寒暖差アレルギーによる鼻炎・鼻づまりの特徴と自然療法

鼻の不調
ピヨ先生
ピヨ先生

こんにちは
どうなさいましたか?

にゃんたろう
にゃんたろう

鼻炎にお悩みの方から
質問をいただきましたよ

季節の変わり目や朝晩の温度差が大きい時期になると、突然鼻づまりや鼻水に悩まされることはありませんか?この症状、実は「寒暖差アレルギー」かもしれません。

寒暖差アレルギーは、花粉やハウスダストのような特定のアレルゲンではなく、温度変化そのものが引き金となって起こるアレルギー反応です。特に体質的に敏感な方が影響を受けやすく、多くの方が気づかないまま慢性的な症状に悩まされています。

今回は、寒暖差アレルギーで鼻炎や鼻づまりを経験されている50歳女性の方の体験をもとに、東洋医学的な体質の特徴と効果的な自然療法についてご紹介します。ご自身の症状と照らし合わせながらお読みいただければ幸いです。

この方の外見的な特徴とお悩みの症状

まずはこの方の基本情報と主な症状をご紹介します:

  • 年齢:50歳(女性)
  • 身長:160cm
  • 体重:48kg
  • BMI:18.75

主な症状:

  • 寒暖差アレルギーによる鼻炎・鼻づまり
  • 季節の変わり目や温度差が激しい時に症状悪化
  • 朝晩に症状が特に悪化

体質的な特徴としては、皮膚や髪の毛は乾燥気味で、顔色には黄色味が目立ちます。舌の特徴も興味深く、厚ぼったい形状で白っぽい色をしており、歯の跡や溝、割れ目が見られます。舌苔は水っぽく部分的に剥れており、舌の裏側は太く膨らんでいるとのことです。

なぜ寒暖差で鼻症状が起こるのでしょうか?

この方の症状と体質的特徴から東洋医学的に分析すると、いくつかの重要なポイントが浮かび上がってきます。

まず、鼻の周辺に水の滞り(水滞)が起こっていることが最も大きな問題です。舌の形が厚ぼったく歯の跡があり、水っぽい舌苔が見られることから、体の上部に余分な水分が充満していることがわかります。

ただし、舌苔が全体的に厚くないことから、体全体が水で満たされているわけではなく、特定の部位に水分が停滞している状態と考えられます。帯下(おりもの)が多い点やふくらはぎにわずかな浮腫みがあることも、この水分の停滞を裏付けています。

さらに、以下の症状から**血液の不足(血虚)**も見られます:

  • 皮膚や髪の毛の乾燥
  • 白っぽい舌色
  • 黄色い顔色
  • 頻繁な夢見
  • 強い不安感
  • 筋肉の痙攣やつり
  • 脆い爪
  • 目の疲れや乾燥

特に顔色が黄色いという点は注目すべきです。健康な状態では、顔色はほんのりと赤みを帯びているものです。これは顔の皮膚の下を血液が十分に循環している証拠です。顔色が黄色くなるのは、上半身での血液不足と血行不良を示しています。

体の冷えと気の滞りが根本的な原因かもしれません

この方の体は全体的に熱が不足して冷えている状態と考えられます。以下の症状がその証拠です:

  • 舌の色が白い
  • 舌に歯の跡がある
  • 声が小さい
  • 夜間尿があり一回量が多い
  • のどの渇きを感じない
  • 手足が冷える
  • 寒がり

お腹の機能にも注目すべき点があります。食欲不振や食後の腹部膨満感、胃のもたれなどから、消化機能にやや低下が見られます。ただし、便秘気味ではあるものの毎日排便があることから、吸収機能自体には問題がなさそうです。

この状態は、**「食べたものは吸収できているが、その後の栄養素の運搬や配分に問題がある」**と解釈できます。東洋医学では、胃腸が食物を消化吸収するだけでなく、それを「気」や「血」に変換して全身に運ぶ働きも担っていると考えます。

立ちくらみやめまい、胃下垂などの症状は、この「上へ持ち上げる力」の低下を示しています。その結果、顔色が黄色くなるなどの症状が現れているのでしょう。

環境の変化に対応できない体の状態

寒暖差アレルギーが季節の変わり目や朝晩に悪化するのは、外部環境の変化に対応する「気」の働きに問題があるからです。

通常、外気温が変化すると、体内の「気」が皮膚表面に向かい、汗腺を調節するなどして体温を適切に保ちます。しかし「気」の巡りが悪いと、この環境適応機能がうまく働かなくなります。

この方の場合、食後の腹部膨満感や腹部不快感、コロコロとした便、体のあちこちの痛みなどは、すべて**「気」の滞り**によるものと考えられます。息切れや動悸も、必要な場所に「気」が届かないことで起きている可能性があります。

ではこの方に、おススメの自然療法を教えて下さい

この方の状態をまとめると、体に冷えがあり水分や血液の循環が悪く、胃腸の機能も低下しています。さらに「気」の滞りにより、環境変化への適応力も低下しています。

これらの問題に対する自然療法としては、以下のポイントが大切です:

1. 適切な水分摂取を心がける

この方は「のどが渇かないのに頻繁に水分を摂取している」とのことですが、これは控えめにした方が良いでしょう。水の巡りが既に悪い状態で不必要な水分を摂ると、体内の水分バランスがさらに崩れます。

東洋医学では、胃腸の状態と鼻の症状には密接な関係があると考えます。余分な水分摂取が胃腸に負担をかけ、結果的に鼻の症状を悪化させている可能性があります。喉の渇きに応じた水分補給を心がけましょう。

2. 体を温める食材を取り入れる

体を温め、気の巡りを良くする食材を積極的に摂りましょう:

  • キンモクセイ:体を温め、不安感を和らげる
  • 春菊:体を温める効果がある
  • カツオ:血を補い、体を温める
  • シナモン:体を温め、気の巡りを良くする

これらの食材を日常の食事に取り入れることで、徐々に体質改善が期待できます。

3. 適度な運動で気血の流れを改善

散歩などの軽い運動は、体内に適度な熱を生み出し、水分や血液の循環を促進します。無理のない範囲で日常的に体を動かすことをお勧めします。

体質改善に役立つ漢方薬

体質改善には以下のような漢方薬が効果的かもしれません:

  • 葛根湯(かっこんとう):鼻づまりの改善と体の冷えの解消に働きかけます
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう):水の巡りを良くし、鼻水や鼻づまりを改善します
  • 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう):水滞を改善し、胃腸の働きを高めます

※これらは寒暖差アレルギーの症状がある方の体質改善に一般的に用いられる漢方薬であり、個人の体質や症状によっては効果が異なります。複雑な症状の場合、単独では効果が不十分なこともあります。当店では詳しい漢方相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ:体質改善で寒暖差アレルギーを克服しよう

寒暖差アレルギーによる鼻炎や鼻づまりは、単なる症状ではなく、体全体のバランスが崩れた結果として現れます。特に「気」の滞り、水分代謝の異常、血液の不足、体の冷えなどが複合的に作用していることが多いのです。

今回ご紹介した方法は、対症療法ではなく根本的な体質改善を目指すものです。すぐに効果が現れるものではありませんが、継続することで徐々に体のバランスが整い、環境変化にも負けない強い体質へと変わっていくでしょう。

気になる症状がある方は、ぜひ一度専門家に相談してみることをお勧めします。東洋医学の視点から、あなたの体質に合った具体的なアドバイスが得られるはずです。

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