【頭の痒みと不眠の関係】冷えのぼせと腸トラブルが引き起こす悪循環とは?

不眠
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

不眠にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

頭が痒い、顔がザラザラする、体は熱いのに手足が冷える…そんな不快な症状に悩まされていませんか?実はこれらの症状は、単なる皮膚トラブルではなく、体全体のバランスの乱れから生じている可能性があります。

今回は、頭の痒みと冷えのぼせで不眠に悩む63歳女性の体験談をもとに、これらの症状の根本原因と改善方法についてご紹介します。一見関係のなさそうな症状同士が、実は深く結びついているという漢方的な視点から解説していきましょう。

頭の痒みと顔の炎症、その奥に潜む体質とは?

今回ご相談いただいたのは、頭の痒みと顔の炎症に約6ヶ月悩まされている63歳の女性です。症状が長引き、様々な治療法を試しても改善しないというケースです。

外見的な特徴とお悩みの症状

  • 年齢:63歳、女性
  • 身長:154cm
  • 体重:42kg(5kg減少)
  • BMI:17.71

主な症状:

  • 頭の痒みと熱感
  • 顔全体の炎症(特にTゾーン)
  • 体が熱いのに手足が冷える(冷えのぼせ)
  • 顎周辺のボコボコとした痛み
  • 肌質の変化(柔らかい肌→硬くベトベト)
  • 髪の乾燥
  • 不眠
  • 腸の調子の悪化

この方の体質を漢方的に見ていくと、体の上部と下部で熱のアンバランスが生じていることがわかります。頭に熱がこもり痒みや炎症を引き起こす一方で、手足は冷えている状態です。これは体内の気や血の巡りが悪くなっているサインです。

なぜ頭に熱がこもり、体は冷えるのか?

この方の体質を詳しく分析すると、以下のような特徴が見られます:

  1. 体の芯の熱源の弱さ:舌の色が白っぽい、手足の冷え、夜間頻尿、腰痛などから、体の中心部の熱が不足していることがわかります。
  2. 血の不足:皮膚や髪の乾燥、不眠、低いBMIなどから、体を潤す血液が足りていない状態です。
  3. 腸の機能低下:食欲不振、体重減少、便通の異常などから、栄養を吸収して血を作る腸の働きが弱まっています。
  4. 気の滞り:ストレスの影響で気の巡りが悪くなり、本来全身を巡るべき気や血が一カ所に停滞し、熱を生み出しています。

このように、熱源の弱さ気の滞りという一見矛盾するような状態が同時に起きているのです。本来なら体全体が熱を持つはずですが、芯の冷えによって気や水分の巡りが悪くなり、熱が上部に偏って集中してしまっています。

不眠と皮膚トラブルの意外な関連性

不眠と皮膚トラブルには密接な関係があります。血の不足は体の潤いを減少させ、結果として頭部の乾燥と痒みを引き起こします。同時に、脳を落ち着かせるための血液も不足するため、不眠や不安感も生じるのです。

さらに悪いことに、睡眠不足は気や血の補充を妨げるため、症状改善がさらに難しくなるという悪循環に陥ります。これが治療を試みても効果が出にくい原因の一つかもしれません。

腸の調子と肌トラブルはなぜ連動するのか?

この方はストレスによる腸の調子の悪化も訴えています。実は、腸の状態と肌の状態は密接に関連しているのです。腸の働きが弱まると:

  1. 栄養の吸収が悪くなり、皮膚や髪の材料となる血液が作られにくくなる
  2. 体内の水分の流れが滞り、上部に水分がたまりやすくなる
  3. お腹の停滞により体の上下の流れが寸断され、冷えのぼせが悪化する

特に顎周辺のボコボコとした痛みは、上に持ち上がった水分が重さで落ち込み、周辺の熱で煮詰められてドロドロになった状態と考えられます。これが気血の流れを阻害し、痛みを引き起こしているのでしょう。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の症状改善には、以下のような自然療法がおすすめです:

1. 体の声に従った食事スタイル

空腹感や喉の渇きは体からの大切なシグナルです。時間で食事をするのではなく、体が欲するタイミングで食事をすることが重要です。無理に食べると消化器官に負担をかけ、症状を悪化させる可能性があります。

特に注意したいのは、この方の場合、「栄養をつけなきゃ」という思いから必要以上に食べている可能性があることです。体が準備できていないときに食べ物を摂ると、腸の負担になり、弱った状態がさらに悪化してしまいます。

2. 適度な運動で気の巡りを改善

広々とした場所での散歩など、軽い運動がおすすめです。体を動かすことで:

  • 滞っていた気の流れが改善される
  • ストレスが解消される
  • 体内で適度な熱が生成される
  • 自然な空腹感が促される

ただし、腰痛などの状態を見ながら、無理のない範囲で行うことが大切です。

漢方薬による体質改善

この方のような冷えのぼせと腸の不調を伴う体質には、以下のような漢方薬が効果が期待できます:

  • 当帰芍薬散:血の不足を補い、水分代謝を整える働きがあります。冷えと血行不良の改善に効果的です。
  • 加味逍遙散:気の巡りを改善し、のぼせや不眠などの症状を和らげます。ストレスによる不調にも効果的です。
  • 六君子湯:消化器の働きを高め、胃腸の機能を回復させる漢方薬です。食欲不振や胃もたれの改善に役立ちます。

ただし、これらは一般的な漢方薬の効能であり、実際には体質や症状が複雑に絡み合っているため、単独では効果が十分でない場合もあります。当店では個々の体質や症状に合わせた漢方相談も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:頭の痒みと不眠は体全体のバランスから考える

今回ご紹介した症例から分かるように、頭の痒みや不眠は単に局所的な問題ではなく、体全体のバランスの乱れから生じていることが多いのです。特に:

  1. 体の芯の冷えによる熱の偏り
  2. 血の不足による乾燥と不眠
  3. 腸の機能低下による栄養吸収の問題
  4. 気の滞りによる水分循環の乱れ

これらが複雑に絡み合って症状を形成しています。

改善には、体の声に耳を傾け、無理な食事を避け、適度な運動を取り入れることが大切です。また、体質に合った漢方薬の力を借りることで、根本からの体質改善も期待できるでしょう。

一見関係のなさそうな症状も、体全体のバランスから考えることで、その本質的な原因と解決策が見えてくるのです。

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ピヨ先生
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