【帰脾湯】夜中に何度も目が覚めて眠りが浅い方の不眠に

不眠
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

帰脾湯について
質問をいただきましたよ

現代社会では、仕事や人間関係、将来への不安など、考えることが多すぎて夜になっても頭が休まらないという方が増えています。「布団に入っても頭の中がグルグル回って眠れない」「夜中に何度も目が覚めて、夢ばかり見ている」そんな経験はありませんか?

実は、考えすぎによる不眠には、漢方医学的にしっかりとした理由があります。今回は、なぜ考えすぎると眠れなくなるのか、そして帰脾湯(きひとう)という漢方薬がどのように働いてくれるのかを分かりやすく解説していきます。

心と体のつながりを理解することで、より良い睡眠を取り戻すヒントが見つかるかもしれませんね。

考え過ぎで、どうして不眠になるの?

良質な睡眠に入るためには、血の補充によって脳を調整する心気(しんき)を穏やかな状態にする必要があります。心気とは、心臓や精神活動をコントロールする気のことで、これが安定していることが安眠の鍵となります。

ところが、考えすぎや心配事などで頭を使い過ぎると、心気が乱れてしまいます。現代人の多くが抱える「頭が休まらない」状態は、まさにこの心気の乱れが原因なのです。

さらに問題なのは、心気の乱れが、気血(きけつ)を作ったりそれらを運搬する脾気(ひき)の機能を低下させてしまうことです。脾気とは消化器系の働きを司る気で、食べ物から栄養を吸収し、血を作り出す重要な役割を担っています。

脾気が弱ることで血を作れなくなるため、心気を穏やかにするための血が不足してしまいます。また、身体の上部へと血を持ち上げる働きも弱ってしまうのです。

その結果、心気は血の不足によって穏やかさを保つことができず、不眠になってしまうというメカニズムが生まれます。考えすぎ→心気の乱れ→脾気の低下→血不足→さらなる心気の乱れ、という悪循環に陥ってしまうのですね。

帰脾湯が不眠に効く理由は?

帰脾湯は、この悪循環を断ち切るために非常に効果的な漢方薬です。その働きのメカニズムを詳しく見てみましょう。

帰脾湯は脾気の働きを高めつつ、材料も補充されるため、心気を穏やかにする血が作られるようになります。単に脾気を強化するだけでなく、血を作るための材料も同時に補給してくれるのが帰脾湯の特徴です。

さらには、運搬する働きが調整されて心へと血を届けられるようになります。せっかく血が作られても、それが心まで届かなければ意味がありません。帰脾湯は血の運搬機能も整えてくれるため、心気が安定し、不眠が改善されるのです。

どんな感じの不眠に良いの?

帰脾湯が効果的な不眠には、特徴的なパターンがあります。

主な不眠の特徴: ・夜中に何度も目が覚めてしまう ・夢が多くて深く眠れない ・朝起きても疲れが取れていない感じがする

また、このタイプの不眠になりやすい方の体質的な特徴もあります。

体質的な特徴: ・考えすぎなどで頭を使う機会が多い ・食欲不振や倦怠感が出やすい ・やせ形で顔色が悪い傾向にある ・胃腸が弱く、疲れやすい

このような特徴に当てはまる方の不眠の解消に、帰脾湯はよく使われています。

この体質改善に効果が期待できる漢方薬

ここでは、脾気虚(ひききょ)による不眠体質の改善に効果が期待できる漢方薬をご紹介します。これらは特定の方に合う漢方薬ではなく、あくまで脾気虚体質の改善に一般的に用いられる漢方薬です。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう):脾気を補い気を持ち上げる代表的な処方。お腹の弱さによる疲労などに用いられる

加味帰脾湯(かみきひとう):帰脾湯に柴胡と山梔子を加えた処方。イライラや熱感を伴う場合に適している

甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう):精神的な不安定さが強い場合に用いられ、心を安定させる効果が期待できる

ただし、症状が複雑な場合には、単独の処方では効果が不十分な場合があります。体質や症状に応じた適切な漢方薬の選択や組み合わせについては、ピヨの漢方での漢方相談をご利用いただくことをお勧めします。

まとめ

考えすぎによる不眠は、心気と脾気のバランスが崩れることで起こる現象です。現代社会のストレスフルな環境では、多くの方がこのような不眠に悩まされています。

帰脾湯をはじめとする漢方薬は、根本的な体質改善を通じて、質の良い睡眠を取り戻すサポートをしてくれます。ただし、漢方薬は個人の体質に合わせて選ぶことが大切ですので、お一人で悩まずに専門家にご相談くださいね。

良い睡眠は、心身の健康の基盤となります。今回の内容が、より良い眠りを手に入れるための参考になれば幸いです。

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