みなさん、スーパーでよく見かけるキウイフルーツ。その鮮やかな緑色の果肉と独特の酸味が特徴的な果物ですが、実は東洋医学的には様々な健康効果を持つ食材としての一面も持っています。
キウイフルーツは、もともと中国の長江流域に自生していた果物で、「中国グーズベリー」とも呼ばれていました。20世紀初頭にニュージーランドに導入され、品種改良が進められた後、ニュージーランドの国鳥である「キーウィ」にちなんで「キウイフルーツ」と名付けられ、世界中に広まりました。
今回は、普段何気なく食べているキウイフルーツの東洋医学的な効能や注意点について詳しく解説します。健康維持や体調管理にお役立てください。
キウイフルーツとは?東洋医学での基本情報
キウイフルーツは東洋医学では、どのように位置づけられているのでしょうか?
Q: キウイフルーツの性質や帰経はどのようなものですか?
性味/帰経
- 性味:寒、酸
- 帰経:腎、胃
キウイフルーツは「寒性」の食材であり、体を冷やす性質を持っています。また「酸味」があり、主に「腎経」と「胃経」に作用します。
東洋医学では食材の性質や味、作用する経絡(体内のエネルギーの流れる経路)を理解することで、その食材が持つ効能を体系的に捉えることができるんですよ。
キウイフルーツの主な薬効と効能
Q: キウイフルーツにはどのような健康効果がありますか?
キウイフルーツには主に以下の2つの働きがあります:
1. 清熱止渇(せいねつしかつ)
体の余分な熱を取り、のどの渇きを解消する効果があります。具体的には次のような症状に効果的です:
- 煩熱(体の熱によるイライラ)
- 口渇(喉の渇き)
キウイフルーツは熱を冷ますことで、イライラや微熱、高血圧を改善する効果も期待できます。
2. 降逆和胃(こうぎゃくわい)
胃の調子を整える働きがあり、以下のような症状に効果的です:
- 食欲不振
- 消化不良
特に、げっぷや胸やけなどの胃の不快症状を和らげる効果があります。また、キウイフルーツは豊富なビタミンCを含み、免疫力アップも期待できますよ。
3. 利尿通便(りにょうつうべん)
- むくみ解消
- 排尿困難
- 便秘
- 高血圧
カリウムが含まれているため、利尿作用を促進し、体液や老廃物を体外に排出するのに役立ちます。
Q: キウイフルーツの具体的な利用法や応用例は?
応用例:熱性便秘のための「キウイサラダ」
材料:
- キウイフルーツ(角切り)
- トマト(角切り)
- モロヘイヤ(塩ゆで)
- オクラ(小口切り、湯通し)
- お好みのドレッシング
作り方:
- すべての材料を準備します
- モロヘイヤは塩ゆでし、オクラは小口に切ってさっと湯通しします
- すべての材料をドレッシングで和えれば完成です
このサラダは、キウイフルーツの清熱作用と、食物繊維による整腸作用が期待できます。暑い季節の便秘解消に特におすすめですよ。
キウイフルーツの便利な食べ方
キウイフルーツはさまざまな形で食卓に取り入れることができます:
- 基本の食べ方:生のままスプーンですくって食べる
- 簡単な皮むき方法:キウイフルーツを半分に切り、スプーンで果肉をすくう
- 料理への活用:サラダやデザート、スムージーの材料として使用
- 肉料理のマリネ:キウイに含まれる酵素(アクチニジン)が肉を柔らかくする効果あり
- 冷凍保存:スライスして冷凍するとシャーベットのような食感に
キウイフルーツ摂取の注意点
Q: キウイフルーツを食べる際に気をつけるべきことはありますか?
キウイフルーツは健康に良い果物ですが、以下のような場合には注意が必要です:
- 寒い季節や冷え症の方
- 寒性の食材なので、多食は避けた方が良いでしょう
- 冬場は温かい性質の食材と一緒に摂るなど工夫を
- 脾胃虚寒(ひいきょかん)の方
- 腹痛や下痢の症状がある方は注意しましょう
- 消化機能が弱い方は少量から始めることをおすすめします
- 生理中の方
- 出血量が多い時は多食を避けましょう
- さらに出血量が増える可能性があります
- 胃病のある方
- 基本的には適量であれば食べることができますが、過剰摂取は避けましょう
- 酸味が強いため、胃酸過多の方は少量にとどめることをおすすめします
キウイフルーツと胃の健康
キウイフルーツは「健脾開胃」の効果があり、胃の健康に役立つ面もあります。中医学では、キウイフルーツが解熱、止渇、健胃の効果があり、消化不良や肺熱による乾咳などの症状を緩和するとされています。
胃病の患者さんも一般的には適量のキウイフルーツを食べることができ、消化不良、吐き気、嘔吐などの胃部不快感を和らげる効果が期待できます。キウイフルーツに含まれるビタミンCや食物繊維は免疫力を高め、胃の回復を促進する可能性があります。
ただし、キウイフルーツは酸味が強く寒性のため、過剰に摂取すると腹痛や下痢、胃酸の過剰分泌などの不快症状を引き起こす可能性があることに注意が必要です。
まとめ:キウイフルーツの効能と上手な取り入れ方
キウイフルーツは東洋医学的には「清熱止渇」「降逆和胃」「利尿通便」などの働きを持つ果物です。体の熱を冷まし、のどの渇きを解消する効果や、胃腸の調子を整え排便排尿を整える効果が期待できます。
豊富なビタミンCや食物繊維を含み、免疫力アップや整腸作用も期待できる優れた果物ですが、その「寒性」という性質から、冷え症の方や胃腸の弱い方は摂取量に注意する必要があります。
日常生活では、生のまま食べるだけでなく、サラダやマリネなど様々な形で取り入れることで、その効能を存分に活かすことができます。ぜひ、季節や体調に合わせて、キウイフルーツを健康維持にお役立てください。
何よりも大切なのは、自分の体調や体質に合わせて適量を摂ることです。東洋医学では「その人に合った食べ方」が最も重要視されています。ご自身の体調に合わせて、キウイフルーツの恵みを上手に取り入れてみましょう。
参考文献

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