落ち着かせる効果
栄養面での特徴
鯉は低脂肪・高タンパクで意外とヘルシーな食材です。また、疲労回復や滋養強壮にも効果があるとされ、特に中国では妊婦や産後の女性に鯉スープを飲ませる風習が今も残っています。また目の健康のために魚の目を食べる習慣がありました。
鯉をどのように活用すればよいのでしょうか?
鯉は様々な調理法で薬効を活かすことができます。
家庭でできる便利な調理・保存法
- 鯉こく:血合いも生かせて栄養価も高い伝統的な味噌汁
- 甘露煮:圧力鍋で作れば骨まで食べられ、日持ちも良い
- アレンジレシピ:昆布締めや南蛮漬けにするのもおすすめ
- 調理のポイント:養殖ものならくさみも少なく、扱いやすいです
まとめ:鯉の薬効を日常に取り入れよう
鯉は単なる食材ではなく、東洋医学の知恵が詰まった素晴らしい薬膳食材です。利水消腫、母乳分泌促進、消化機能改善など、多岐にわたる効能を持っています。
特に以下のような症状がある方は、ぜひ鯉料理を取り入れてみてはいかがでしょうか?
- むくみが気になる方
- 母乳の出が悪いと感じている方
- 食欲不振や胃の調子が優れない方
- 妊娠中でむくみが気になる方
ただし、生食は避け、十分な加熱調理を心がけることと、体質や体調によっては合わない場合もありますので、体調に異変を感じたら医師に相談することをお忘れなく。
日本各地に伝わる郷土料理としての鯉料理を試してみるのも、日本の食文化を知る上で素晴らしい体験になるでしょう。ぜひ、この古来からの知恵を現代の食生活に取り入れてみてください。
参考文献

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